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拓サイド
おまけ1
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「え、蛍って甘いもの好きなのか? じゃあなんで今まで食べなかったんだ?」
思いを伝えあって、晴れて両想いになった俺達は、キッチンに仲良く並んで食器を片付けていた。
俺が食器を洗って、蛍が食器を拭いて食器棚にしまう。
数枚しかない皿を、俺は丁寧に洗っていた。
なんか、顔見ながら話すのが照れくさいんだよ、でもさっさと洗ってテレビでも見るかって雰囲気じゃないんだよ分かれよ。
なんて誰にしてるんだっていう言い訳を頭の中でしてる俺は、浮かれ過ぎだ。
「拓甘いもの苦手なんだろ?」
さっきの甘い匂いが苦手って何と聞いたら俺が高校の時に言った言葉のせいで、蛍は俺が甘いもの嫌いだと思っていたから俺の前で食べない様にしていたんだと告白した。その後で、今日は昼飯を食べ損ねていたのと運転で疲れたから、コンビニでドーナツとコーヒーを買って駐車場で食べたのだと話した。
「蛍、コーヒー飲むんだ」
「うん、でも自分じゃ上手く入れられないし、拓が入れてくれる紅茶飲むのが好きだから、外でたまに飲む程度で良いかなって思ってた」
俺をちらりと見て、恥ずかしそうに視線を逸らす蛍は可愛いけど、なんか俺色々蛍に無理させてたんじゃないのかと心配になる。
紅茶は俺の母親と姉の趣味で入れ方を鍛えられたし、紅茶を飲むのが俺の当たり前だったから何の疑問も持ってなかったけど、そうだよなコーヒーを日常的に飲む人って多いよな。
「俺が甘いもの好んで食べなくても、蛍に目の前で食べるななんて言わないけど」
俺、そんな強要しそうな奴に思われてたんだろうか。不安になって蛍を見ると蛍も俺を見ていた。
「そんな事分かってるよ。俺が馬鹿だったんだよ、拓が言った『甘いもの苦手、甘ったるい匂いがちょっとなぁ』って言葉に過剰反応したんだよ。甘いもの好きな俺が苦手って言われたみたいな被害妄想……うわっ」
被害妄想の言葉に、食器洗いのスポンジを持ったまま焦って蛍に触れそうになる。
俺が発した言葉で蛍がそんな傷付いてたのかと思ったら、焦るに決まってる。
「そんなこと言ってない。蛍が甘いの食べてたら、ただ可愛いだけだ」
「か、かわ、可愛くないってば」
照れる蛍は可愛い。
やばい俺、こんな可愛い子と恋人になったのか、両想いって素晴らしいな。
神様ありがとう、大好きな人と思いが通じ合うってこんなに幸せな気持ちになるって知らなかったよ。
「どういう理由でそういう発言になったのか覚えてないけど、多分俺を誘って来た奴らが邪魔だったんだよ。その頃って蛍と休み時間に会話するのが楽しみで学校行ってたから」
「え」
「友達多いのは楽しかったけど、俺は蛍としゃべりたかったんだよ。だから邪魔されてむかついてたんだと思う」
何年も前の俺の言葉をずっと気にしていた蛍に申し訳ないと言う気持ちがありつつ、ずっと蛍の心の中に俺がいたんだと実感してにやにやしそうになるのは仕方ない。
両想いになった日に、浮かれるなって方が無理だ。
「そっかぁ。……はあ、安心したら眠くなってきちゃったなあ」
だけど浮かれている俺に爆弾を落とすのが、蛍って奴だ。
「蛍?」
「俺、お風呂入って来る。拓も疲れたでしょ、おやすみっ」
まだ全部拭き終わっていない食器をそのままに蛍は逃げていく。
逃げていく蛍の耳が赤いのは、俺の言葉になにか照れる要素があったんだろう。
それは分かるけど、照れる蛍も可愛いけれど、だからっておやすみって、おやすみってぇ。
「まあ、いいよ。おやすみ、蛍」
三年待ったんだ、今更一日や一週間、まさか一ヶ月先ってことはないよな?
そそくさと風呂場に向かう蛍を見送った俺は、その後もお預けの日々が続くなんてこの時は思って無かった。
※※※※※※
おまけです。
企画参加したくてプロット練った話なんですが、蛍可愛いっってなったので、時々お話追加するかもしれません。
いやもう、無自覚受けが好き過ぎる。
解釈一致な方、是非仲良くしていただけると泣いて喜びます。
他の話完結させてないのに、新作作って申しわけありませんっっ!!
