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しょうがないから行ってみた。
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あれからフータは連日、就寝前にサイラスの部屋へ訪れては『何故今日も来ぬのだ!』と文句を言いに来た。
なんかもう、ここまで毎日煩く来られると、私も段々と意地になっちゃって。
フータが文句を言いに来るのを止めるまで絶対に行かないぞ!!
って、思ってた。
っていうか、フータが毎日会いに来てるんだから、もう私達が行く必要なくない?
でも、フータは懲りずに毎日毎日文句を言いにやって来る。
そしたらさ、私と2人の時間を毎日フータに邪魔されているサイラスの機嫌も、どんどん悪くなってきちゃって。
今日は朝からご機嫌斜めなピリピリムードで、朝ご飯を食べていた。
さすがに、そろそろサイラスの方がヤバイかもなぁ……。
う~ん、と、自分の部屋で腕を組みながら唸っていると、エマさんに体調が悪いのかと心配されてしまった。
エマさんに大丈夫だと伝えて、一つお願いをすると、快く引き受けてくれた。
『やっと来たか。待ちくたびれたわ。』
「…………全然待ってなかったよね。」
満足そうに言うフータを、私はジトッと見る。
『中へ入るがよい。ユーカはサイラスと来ると思っておったのだがな。』
エマさんと手を繋いで裏庭へ入る私を見ながら、フータがクックッと笑う。
どの口が言うんだ、おい。
「フータが毎日嫌がらせに来るから、サイラスの機嫌が悪いんだよ。」
私がジロリと睨んでほっぺたを膨らませると、フータは更に可笑しそうにクックッと笑った。
私は、サイラスの機嫌がこれ以上悪くならないように、エマさんにお願いして裏庭へついて来てもらったのだ。
「ごめんね、エマさん。」
「いいえ。私もフータ様にお会いしとうございましたので、嬉しいです。」
エマさんを見上げて謝れば、エマさんはニッコリ笑って首を横に振る。
ーーエマさん、あんた良え人や。
「フータ~、これで満足してくれましたか~。」
『クックックッ。怒っておるのか?ちとお前たちで遊びすぎたかのう?』
ーー遊んでたんかい。
楽しそうに笑うフータにジト目を向け、ハァ、と溜息を吐く。
「もういいよ。せっかく来たんだし、宿り木の根元で日向ぼっこでもして行こうかな。」
『そうして行くがよい。此処はよく日が当たるでな。ユーカが来て宿り木も喜んでおるわ。』
「宿り木が?」
宿り木の根元にヨイショと座り、宿り木に凭れかかれる。
そんな私の隣にフータは歩み寄ると、宿り木を見上げて目を細めた。
『宿り木も生きておるでな。ユーカの魂は、温かくて側にいると癒されるのだ。ユーカが裏庭に居ると、宿り木の気の流れが優しくなる。』
「ふーん、そうなの?」
…………もしかして、フータが毎日来い来いと煩く言っていたのは、宿り木の為でもあったのかな?
チラッとフータを見ると、そよそよと吹く風に靡く宿り木を、フータが嬉しそうに見つめていて。
そんなフータを見てしまえば、毎日しつこく部屋に来ていたのも、しょうがないから許してあげようかなぁ、と、思いつつ、(私を気に入ってくれてありがとうね)という思いを込めて、宿り木をスリスリと撫でた。
フータとエマさんと、ポカポカと暖かなな裏庭で座り込んで話していたら、暫くして何やらお城の中がザワザワと騒がしくなっているのに気付く。
「何かあったのかな?」
「そうですね……少し見てまいります。」
首を傾げる私に、エマさんが立ち上がりながら答える。
『……サイラスの気が、荒く乱れておるな。』
私の横で、黙ってジッと城内の様子を窺っていたフータの顔が険しくなった。
ーーえ、サイラス?……なになに?何が起こってるの!?
なんだか全然状況が分からないけど、サイラスが関わってるんだったら、じっと待ってなんていられないよ!!
