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本編
嵐の前に
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「雅、これ」
メイドさんに案内された部屋で着替えを終えてリビングに戻ると、私服に着替えた雅が優雅にソファーに座っていた。
雅、なんで座ってるだけで優雅に見えるんだろ。
「なんだ」
「なんでフードに耳が付いてるのっ」
ふわもこのルームウェアは、クリーム色からピンク色へグラデーションで袖先やズボンの裾にいくほど濃いピンク色になっている。
フードにはウサギの耳が(耳の内側はピンク色だ)ついていて、上着の裾丁度お尻の辺りには真ん丸のしっぽらしきものもついている。
「似合うよ」
「雅バカにしてるでしょ」
プクリと膨れながらソファーに座る雅の足下、そのすぐそばの床に座ろうとすると、すかさずメイドさんがクッションを差し出してくれた。
ここのメイドさん達は本当優秀だ、雅や僕の望むものを頼む前に用意してくれるんだから。
「肌に優しそうな素材のものを選んだら、偶然そんなデザインだったんだよ。ハル肌弱そうだから、肌触りが良さそうなものがいいのかなってね」
「だからって、ウサギの耳はないでしょ。尻尾まであるんだよ」
ローテーブルに両手を付いて少し腰を浮かせて体を捻って、雅に尻尾を見せる。
こんな可愛すぎるデザイン子供じゃないんだから、似合うわけない。
「そうか残念だ、ハルの好みじゃなかったか。それじゃ捨てるしかないか」
怒る僕にコーヒーカップを差し出しながら、雅はちっとも残念な素振りなんてない顔でそんな卑怯な言い方をする。
「捨てなくてもいいよ、新しいのに勿体ないよ。誰か似合う人に……」
「でも、ハル以外そのサイズを着られる人はいないからな、うちの使用人達は皆ハルより背が高いし」
悲しい事実を言われて、落ち込みながらクッションに腰を下ろす。
どうせチビだよ。
ここのメイドさん達は皆背が高いし、なんか格好いいんだ。僕サイズの服なんて着られないだろう。
「分かった着るよ。そもそも、用意してくれてた服に文句言う僕が悪いよね、ごめんなさい」
折角雅が肌触りのいいものをと選んでくれたのに、デザインが気に入らないとか恥ずかしいからとか、文句を言う僕が悪い。
ふわふわもこもこで温かいし柔らかい。
着てて気持ちいいのは確かだ。
色も好みだし、問題は耳と尻尾だけ。
「我が儘言ってごめんなさい」
「ハルの好みか分からないのに、勝手に選んだ俺が悪いんだよ」
「そんなことないよ。雅が選んでくれて僕のために用意してくれたの嬉しいよ、ありがとう」
冷静になってお礼を言ってたら、服の他にもお礼を言わなきゃいけないと思い出した。
「雅、あの」
「ん?」
「部屋、用意してくれたのも。嬉しいよ、ありがとう」
雅の膝に両手で触れながら、へへって笑う。
さっき着替えの為にメイドさんが案内してくれたお部屋は、なんと僕用の部屋だった。
薄いグリーンの壁紙に、オーク材の可愛い猫足の家具が置いてあって、凄く僕好みだった。
この部屋とは異なる系統の家具ばかりだから、あの部屋は僕の好きそうなもので揃えてくれたんだろう。
「気に入った?」
「うん、服まで沢山用意して貰って何だか申し訳ない感じだけど、凄く嬉しい。ありがとう、雅」
メイドさんがウォークインクローゼットを見せてくれて中を覗くと、そこには僕の為の服が沢山用意されていた。
雅が全部選んだんだと教えて貰って、凄く嬉しかったんだ。
「なら良かった」
「雅、僕小姓になったらここに住んでいいの?」
「住みたくないか」
「雅の邪魔にならないなら」
雅の膝に付いた手の上に顎をのせ見上げる。
なんか、犬になった気分だ。
わん、とか鳴いたら頭撫でてくれないかな。
「雅、一緒にいてもいい? ずっと、一緒にいたいよ」
お願いしたら、雅は困ったように僕の頭を撫でた後僕を膝に抱き上げて、さっきみたいにキスしてくれた。
こんな時間を永遠に過ごしていたい。
ずっとずっと一緒にいたい。
