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「第二王子殿下が猫に、どういうことだヤニック」
言いながらギュスターヴ様は私を抱き上げたまま、数歩後退る。
「どうもこうも、夜が明けて一刻も経たない頃急にこうなってしまったのですよ。ギュスターヴ殿にはお心当たりがあるのではありませんか」
「心当たり?」
ヤニック・フルーリーの声ってこんなに陰気な感じだっただろうか、昨日挨拶した時はもっと明るく感じがしていたけれどこれが普段の声なのだろうか。
「何をとぼけている! それに私への当てつけか! なんでシュテフイーナを抱いている!」
「歩けないのにヤニックがどうしても私と妻に会いたいと言っているというので、私が連れて参りました。だって他に方法はないでしょう?」
「歩けない? ま、まさかお前無理矢理。私のシュテフイーナに無体を働いたというのか!!」
「失礼なことを言わないでください。合意の上に決まっているではありませんか、私達は正式に夫婦になり愛を確かめ合ったのです。シュテフイーナはどんな私でも受け入れる、生涯共に生きてくれると誓ってくれたのです」
ギュスターヴ様は胸を張り答えるけれど、第二王子の「私のシュテフイーナ」という言葉に、悪寒が走り一気に鳥肌が立つ。
誰が誰のものだっていうの、冗談じゃない。
「失礼なことを仰らないで下さい。私は第二王子殿下のものだったことなど一度もありません。ギュスターヴ様に婚約者だと紹介されるまでお会いしたこともなく、紹介された後も挨拶しかしたことがないというのに、一体いつ私があなたのシュテフイーナになったというのですか」
冷静に、でも必要なことはすべて一気に話す。
大事な事は心の中にしまっておかず、しっかりと言葉にする。それは私のお母様とお姉様達に教えられたことだ。慎ましく我慢していて良い事なんて何もないと、私は教えられて育ったのだ。
「神に誓って申し上げます。私にやましいところは一切ありません、第二王子殿下と何かあった等言われるのは迷惑です!」
話し終えた瞬間、一番大きな声を上げたのはヤニック・フルーリーだった。
「どういうことですか、殿下! 彼女はあなたと隠れて恋慕を交わした間柄で、それをギュスターヴ殿が奪ったと聞いたから私は呪いの協力をしたというのに、ギュスターヴ殿と婚約するまで面識がないなら、すべて嘘だったんじゃないですか!」
「煩い、私が望んでそれを拒む者がいるわけがないだろう。だから私は自分が結婚した後シュテフイーナを囲うつもりだったんだ。それをギュスターヴが奪ったのだ」
第二王子殿下の訳の分からない言い訳に、呆れてしまう。
何を言いたいのか理解出来ないなんてこと、現実にあるとは思わなかった。
「つまり、第二王子殿下は我が家に嫁いだ可愛いシュテフイーナを卑しい愛人にするつもりだったと? しかも一度も話をしたことがないというのにそう考えていたと」
お義父様の地を這う様な低い声、あまりにも威圧感がある声にビクリと震えてギュスターヴ様にしがみつくと、安心させようとギュスターヴ様は私に向かい微笑む。
「卑しい愛人? 尊い王子である私の囲い者なら誰もが喜んでなるだろう。王子妃にするには伯爵家では家格が弱いが、愛人なら十分だ。シュテフイーナの姉の様な美しさはないが、一人くらいこういうのも悪くない」
どうしよう鳥肌が止まらない。
こんな気持ちが悪い考えをする人がいるなんて、想像したことも無かった。
「ギュスターヴがシュテフイーナを狙っていたなんて知らなかったから油断していたが、急に婚約したと聞かされた時の私の気持ちを公爵は考えたことはあるのか? ギュスターヴの様な剣を振るうしか能の無い愚鈍な男に出し抜かれたのだぞ。夜だけでなくずっと猫になる呪いを掛けてやれば良かった。夜だけ猫になれば初夜を失敗して、離縁になるだろうと思ったのに。離縁になればシュテフイーナはもうまともな家に嫁げなくなる。そうなれば私が優しく手を差し伸べてやろうと思ったのに」
「殿下! そんなお気持ちで私に呪いを依頼したのですか! なんて、なんて酷い」
「酷い? 私を裏切ってギュスターヴなんかと婚約したシュテフイーナが悪い。結婚しすぐに離縁したらどうしようもない醜聞、裏切り者のシュテフイーナには丁度良い罰だ。おまけにギュスターヴにも嫌がらせが出来る。呪いを受けて結婚したばかりの妻と離縁しなければならないなんて、素晴らしい嫌がらせだろう?」
