ぼっちな幼女は異世界で愛し愛され幸せになりたい

珂里

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強要するのって、良くないよね?

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フータの話から5日経ったけど、私達は普段と何も変わらない生活を送っていた。

フータの罪の意識を無くしたくて、宿り木と一緒に裏庭から出る事を提案してみたんだけど、フータはフルフルと首を横に振った。


『ここで、お前達の成長を見守りたいからいいのだ。』


そう言って笑うフータは、泣いてスッキリしたのか表情がとても明るくて。

もう、フータはここに居ても罪の意識に囚われることは無いんだろうなって素直に思えたから、フータの意思を尊重することにした。

頻繁に人が来て裏庭が荒らされるのも嫌だから、今まで通り裏庭に人が簡単に入れないようにはしておくんだって。


『お前達が来る分には大歓迎だからな。いつでも此処へ遊びに来るがよい。』


フータが国王様達にそう声をかけていて、国王様が恐縮しながら頭を下げお礼を言っている。

なんか、国王様が頭を下げるとか、そんな光景を見ると、フータはスゴイ鳥なんだなぁって改めて実感させられるというか……いやね、頭では分かってるんだよ?

"不死鳥"なんて、絶対スゴイ存在に決まってる。

でもさ?私がフータと初めて会った時なんて雛鳥だったし、メッチャお喋りな鳥だなぁと思ってたら、気に入ったとか言われて、なんか名前まで付けちゃったし。

私的に、フータはお喋り好きの面白い鳥って認識になってたんだよね。

これからは、考えを改めなくては。



ーーーーって思ってたスゴイ鳥のフータが、何故かサイラスの部屋に居て、寝る直前だった私とサイラスの目の前に立っている。

ベッドの上に座る私とサイラスを見据えるフータは、明らかにご立腹な様子だった。


「どうしたの?こんな時間に?」

『どうしたとは、こっちの台詞だ。』


怒りながら言うフータに、私とサイラスは顔を見合わせて首を傾げる。

そんな私とサイラスを見て、フータがますますご機嫌斜めになってしまった。


『おい。我はいつでも遊びに来いと言ったではないか。何故来ないのだ?』


え?それ?


「でも、まだ5日しか経ってないよ。」

だ!遊びに来いと言われたら、毎日でも顔を見せに来るのが礼儀であろうが!』


えー……。毎日とかは無いわぁ……。

裏庭って、何気に遠いんだよね……。


「でもさぁ、裏庭までって結構距離があるじゃん?だから、6歳児が毎日歩いて行くには面倒くさ……辛いんだよね。そう思わない?」

『…………お前……今、面倒臭いと言ったな?どうせユーカはサイラスと来るのであろう?疲れたら途中で抱っこしてもらうなりすれば良かろう。』

「え~……」

「それは駄目でしょ。」


私とフータの遣り取りに、サイラスが口を挟んだ。

今度はサイラスがちょっとご機嫌斜めになっている。


「そうだよねー?そんなにサイラスばっかりに頼っても……」

「せっかくユーカと2人で居られる時間に、なんでわざわざフータに会いに行かないといけないんだよ。俺はユーカと居たいんだ!」


…………あー……、そっちデスカ?


声を荒げて文句を言うサイラスと、その横で顔を引き攣らせている私を、フータがジト目で見てくる。


『…………お前達は、我の扱いが、ちと雑ではないか?国王達、大人の方が我を敬い尊ぶ心を持っておるぞ。』

「え~……だったら国王様達に相手をしてもらえばいいじゃん。」

『我はお前達がいいのだ!!』


…………え~……面倒くさい……。


不死鳥のくせに地団駄を踏んで喚くフータを見て、そう思ったのは私だけじゃなかったみたいで。


「……チッ、面倒くせぇな……」


サイラスなんて、眉間に皺を寄せて舌打ちしちゃってるし。

分かる。分かるよ、その気持ち。



そんな私とサイラスの態度に、更に地団駄を踏んでフータが悔しがる。


『もっと我を敬えー!!!』



ギャーギャーと喚き散らすフータの姿は、国王様達が敬う伝説の不死鳥なんかじゃなく、我儘を言って周りを困らせる駄々っ子のようだった。


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