その思いを阻止しようとしている彼が、策略を巡らしているのをこの時の僕はまだ知らなかったんだ。
メイドさんに案内された部屋で着替えを終えてリビングに戻ると、私服に着替えた雅が優雅にソファーに座っていた。
雅、なんで座ってるだけで優雅に見えるんだろ。
「なんだ」
「なんでフードに耳が付いてるのっ」
ふわもこのルームウェアは、クリーム色からピンク色へグラデーションで袖先やズボンの裾にいくほど濃いピンク色になっている。
フードにはウサギの耳が(耳の内側はピンク色だ)ついていて、上着の裾丁度お尻の辺りには真ん丸のしっぽらしきものもついている。
「似合うよ」
「雅バカにしてるでしょ」
プクリと膨れながらソファーに座る雅の足下、そのすぐそばの床に座ろうとすると、すかさずメイドさんがクッションを差し出してくれた。
ここのメイドさん達は本当優秀だ、雅や僕の望むものを頼む前に用意してくれるんだから。
「肌に優しそうな素材のものを選んだら、偶然そんなデザインだったんだよ。ハル肌弱そうだから、肌触りが良さそうなものがいいのかなってね」
「だからって、ウサギの耳はないでしょ。尻尾まであるんだよ」
ローテーブルに両手を付いて少し腰を浮かせて体を捻って、雅に尻尾を見せる。
こんな可愛すぎるデザイン子供じゃないんだから、似合うわけない。
「そうか残念だ、ハルの好みじゃなかったか。それじゃ捨てるしかないか」
怒る僕にコーヒーカップを差し出しながら、雅はちっとも残念な素振りなんてない顔でそんな卑怯な言い方をする。
「捨てなくてもいいよ、新しいのに勿体ないよ。誰か似合う人に……」
「でも、ハル以外そのサイズを着られる人はいないからな、うちの使用人達は皆ハルより背が高いし」
悲しい事実を言われて、落ち込みながらクッションに腰を下ろす。
どうせチビだよ。
ここのメイドさん達は皆背が高いし、なんか格好いいんだ。僕サイズの服なんて着られないだろう。
「分かった着るよ。そもそも、用意してくれてた服に文句言う僕が悪いよね、ごめんなさい」
折角雅が肌触りのいいものをと選んでくれたのに、デザインが気に入らないとか恥ずかしいからとか、文句を言う僕が悪い。
ふわふわもこもこで温かいし柔らかい。
着てて気持ちいいのは確かだ。
色も好みだし、問題は耳と尻尾だけ。
「我が儘言ってごめんなさい」
「ハルの好みか分からないのに、勝手に選んだ俺が悪いんだよ」
「そんなことないよ。雅が選んでくれて僕のために用意してくれたの嬉しいよ、ありがとう」
冷静になってお礼を言ってたら、服の他にもお礼を言わなきゃいけないと思い出した。
「雅、あの」
「ん?」
「部屋、用意してくれたのも。嬉しいよ、ありがとう」
雅の膝に両手で触れながら、へへって笑う。
さっき着替えの為にメイドさんが案内してくれたお部屋は、なんと僕用の部屋だった。
薄いグリーンの壁紙に、オーク材の可愛い猫足の家具が置いてあって、凄く僕好みだった。
この部屋とは異なる系統の家具ばかりだから、あの部屋は僕の好きそうなもので揃えてくれたんだろう。
「気に入った?」
「うん、服まで沢山用意して貰って何だか申し訳ない感じだけど、凄く嬉しい。ありがとう、雅」
メイドさんがウォークインクローゼットを見せてくれて中を覗くと、そこには僕の為の服が沢山用意されていた。
雅が全部選んだんだと教えて貰って、凄く嬉しかったんだ。
「なら良かった」
「雅、僕小姓になったらここに住んでいいの?」
「住みたくないか」
「雅の邪魔にならないなら」
雅の膝に付いた手の上に顎をのせ見上げる。
なんか、犬になった気分だ。
わん、とか鳴いたら頭撫でてくれないかな。
「雅、一緒にいてもいい? ずっと、一緒にいたいよ」
お願いしたら、雅は困ったように僕の頭を撫でた後僕を膝に抱き上げて、さっきみたいにキスしてくれた。
こんな時間を永遠に過ごしていたい。
ずっとずっと一緒にいたい。
その思いを阻止しようとしている彼が、策略を巡らしているのをこの時の僕はまだ知らなかったんだ。
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