裏切り者、どうして私がそんな言われ方をしないといけないのだろう。
何をどうしたらこんな気持ち悪い感情を向けられるのか、この人の気持ちが分からない。
「気持ち悪い」
「え、シュテフイーナ?」
「シュテフイーナ、今何と?」
ギュスターヴ様と第二王子殿下の声が重なるけれど、私はギュスターヴ様にしがみついたまま大声を上げる。
「気持ち悪いと言いました! 話したこともない相手にそんな気持ち悪い思いを向けられて、それ以外の感情なんてわきません。私はこの三年ずっとギュスターヴ様をお慕い続け、漸くその思いが叶いギュスターヴ様の妻になれたというのに、どうして何の関係もない方から裏切り者扱いをされて罰なんて言われないといけないのですか」
「き、気持ち悪い。私は王子だぞ! 無礼じゃないか!」
「身分が尊い方だろうと、気持ち悪いものは気持ち悪いです。恐れながら第二王子殿下のそのお考えは尊い身分にちっとも合っておりません。国王陛下も王妃殿下も王太子殿下も、今の第二王子殿下のお言葉を聞かれていたら心の底から嘆かれたことでしょう。情けない、これが王子の考えることかと」
ここまで言って、これは不敬で処罰されるかもしれないと思いつくけれど、もう止められない。
「気持ち悪いです、第二王子殿下。もし私がギュスターヴ様に離縁され、実家からも追い出されどれだけ困窮したとしても第二王子殿下の囲われ者になんて絶対になりません。あなたの様な人のものになるくらいなら、潔く死を選びます」
私を舐めないで欲しい、どんなに困っても私は第二王子殿下の手なんて取らない。例え処刑か第二王子殿下のどちらかを選ぶしか選択肢がないとしてもこんな気持ち悪い人のものになんてならない。
「なんだと、シュテフイーナ。お前誰にものを言っているか理解しているのか、不敬だ。不敬だ!! 今すぐ殺してやる、処罰してやる!!」
気持ち悪い猫が叫ぶけれど、誰も動かない。
「そこまでだ、お前は……なんて情けない」
突然扉が開いて、恐れ多い声がした。
「こ、国王陛下」
私を抱きかかえたまま扉の方に体を向けたギュスターヴ様は、入って来た人を見て声を震わせたのだった。
言いながらギュスターヴ様は私を抱き上げたまま、数歩後退る。
「どうもこうも、夜が明けて一刻も経たない頃急にこうなってしまったのですよ。ギュスターヴ殿にはお心当たりがあるのではありませんか」
「心当たり?」
ヤニック・フルーリーの声ってこんなに陰気な感じだっただろうか、昨日挨拶した時はもっと明るく感じがしていたけれどこれが普段の声なのだろうか。
「何をとぼけている! それに私への当てつけか! なんでシュテフイーナを抱いている!」
「歩けないのにヤニックがどうしても私と妻に会いたいと言っているというので、私が連れて参りました。だって他に方法はないでしょう?」
「歩けない? ま、まさかお前無理矢理。私のシュテフイーナに無体を働いたというのか!!」
「失礼なことを言わないでください。合意の上に決まっているではありませんか、私達は正式に夫婦になり愛を確かめ合ったのです。シュテフイーナはどんな私でも受け入れる、生涯共に生きてくれると誓ってくれたのです」
ギュスターヴ様は胸を張り答えるけれど、第二王子の「私のシュテフイーナ」という言葉に、悪寒が走り一気に鳥肌が立つ。
誰が誰のものだっていうの、冗談じゃない。
「失礼なことを仰らないで下さい。私は第二王子殿下のものだったことなど一度もありません。ギュスターヴ様に婚約者だと紹介されるまでお会いしたこともなく、紹介された後も挨拶しかしたことがないというのに、一体いつ私があなたのシュテフイーナになったというのですか」
冷静に、でも必要なことはすべて一気に話す。
大事な事は心の中にしまっておかず、しっかりと言葉にする。それは私のお母様とお姉様達に教えられたことだ。慎ましく我慢していて良い事なんて何もないと、私は教えられて育ったのだ。
「神に誓って申し上げます。私にやましいところは一切ありません、第二王子殿下と何かあった等言われるのは迷惑です!」
話し終えた瞬間、一番大きな声を上げたのはヤニック・フルーリーだった。
