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私の立ち位置はどこらへん?
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フータの後について、裏庭までサイラスとやって来た。
相変わらず宿り木の側は落ち着くし、心が穏やかになる。
程なくして、エマさんがサイラスの着替えを持って来てくれた。
流石はエマさん、仕事が早い。本当に優秀だね!
裏庭に入るなり私に抱きついて離れなかったサイラスが、エマさんから服を受け取る。
と、私の目の前で羽織っていたメイソンさんの上着を脱いで全裸になると、徐ろに着替えだした。
…………いや、うん……いいんだけどね?
別に、私の目の前で全裸になるとか、全然いいんだよ?
ちょっと前まで一緒にお風呂に入ってたんだしね?
…………でもさ、着替える時くらい、私を離してくれたらいいと思うんだよね。
交互に私を抱き締める手をかえながら、器用に着替えてますけども、どう考えたって着替えにくいでしょ。
「…………あのさぁ、一回離してくれた方が着替えやすいと思うよ?」
「うん、大丈夫。」
…………そうですか。
結局、私を離すこと無く無事?に着替え終えたサイラスは、服を着てから更に私をスッポリと抱え込んでくる。
これは明らかに、メンタルが弱ってるな。
…………そりゃそうか。
せっかく、あんなに頑張って変身トレーニングをしていたのに、お爺ちゃん達にお母さんの悪口言われちゃってさ、あんな風に変身してしまうとか。
サイラスとしては、絶対に不本意だったはず。
それは、サイラスが頑張っている姿をずっと側で見ていた私にも、痛いほどよく分かるから。
だから、ギュッと私を抱き込んで離さないサイラスを目の当たりにすると、胸がキュンと切なくなって、サイラスには私が出来る限りの事を何でもしてあげたくなってしまう。
ヨシヨシ、と、サイラスの頭を撫でて顔を覗き込むと、サイラスも私を見つめた。
「サイラスはスゴイね。あのお爺ちゃん達相手に、よく我慢したよ。」
「…………我慢なんて出来てなかった。見ただろう?あんな所で狼に変身して……ユーカが来てくれなかったら、アイツらを襲っていたかもしれないんだよ。」
「ううん。私が行かなくても、サイラスは襲ってなんかいなかったよ。」
サイラスの両頬を手で挟んで、オデコとオデコをコツンと、くっつける。
「ずっと、サイラスを見てきた私には分かるよ。強くて、優しくて、人の痛みに人一倍敏感なサイラスが、誰かを傷つけるなんて、絶対に無いから。」
「っ…………ユーカ……」
ポロポロとサイラスの頬を伝う涙を、手で何度も何度も拭ってあげる。
サイラスの涙を拭いながら、私はニッコリと笑って見せた。
「だから、大丈夫。大丈夫だよ、サイラス。」
「…………うん…………うん」
私を見つめるサイラスは、溢れ出てくる涙を止められないみたいだったけど、それでもしっかりと、何度も頷いてくれた。
サイラスが落ち着くまではと、私はサイラスを抱き締めて背中をポンポンとしていたんだけど…………涙は止まったように見えるのに、サイラスはなかなか私から離れてくれない。
私の肩に頭を押し当てて、グリグリしてくる。
ーー精神的なダメージが大き過ぎて、甘えん坊モードが抜けないらしい。
まあ、しょうがないよね。
こんな状態のサイラスを放っては置けないもん。
狼じゃなくても、サラサラで触り心地の良いサイラスの髪を手で梳きながら抱き締めていると、ニンマリと笑って目を細めているフータと目が合った。
「なに?」
『いいや?まるで母親のようだと思って見ていただけだ。』
…………そうですか。
私は不死鳥フータの恩人で、友達で、愛し子で…………そして、王子サイラスのお母さんのような存在、だそうです。
…………私って……なんなんだ?