「待ってエマさん!!私も一緒に行く!!」
扉を開けて裏庭から出て行こうとしているエマさんの背中に声をかけ、私は必死に駆け出した。
なんかもう、ここまで毎日煩く来られると、私も段々と意地になっちゃって。
フータが文句を言いに来るのを止めるまで絶対に行かないぞ!!
って、思ってた。
っていうか、フータが毎日会いに来てるんだから、もう私達が行く必要なくない?
でも、フータは懲りずに毎日毎日文句を言いにやって来る。
そしたらさ、私と2人の時間を毎日フータに邪魔されているサイラスの機嫌も、どんどん悪くなってきちゃって。
今日は朝からご機嫌斜めなピリピリムードで、朝ご飯を食べていた。
さすがに、そろそろサイラスの方がヤバイかもなぁ……。
う~ん、と、自分の部屋で腕を組みながら唸っていると、エマさんに体調が悪いのかと心配されてしまった。
エマさんに大丈夫だと伝えて、一つお願いをすると、快く引き受けてくれた。
『やっと来たか。待ちくたびれたわ。』
「…………全然待ってなかったよね。」
満足そうに言うフータを、私はジトッと見る。
『中へ入るがよい。ユーカはサイラスと来ると思っておったのだがな。』
エマさんと手を繋いで裏庭へ入る私を見ながら、フータがクックッと笑う。
どの口が言うんだ、おい。
「フータが毎日嫌がらせに来るから、サイラスの機嫌が悪いんだよ。」
私がジロリと睨んでほっぺたを膨らませると、フータは更に可笑しそうにクックッと笑った。
私は、サイラスの機嫌がこれ以上悪くならないように、エマさんにお願いして裏庭へついて来てもらったのだ。
「ごめんね、エマさん。」
「いいえ。私もフータ様にお会いしとうございましたので、嬉しいです。」
エマさんを見上げて謝れば、エマさんはニッコリ笑って首を横に振る。
ーーエマさん、あんた良え人や。
「フータ~、これで満足してくれましたか~。」
『クックックッ。怒っておるのか?ちとお前たちで遊びすぎたかのう?』
ーー遊んでたんかい。
楽しそうに笑うフータにジト目を向け、ハァ、と溜息を吐く。
「もういいよ。せっかく来たんだし、宿り木の根元で日向ぼっこでもして行こうかな。」
『そうして行くがよい。此処はよく日が当たるでな。ユーカが来て宿り木も喜んでおるわ。』
「宿り木が?」
宿り木の根元にヨイショと座り、宿り木に凭れかかれる。
そんな私の隣にフータは歩み寄ると、宿り木を見上げて目を細めた。
『宿り木も生きておるでな。ユーカの魂は、温かくて側にいると癒されるのだ。ユーカが裏庭に居ると、宿り木の気の流れが優しくなる。』
「ふーん、そうなの?」
…………もしかして、フータが毎日来い来いと煩く言っていたのは、宿り木の為でもあったのかな?
チラッとフータを見ると、そよそよと吹く風に靡く宿り木を、フータが嬉しそうに見つめていて。
そんなフータを見てしまえば、毎日しつこく部屋に来ていたのも、しょうがないから許してあげようかなぁ、と、思いつつ、(私を気に入ってくれてありがとうね)という思いを込めて、宿り木をスリスリと撫でた。
フータとエマさんと、ポカポカと暖かなな裏庭で座り込んで話していたら、暫くして何やらお城の中がザワザワと騒がしくなっているのに気付く。
「何かあったのかな?」
「そうですね……少し見てまいります。」
首を傾げる私に、エマさんが立ち上がりながら答える。
『……サイラスの気が、荒く乱れておるな。』
私の横で、黙ってジッと城内の様子を窺っていたフータの顔が険しくなった。
ーーえ、サイラス?……なになに?何が起こってるの!?
なんだか全然状況が分からないけど、サイラスが関わってるんだったら、じっと待ってなんていられないよ!!
「待ってエマさん!!私も一緒に行く!!」
扉を開けて裏庭から出て行こうとしているエマさんの背中に声をかけ、私は必死に駆け出した。
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