「どういうことですか、殿下! 彼女はあなたと隠れて恋慕を交わした間柄で、それをギュスターヴ殿が奪ったと聞いたから私は呪いの協力をしたというのに、ギュスターヴ殿と婚約するまで面識がないなら、すべて嘘だったんじゃないですか!」
「煩い、私が望んでそれを拒む者がいるわけがないだろう。だから私は自分が結婚した後シュテフイーナを囲うつもりだったんだ。それをギュスターヴが奪ったのだ」
第二王子殿下の訳の分からない言い訳に、呆れてしまう。
何を言いたいのか理解出来ないなんてこと、現実にあるとは思わなかった。
「つまり、第二王子殿下は我が家に嫁いだ可愛いシュテフイーナを卑しい愛人にするつもりだったと? しかも一度も話をしたことがないというのにそう考えていたと」
お義父様の地を這う様な低い声、あまりにも威圧感がある声にビクリと震えてギュスターヴ様にしがみつくと、安心させようとギュスターヴ様は私に向かい微笑む。
「卑しい愛人? 尊い王子である私の囲い者なら誰もが喜んでなるだろう。王子妃にするには伯爵家では家格が弱いが、愛人なら十分だ。シュテフイーナの姉の様な美しさはないが、一人くらいこういうのも悪くない」
どうしよう鳥肌が止まらない。
こんな気持ちが悪い考えをする人がいるなんて、想像したことも無かった。
「ギュスターヴがシュテフイーナを狙っていたなんて知らなかったから油断していたが、急に婚約したと聞かされた時の私の気持ちを公爵は考えたことはあるのか? ギュスターヴの様な剣を振るうしか能の無い愚鈍な男に出し抜かれたのだぞ。夜だけでなくずっと猫になる呪いを掛けてやれば良かった。夜だけ猫になれば初夜を失敗して、離縁になるだろうと思ったのに。離縁になればシュテフイーナはもうまともな家に嫁げなくなる。そうなれば私が優しく手を差し伸べてやろうと思ったのに」
「殿下! そんなお気持ちで私に呪いを依頼したのですか! なんて、なんて酷い」
「酷い? 私を裏切ってギュスターヴなんかと婚約したシュテフイーナが悪い。結婚しすぐに離縁したらどうしようもない醜聞、裏切り者のシュテフイーナには丁度良い罰だ。おまけにギュスターヴにも嫌がらせが出来る。呪いを受けて結婚したばかりの妻と離縁しなければならないなんて、素晴らしい嫌がらせだろう?」
裏切り者、どうして私がそんな言われ方をしないといけないのだろう。
何をどうしたらこんな気持ち悪い感情を向けられるのか、この人の気持ちが分からない。
「気持ち悪い」
「え、シュテフイーナ?」
「シュテフイーナ、今何と?」
ギュスターヴ様と第二王子殿下の声が重なるけれど、私はギュスターヴ様にしがみついたまま大声を上げる。
「気持ち悪いと言いました! 話したこともない相手にそんな気持ち悪い思いを向けられて、それ以外の感情なんてわきません。私はこの三年ずっとギュスターヴ様をお慕い続け、漸くその思いが叶いギュスターヴ様の妻になれたというのに、どうして何の関係もない方から裏切り者扱いをされて罰なんて言われないといけないのですか」
「き、気持ち悪い。私は王子だぞ! 無礼じゃないか!」
「身分が尊い方だろうと、気持ち悪いものは気持ち悪いです。恐れながら第二王子殿下のそのお考えは尊い身分にちっとも合っておりません。国王陛下も王妃殿下も王太子殿下も、今の第二王子殿下のお言葉を聞かれていたら心の底から嘆かれたことでしょう。情けない、これが王子の考えることかと」
ここまで言って、これは不敬で処罰されるかもしれないと思いつくけれど、もう止められない。
「気持ち悪いです、第二王子殿下。もし私がギュスターヴ様に離縁され、実家からも追い出されどれだけ困窮したとしても第二王子殿下の囲われ者になんて絶対になりません。あなたの様な人のものになるくらいなら、潔く死を選びます」
私を舐めないで欲しい、どんなに困っても私は第二王子殿下の手なんて取らない。例え処刑か第二王子殿下のどちらかを選ぶしか選択肢がないとしてもこんな気持ち悪い人のものになんてならない。
「なんだと、シュテフイーナ。お前誰にものを言っているか理解しているのか、不敬だ。不敬だ!! 今すぐ殺してやる、処罰してやる!!」
気持ち悪い猫が叫ぶけれど、誰も動かない。
「そこまでだ、お前は……なんて情けない」
突然扉が開いて、恐れ多い声がした。
「こ、国王陛下」
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