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本編
お引っ越ししましょ 1
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「大丈夫だから雅は佐々木様とお話ししてきてよ」
大林君が帰った後、渋る雅を送り出して僕はメイドさんと一緒に自分の部屋に戻った。
今日から雅の部屋でクラスから、取り急ぎ必要な物だけを僕の部屋から雅の部屋に移動させるためだ。
「千晴様、ご指示頂けましたら私達だけで参ります。頬の腫れも治まって降りませんし、お休みくださいませ」
「ありがとう、和歌子さん。でも、僕自分で運びたいものがあるから、一緒に行かせて」
「ご自分で運ばれるのですか?」
「うん、雅から貰った大切なものだから。一緒にお引っ越ししたいんだ」
狼雅は他の人に任せずに、自分で連れていきたい。
それに、雅に見つかる前に処分しないといけないものも、二つあるんだよね。
「まあ、それではお止めするわけには参りませんね」
にこりと笑って和歌子さんはもう一人のメイドの多恵さんを呼ぶと三人で部屋を出た。
「和歌子さんは、雅の乳兄妹なんだね」
「はい、母がご主人様の乳母を仰せつかりましたので私は恐れ多くもご主人様様の乳兄弟として育ちました」
「そうなんだあ、雅の小さい頃知ってるなんて羨ましいなあ」
絶対雅は小さい頃も格好良かっただろう。
それを思うと、一緒に大きくなれたなんて羨ましすぎる。
「千晴様、なんと愛らしい」
「本当に、ご主人様が聞かれたらお喜びになります」
にこにこと、二人のメイドさんに微笑まれてなんだか照れてしまう。
二人とも美人なんだよね。
あれ、雅の乳兄弟ってことは、僕達と同じ年なのかな?
そういえば、平民だと十代前半から働く人達がいるんだったかな?
まあ、その辺りはおいおい聞いていけばいいかな。
「からかわないでよ」
「先程ご挨拶しましたが、こんな愛らしい小姓様付きになることが出来、本当に幸せでございます。どうぞよろしくお願い申し上げます」
「ええ、本当に。誠心誠意お仕えいたしますので、よろしくお願い申し上げます」
「僕の方こそよろしくね」
照れながら頭を下げて、エレベーターで僕の部屋の階に下りていく。
エレベーターは雅の使用人達は普段使わないらしいけど、僕は雅の小姓だから階段は逆に使わない方がいいらしい。
小姓って使用人の扱いじゃないんだと、ちょっと驚いたのは秘密だ。
「荷物はね、教科書とか制服とかかな。あと、あ冷蔵庫の中身どうしよう」
部屋について荷物どれを先に持っていこうか考えながら、冷蔵庫の存在を思い出した。
「冷蔵庫でございますか?千晴様はお料理をされるのでしょうか」
「うん。雅に食べて貰ったこともあるんだよ。今度また食べてくれるって言ってたから練習しようと思っていつもより多めに買ってたんだ。どうしよう」
今度はポテトグラタンかチキンのトマト煮込みとかいいかなって。
「主菜を決められなくて練習して上手に出来たもの食べて貰おって思ってたんだけど」
雅の部屋には料理人さんがいるから、僕なんて出る幕ないよね。邪魔になっちゃうし。
「では、ご主人様様がお留守の時に料理人と一緒にお料理をされては如何でしょうか」
「一品だけでも千晴様が作られたと知ったら、ご主人様はきっと喜ばれます」
「料理人さんの邪魔にならないかな」
二人に励まされて、僕は単純に喜んじゃう。
いいのかな、僕のお料理また雅に食べて貰えるのかな。
不安になりながら聞くと、二人は笑顔で頷いてくれた。
「千晴様が一緒に調理場に立たれると聞けば、料理人達も誉れと思うことでしょう」
「ええ、絶対に」
「じゃあ、料理人さん達の都合が悪くなかったら週末に僕に何か作らせて貰える様に、聞いて貰ってもいいかな」
二人に太鼓判を押された僕は浮かれてそう言うと、怪訝な顔をされてしまった。
あれ、もしかしてお世辞だったのかな。
「あ、駄目かな」
「いいえ、そうではありません。料理人の都合を千晴様が配慮されたので、驚いてしまいました。申し訳ございません」
「え、僕がお願いする方なんだから都合聞くのは当然だよね。食材の準備だってあるだろうし。あ、冷蔵庫のものはそれまで持たないだろうから、使ってもらわないといけないから、迷惑掛けちゃうけど」
どうしよう、もしかしてこういうのは気遣ってなさそうに言えないといけないのかな。
使用人とは親しくし過ぎちゃ駄目って、父様によく言われてたのに。
「迷惑などとんでもないことでございます。有り難く使わせて頂きます。では私は食材を先にお運び致しますね」
そう言うと多恵さんはキッチンへ向かう。
「お願いします。じゃあ、和歌子さんは僕のクローゼットから雅の部屋になさそうな物を選んで貰えますか、その間に僕は教科書とか確認しておくから」
「畏まりました」
ウォークインクローゼットに入っていく和歌子さんを確認してから、僕は個人用の部屋に入り、隠していたノートを取り 出しページを破りシュレッダーに掛けていく。
