神隠し令嬢は騎士様と幸せになりたいんです

珂里

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お勉強を褒められました

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「今日は騎士団の所へ行けないんですか?」

今日も朝から家にやって来たリスターが首を傾げている。
とーさまは申し訳なさそうに眉尻をさげると、リスターの頭をポンポンと撫でた。

「すまない、リスター。昨日の夜、城に侵入者があったと報告を受けてね。どうやら私の執務室が荒らされていたらしいんだ。」

「叔父上の?何故でしょう?」

「それを今調査中なんだ。金目の物や国の機密書類が狙いなら、私の執務室を荒らしても意味は無いからね。」

そう言うと、とーさまは慌ただしくお城へと向かった。

「リスターどうする?」

私がとーさまの後ろ姿を見送りながらリスターに尋ねると、リスターは私の手を取ってニッコリと微笑む。

「勿論、このままアヤナといるよ。朝から一緒にいられるなんて嬉しいな。今日はたっぷり時間があるから字を書く練習をしようか?でもその前に、天気が良いからアヤナと少し庭を散歩したいし……いいよね?」

手を繋いで横を歩くリスターを見上げると、リスターの金色の髪が朝日を浴びてキラキラと輝いていた。

誰かー!!ここに天使がいますよー!!

「天使なのはアヤナでしょ。」

リスターがクスクスと笑いながら言った。

「え?なんでわたしのかんがえてることがわかったの?」

「ふふっ。声に出てたよ。アヤナ可愛い。大好き。」

自分の醜態とリスターのカッコ良さのダブルで顔が赤くなった私を、リスターが楽しそうに見ている。

負けないもん!!

私は今日も元気に勉強をしっかり頑張ります!!




「やあ、アヤナ。しっかり勉強してるかい?」

「カールさん!どうしたの?なんでいえにいるの?」

夕方、そろそろ勉強も終えようかというときにカールさんがやって来た。
リスターと一緒に驚いていると、カールさんは私とリスターの頭をクシャッと撫でて、私が練習でびっしりと字を書き込んだノートを見ると目を細めた。

「騎士団の寄宿舎を改装するんで、暫くここにダナンとお世話になるんだよ。よろしくね。それにしてもアヤナ、上手に書けるようになったね。すごいぞ。」

やった!褒められた!
私は嬉しくなって得意げにノートをカールさんに見せる。
カールさんが頑張ったねって褒めてくれるから、上機嫌になった私はリスターが訝しそうにカールさんを見ている事に気付かなかった。


「ダナンさんもいっしょにきたの?」

そういえばダナンさんの姿がないな。カールさんひとりで来たのかな?

私がキョロキョロと周りを見て首を傾げると、カールさんは首を横に振る。

「いいや。取り敢えず俺だけ先に来たんだ。そろそろリスターが帰る時間だろう?団長とダナンはまだ城を調査中だから、帰って来るのはもうちょっと遅くなくと思うよ。」

そうかぁ、とーさま今日は遅いのか。寂しいなぁ。
あれ、でもなんでリスターが帰るのを気にしてるんだろう?

更に首を傾げる私に、カールさんは少し困った表情をみせる。けれど、それ以上は何も言わなかった。

「では、僕はそろそろ帰ろうかな。あ、そうだカールさん。馬車に置いてある訓練用の剣の具合が悪いみたいなんで、少し見てもらってもいいですか?」

帰ろうとするリスターに続いて見送るつもりの私も椅子から立とうとすると、リスターに止められた。

「時間がかかるかもしれないから、ここでいいよ。今日は朝から沢山勉強して、えらかったね。また明日。」

そう言ってニッコリ笑い私の頭に優しくキスをしたリスターは、カールさんと連なって部屋から出て行った。


…………はぁ。リスターは、帰る時までかっこよすぎでした。


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