闘破蒼穹(とうはそうきゅう)

きりしま つかさ

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第1408話 半聖との対決

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「大丈夫だ、期待に応えよう……」

骨幽聖者の嗄れた声に対し、蕭炎の顔に冷笑が浮かび上がる。

掌をわずかに持ち上げると、五色の美しい火蓮はゆっくりと高速回転を始め、途端に空間そのものが歪んでいく。

「薰姉妹、離れておくれ……」

蕭炎が首を傾げて薰に向ける声は冷静だった。

「炎王炎爆!」

火蓮が爆発する破壊力の恐ろしさを知っているため、近づきすぎないようにと。

薰は頷くと、その鋭敏な感知で火蓮の異常さを感じ取った瞬間、身を翻して後退した。

「こちらも遠ざかろう」

古青陽が手を振ると、一同は重々しく距離開いた。

黒い骸骨の眼孔から不気味な光が揺らめく。

「蕭炎よ、これが初めての半聖との戦いだというなら、老夫に教えてやろう。

斗尊と斗聖の間にある無限の隔たりとはどれほど凄まじいものか」

その沙哑で冷たい声は空間を震わせた。

蕭炎が笑みを浮かべると指先で火蓮を叩き、途端に高速回転が始まった。

瞬く間に光の矢となり掌から飛び出すと、通過した空間自体が崩壊し、黒い痕跡が連なる。

この火蓮は驚異的な衝撃音を立てないが、真の強者には死神の鎌のような威圧感があった。

深く陥った眼孔から緑色の光が輝きながら、黒い霧が噴出する。

「万魂骨甲!」

骸骨の口から古びた声が響くと、無数の魂が霧となって暴れ出した。

それらは骸骨に吸着し、黒光りを放つ鎧を形成した。

その表面には細かい骨片があり、それぞれに恐ろしい顔が刻まれていた。

「蕭炎よ、老夫は見てやろう。

お前が無駄な賛辞で吹聴されるほど凄いというこの火蓮が、老夫の万魂骨甲を破れるかどうか」

鎧が完成すると骸骨は天を仰ぎ見た。

途端に光の矢が空を裂き、その巨大な顔面へと衝突した。

「轟!」



天地が一瞬静まり、風の音さえ消えたかに見えた。

その静寂は短く、天を震わせる驚異的な爆発が空高く炸裂した。

千丈規模の炎の嵐が爆発点から突然広がり、その周囲の空間は次々と黒い穴となり崩れ落ちた。

地表では凄まじい烈風が降り注ぎ、砂石を舞い上げる。

人々は驚愕の目で見つめる——千丈四方の地面が肉眼で見る間に剥がされていく。

巨大な亀裂が地中から這い上がり、地震のように連鎖拡大する。

天際を駆ける破壊の嵐を見た場内全員の顔に白さが広がった。

九鳳と魂玉らは苦痛の表情で固まる——九転斗尊最上位の力を持つ蕭炎がこれほどの恐怖的な攻撃を繰り出したとは、常識外れだ。

この烈火蓮爆裂の威力は、通常の天階中級の術技では到底及ばない。

「ウィィィ!」

破壊の力に満ちた炎の嵐が空を覆い尽くす。

その中に漂う巨大な天凰の虚影も波及を受け、激しく震え始めた。

九鳳の驚愕の視線の中で、突然「バキッ」と音を立てて消滅した。

「プチ!」

天凰の虚影が崩壊すると同時に、九鳳は口から血を噴き出し顔色が蒼白になった——相当な衝撃を受けたようだ。

「ドン!」

空に広がる破壊の波動が猛威をふりまわし、その範囲内の全ての生物が滅ぼされる。

周辺の強者たちも恐怖で逃げ出すばかりだった。

蕭炎は遠くの空中からその美しい炎の嵐を見つめながら、表情を変えなかった。

これは初めて半聖と対峙した瞬間だ。

烈火蓮の威力は確かに凄まじいが、半聖という存在の恐ろしさも理解していた——これらは近古の種族にも匹敵する老練な戦士たちなのだ。

もし彼らを簡単に滅ぼせるなら、聖階強者という概念そのものが軽視されるだろう。

全員の注目の中で、空を覆う炎の嵐が徐々に衰え始めた。

同時に破壊された空間はゆっくりと修復されていく——中心部には十丈規模の黒い骸骨が再び現れた。

「耐えたか!」

魂族の強者は狂喜し目を輝かせたが、反対側の者たちの表情は険悪に引き締まった。

これほどの攻撃で傷一つ付かない——半聖とは本当にここまで強いのか?

蕭炎の顔は引き締まり「カチリ」と音を立てながら、その巨大な骸骨を見つめ続けた。

烈火蓮の威力が骨幽に一点の傷も与えなかったなど信じられない。

「キィ!」



炎が鋭い視線を凝らすと、空にそびえる黒い骸骨の表面から突然小さな音が響き渡り、驚愕の視線を集める中で一塊の破片が落ちて行った。

「カク!」

最初の破片が落ちた直後、次々と骨の甲冑が雪のように散り始め、巨大な骸骨の体躯に無数の亀裂が生じ、最終的にその大きな甲冑はドンと爆発し、粉々に砕け散った。

この光景を見て魂族の目から喜色が消えた。

破片が落ちて現れたのは骸骨本体だった。

しかし今やその堅牢な身体も無数の亀裂を抱え、風が吹き渡る中で眼窩に宿っていた緑い炎はプッと息を吐くように暗転した。

「プ!」

二つの光が消えた瞬間、巨大な骸骨は人々の驚愕の視線の中でゆっくりと灰燼となった。

一瞬で跡形もなく散り果てた。

「プチ!」

灰燼となった骸骨の向こうにずっと動かなかった本体が突然血を吐き出し、空虚な目から再び緑い光が湧き上がり、顔色は蒼白になった。

頬の血を拭うと、その人物はゆっくりと顎を上げた。

森然と告げた。

「よし、怪我させたのはお見事だ。

しかし老夫が貴方の命を取るのは時間の問題だ」

「チィ!」

その言葉が途切れた直後、黄金色の光が突然雷鳴のように現れ、骨幽の前に巨大な金剛拳が迫り来た。

「フン!」

突然の奇襲に骨幽も僅かに動揺したが、すぐに体勢を立て直し、傷みを無視して枯れた手でその黄金の拳を受け止めようとした。

「ドン!」

二つの衝突は金鉄の音を響かせた。

巨大な光の影はガタガタと後退り、黄金の拳には掌の形が刻まれていた。

半聖級の強者でも傷みを抱えればこの程度の反撃は可能だった。

「お前などまだ早すぎる!」

骨幽も一歩引いたがすぐに構えた。

その目は前方の光の影を見据えていた。

彼の眼力ではそれが火蓮を使った後の蕭炎だと見抜いていた。

「貴方の誇りたる火蓮を使い切ったなら、今こそ老夫と戯れよ」

骨幽の顔には虐殺的な笑みが浮かんだ。

彼は自分が後輩にここまでやられることを想定していなかった。

もし魂魄が出てこなければあの炎で無治療可能な傷を負っていたかもしれない。

「お前などまだ早すぎる!」

その言葉と共に骨幽の手が蕭炎に向かって伸びた。

しかし次の瞬間、空間が歪み彼の前に空間の裂け目が現れた。

そこからゆっくりと老人の姿が現れ、静かな声で言った。

「骨幽よ、貴方の年輪に照らし合わせれば、その行為は恥辱ではないか?」



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