前世を思い出してすぐ書いたゲームの覚書、雅に見られたら大変だもんね。
大林君が帰った後、渋る雅を送り出して僕はメイドさんと一緒に自分の部屋に戻った。
今日から雅の部屋でクラスから、取り急ぎ必要な物だけを僕の部屋から雅の部屋に移動させるためだ。
「千晴様、ご指示頂けましたら私達だけで参ります。頬の腫れも治まって降りませんし、お休みくださいませ」
「ありがとう、和歌子さん。でも、僕自分で運びたいものがあるから、一緒に行かせて」
「ご自分で運ばれるのですか?」
「うん、雅から貰った大切なものだから。一緒にお引っ越ししたいんだ」
狼雅は他の人に任せずに、自分で連れていきたい。
それに、雅に見つかる前に処分しないといけないものも、二つあるんだよね。
「まあ、それではお止めするわけには参りませんね」
にこりと笑って和歌子さんはもう一人のメイドの多恵さんを呼ぶと三人で部屋を出た。
「和歌子さんは、雅の乳兄妹なんだね」
「はい、母がご主人様の乳母を仰せつかりましたので私は恐れ多くもご主人様様の乳兄弟として育ちました」
「そうなんだあ、雅の小さい頃知ってるなんて羨ましいなあ」
絶対雅は小さい頃も格好良かっただろう。
それを思うと、一緒に大きくなれたなんて羨ましすぎる。
「千晴様、なんと愛らしい」
「本当に、ご主人様が聞かれたらお喜びになります」
にこにこと、二人のメイドさんに微笑まれてなんだか照れてしまう。
二人とも美人なんだよね。
あれ、雅の乳兄弟ってことは、僕達と同じ年なのかな?
そういえば、平民だと十代前半から働く人達がいるんだったかな?
まあ、その辺りはおいおい聞いていけばいいかな。
「からかわないでよ」
「先程ご挨拶しましたが、こんな愛らしい小姓様付きになることが出来、本当に幸せでございます。どうぞよろしくお願い申し上げます」
「ええ、本当に。誠心誠意お仕えいたしますので、よろしくお願い申し上げます」
「僕の方こそよろしくね」
照れながら頭を下げて、エレベーターで僕の部屋の階に下りていく。
エレベーターは雅の使用人達は普段使わないらしいけど、僕は雅の小姓だから階段は逆に使わない方がいいらしい。
小姓って使用人の扱いじゃないんだと、ちょっと驚いたのは秘密だ。
「荷物はね、教科書とか制服とかかな。あと、あ冷蔵庫の中身どうしよう」
部屋について荷物どれを先に持っていこうか考えながら、冷蔵庫の存在を思い出した。
「冷蔵庫でございますか?千晴様はお料理をされるのでしょうか」
「うん。雅に食べて貰ったこともあるんだよ。今度また食べてくれるって言ってたから練習しようと思っていつもより多めに買ってたんだ。どうしよう」
今度はポテトグラタンかチキンのトマト煮込みとかいいかなって。
「主菜を決められなくて練習して上手に出来たもの食べて貰おって思ってたんだけど」
雅の部屋には料理人さんがいるから、僕なんて出る幕ないよね。邪魔になっちゃうし。
「では、ご主人様様がお留守の時に料理人と一緒にお料理をされては如何でしょうか」
「一品だけでも千晴様が作られたと知ったら、ご主人様はきっと喜ばれます」
「料理人さんの邪魔にならないかな」
二人に励まされて、僕は単純に喜んじゃう。
いいのかな、僕のお料理また雅に食べて貰えるのかな。
不安になりながら聞くと、二人は笑顔で頷いてくれた。
「千晴様が一緒に調理場に立たれると聞けば、料理人達も誉れと思うことでしょう」
「ええ、絶対に」
「じゃあ、料理人さん達の都合が悪くなかったら週末に僕に何か作らせて貰える様に、聞いて貰ってもいいかな」
二人に太鼓判を押された僕は浮かれてそう言うと、怪訝な顔をされてしまった。
あれ、もしかしてお世辞だったのかな。
「あ、駄目かな」
「いいえ、そうではありません。料理人の都合を千晴様が配慮されたので、驚いてしまいました。申し訳ございません」
「え、僕がお願いする方なんだから都合聞くのは当然だよね。食材の準備だってあるだろうし。あ、冷蔵庫のものはそれまで持たないだろうから、使ってもらわないといけないから、迷惑掛けちゃうけど」
どうしよう、もしかしてこういうのは気遣ってなさそうに言えないといけないのかな。
使用人とは親しくし過ぎちゃ駄目って、父様によく言われてたのに。
「迷惑などとんでもないことでございます。有り難く使わせて頂きます。では私は食材を先にお運び致しますね」
そう言うと多恵さんはキッチンへ向かう。
「お願いします。じゃあ、和歌子さんは僕のクローゼットから雅の部屋になさそうな物を選んで貰えますか、その間に僕は教科書とか確認しておくから」
「畏まりました」
ウォークインクローゼットに入っていく和歌子さんを確認してから、僕は個人用の部屋に入り、隠していたノートを取り 出しページを破りシュレッダーに掛けていく。
前世を思い出してすぐ書いたゲームの覚書、雅に見られたら大変だもんね。
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