思いを伝えあって、晴れて両想いになった俺達は、キッチンに仲良く並んで食器を片付けていた。
俺が食器を洗って、蛍が食器を拭いて食器棚にしまう。
数枚しかない皿を、俺は丁寧に洗っていた。
なんか、顔見ながら話すのが照れくさいんだよ、でもさっさと洗ってテレビでも見るかって雰囲気じゃないんだよ分かれよ。
なんて誰にしてるんだっていう言い訳を頭の中でしてる俺は、浮かれ過ぎだ。
「拓甘いもの苦手なんだろ?」
さっきの甘い匂いが苦手って何と聞いたら俺が高校の時に言った言葉のせいで、蛍は俺が甘いもの嫌いだと思っていたから俺の前で食べない様にしていたんだと告白した。その後で、今日は昼飯を食べ損ねていたのと運転で疲れたから、コンビニでドーナツとコーヒーを買って駐車場で食べたのだと話した。
「蛍、コーヒー飲むんだ」
「うん、でも自分じゃ上手く入れられないし、拓が入れてくれる紅茶飲むのが好きだから、外でたまに飲む程度で良いかなって思ってた」
俺をちらりと見て、恥ずかしそうに視線を逸らす蛍は可愛いけど、なんか俺色々蛍に無理させてたんじゃないのかと心配になる。
紅茶は俺の母親と姉の趣味で入れ方を鍛えられたし、紅茶を飲むのが俺の当たり前だったから何の疑問も持ってなかったけど、そうだよなコーヒーを日常的に飲む人って多いよな。
「俺が甘いもの好んで食べなくても、蛍に目の前で食べるななんて言わないけど」
俺、そんな強要しそうな奴に思われてたんだろうか。不安になって蛍を見ると蛍も俺を見ていた。
「そんな事分かってるよ。俺が馬鹿だったんだよ、拓が言った『甘いもの苦手、甘ったるい匂いがちょっとなぁ』って言葉に過剰反応したんだよ。甘いもの好きな俺が苦手って言われたみたいな被害妄想……うわっ」
被害妄想の言葉に、食器洗いのスポンジを持ったまま焦って蛍に触れそうになる。
俺が発した言葉で蛍がそんな傷付いてたのかと思ったら、焦るに決まってる。
「そんなこと言ってない。蛍が甘いの食べてたら、ただ可愛いだけだ」
「か、かわ、可愛くないってば」
照れる蛍は可愛い。
やばい俺、こんな可愛い子と恋人になったのか、両想いって素晴らしいな。
神様ありがとう、大好きな人と思いが通じ合うってこんなに幸せな気持ちになるって知らなかったよ。
「どういう理由でそういう発言になったのか覚えてないけど、多分俺を誘って来た奴らが邪魔だったんだよ。その頃って蛍と休み時間に会話するのが楽しみで学校行ってたから」
「え」
「友達多いのは楽しかったけど、俺は蛍としゃべりたかったんだよ。だから邪魔されてむかついてたんだと思う」
何年も前の俺の言葉をずっと気にしていた蛍に申し訳ないと言う気持ちがありつつ、ずっと蛍の心の中に俺がいたんだと実感してにやにやしそうになるのは仕方ない。
両想いになった日に、浮かれるなって方が無理だ。
「そっかぁ。……はあ、安心したら眠くなってきちゃったなあ」
だけど浮かれている俺に爆弾を落とすのが、蛍って奴だ。
「蛍?」
「俺、お風呂入って来る。拓も疲れたでしょ、おやすみっ」
まだ全部拭き終わっていない食器をそのままに蛍は逃げていく。
逃げていく蛍の耳が赤いのは、俺の言葉になにか照れる要素があったんだろう。
それは分かるけど、照れる蛍も可愛いけれど、だからっておやすみって、おやすみってぇ。
「まあ、いいよ。おやすみ、蛍」
三年待ったんだ、今更一日や一週間、まさか一ヶ月先ってことはないよな?
そそくさと風呂場に向かう蛍を見送った俺は、その後もお預けの日々が続くなんてこの時は思って無かった。
※※※※※※
おまけです。
企画参加したくてプロット練った話なんですが、蛍可愛いっってなったので、時々お話追加するかもしれません。
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解釈一致な方、是非仲良くしていただけると泣いて喜びます。
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