サイラスをヨシヨシとしながら複雑そうな表情をしている私を見て、フータが面白そうにクックッと笑っていた。
相変わらず宿り木の側は落ち着くし、心が穏やかになる。
程なくして、エマさんがサイラスの着替えを持って来てくれた。
流石はエマさん、仕事が早い。本当に優秀だね!
裏庭に入るなり私に抱きついて離れなかったサイラスが、エマさんから服を受け取る。
と、私の目の前で羽織っていたメイソンさんの上着を脱いで全裸になると、徐ろに着替えだした。
…………いや、うん……いいんだけどね?
別に、私の目の前で全裸になるとか、全然いいんだよ?
ちょっと前まで一緒にお風呂に入ってたんだしね?
…………でもさ、着替える時くらい、私を離してくれたらいいと思うんだよね。
交互に私を抱き締める手をかえながら、器用に着替えてますけども、どう考えたって着替えにくいでしょ。
「…………あのさぁ、一回離してくれた方が着替えやすいと思うよ?」
「うん、大丈夫。」
…………そうですか。
結局、私を離すこと無く無事?に着替え終えたサイラスは、服を着てから更に私をスッポリと抱え込んでくる。
これは明らかに、メンタルが弱ってるな。
…………そりゃそうか。
せっかく、あんなに頑張って変身トレーニングをしていたのに、お爺ちゃん達にお母さんの悪口言われちゃってさ、あんな風に変身してしまうとか。
サイラスとしては、絶対に不本意だったはず。
それは、サイラスが頑張っている姿をずっと側で見ていた私にも、痛いほどよく分かるから。
だから、ギュッと私を抱き込んで離さないサイラスを目の当たりにすると、胸がキュンと切なくなって、サイラスには私が出来る限りの事を何でもしてあげたくなってしまう。
ヨシヨシ、と、サイラスの頭を撫でて顔を覗き込むと、サイラスも私を見つめた。
「サイラスはスゴイね。あのお爺ちゃん達相手に、よく我慢したよ。」
「…………我慢なんて出来てなかった。見ただろう?あんな所で狼に変身して……ユーカが来てくれなかったら、アイツらを襲っていたかもしれないんだよ。」
「ううん。私が行かなくても、サイラスは襲ってなんかいなかったよ。」
サイラスの両頬を手で挟んで、オデコとオデコをコツンと、くっつける。
「ずっと、サイラスを見てきた私には分かるよ。強くて、優しくて、人の痛みに人一倍敏感なサイラスが、誰かを傷つけるなんて、絶対に無いから。」
「っ…………ユーカ……」
ポロポロとサイラスの頬を伝う涙を、手で何度も何度も拭ってあげる。
サイラスの涙を拭いながら、私はニッコリと笑って見せた。
「だから、大丈夫。大丈夫だよ、サイラス。」
「…………うん…………うん」
私を見つめるサイラスは、溢れ出てくる涙を止められないみたいだったけど、それでもしっかりと、何度も頷いてくれた。
サイラスが落ち着くまではと、私はサイラスを抱き締めて背中をポンポンとしていたんだけど…………涙は止まったように見えるのに、サイラスはなかなか私から離れてくれない。
私の肩に頭を押し当てて、グリグリしてくる。
ーー精神的なダメージが大き過ぎて、甘えん坊モードが抜けないらしい。
まあ、しょうがないよね。
こんな状態のサイラスを放っては置けないもん。
狼じゃなくても、サラサラで触り心地の良いサイラスの髪を手で梳きながら抱き締めていると、ニンマリと笑って目を細めているフータと目が合った。
「なに?」
『いいや?まるで母親のようだと思って見ていただけだ。』
…………そうですか。
私は不死鳥フータの恩人で、友達で、愛し子で…………そして、王子サイラスのお母さんのような存在、だそうです。
…………私って……なんなんだ?
サイラスをヨシヨシとしながら複雑そうな表情をしている私を見て、フータが面白そうにクックッと笑っていた。
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