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第五章 最凶ダンジョン天魔窟
EP 4
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マグナギア・トーナメント(予選)
地下闘技場は、異様な熱気に包まれていた。
観客席にはオークやゴブリン、そして仕事を早退してきたルーベンスや、ラーメン屋台を休憩中のデュークたちが陣取り、ポップコーン片手に声援を送っている。
「さあさあ! 始まったよ『第一回・天魔杯マグナギア・トーナメント』!」
実況席のキュルリンがマイクで叫ぶ。
「予選第一試合は、神々の対決! 赤コーナー、『紅の彗星』ルチアナ! 対する青コーナー、『野性の牙』フェンリルだー!」
ガシャン、ガシャン!
リングインしたのは、2体の実物大マグナギアだった。
ルチアナの機体は、真っ赤に塗装された軽量級タイプ**『ルージュ・ヴァルキリー』。
フェンリルの機体は、四足歩行の獣型タイプ『メタル・ウルフ』**。
「フフフ……。見せてあげるわ。通常の3倍のスピードを!」
「オラァ! 噛み砕いてやるぜ!」
コックピットの二人が吠える。
試合開始のゴングが鳴った、その瞬間だった。
ズババババババババッ!!!!
「なっ……!?」
ゲスト解説席に座っていたドワーフ王ガンテツが、ゴーグルをずり落とした。
見えない。
速すぎて、機体の姿が見えないのだ。
リング上で交錯するのは、紅い光と銀の閃光のみ。
衝撃波が防弾ガラスをビリビリと震わせる。
「あわわわ! 速い! 速すぎて実況できません!」
神の反射神経は、機体の限界性能を遥かに超えていた。
ルチアナがコンマ1秒で数百のコマンドを入力すれば、フェンリルは本能直結の操作でそれを回避する。
ギギギ……バキィッ!!
金属音が響いた。
両者の機体が、互いの動きに耐えきれず、関節部から火花を散らして同時にダウンしたのだ。
「あーっと! 両者、機体損壊により引き分けー!」
「くっ……! 私の反応速度にサーボモーターがついて来れないなんて!」
「チッ、脆い機体だぜ!」
ルチアナとフェンリルが不満そうにコックピットから出てくる。
ガンテツは震える手で髭をさすった。
「ば、馬鹿な……。あの機体はリミッターを解除したプロ仕様じゃぞ? それをオーバーヒートさせるほどの操作技術じゃと……?」
ドワーフ王の常識が揺らいだ。
ここはただの娯楽施設ではない。魔境だ。
†
一方、バックステージの整備ドック。
決勝戦を控えたカイトは、愛機の最終調整に入っていた。
「うーん、やっぱりパワーが足りないかなぁ」
彼が整備しているのは、黄色いボディの重装甲タイプ。
元々は建設作業用の機体だが、カイトの手によって異様な改造が施されていた。
「よし、追加装備だ!」
ジジジジジッ……!
カイトは溶接魔法で、機体の両腕に巨大な金属の爪を取り付けた。
それは武器ではない。
伝説の金属オリハルコンを鍛造して作った、「超硬質・耕運爪(ロータリー・クロー)」だ。
「これなら深く耕せるぞ! あとはエンジンだね」
カイトは機体の背面ハッチを開けた。
そこへ、様子を見に来たガンテツが通りかかった。
「おい若造。どんな機体を作っとるんじゃ……ん?」
ガンテツの目が点になった。
カイトがエンジンルームに押し込んでいるのは、通常の魔石ではない。
バチバチと獄炎を放つ、赤黒い結晶体。
「そ、それは……まさか『始祖竜の鱗(うろこ)』か!?」
「あ、おじいちゃん。そうだよ、ポチから貰ったんだ。これ、すごく燃費がいいんだよね」
カイトは平然と答えた。
始祖竜の鱗は、一枚で国中の電力を賄えるほどのエネルギー炉だ。それを単体のロボットに積むなど、正気の沙汰ではない。
「ば、爆発するぞ! 機体が持たん!」
「大丈夫! 冷却装置に『氷精霊石(フェンリル製)』を使ってるから!」
カイトは鱗の横に、絶対零度を放つ青い石をセットした。
超高熱と超低温が循環し、無限のエネルギーが生み出される。
「よし、完成だ! 名付けて『汎用農作業決戦兵器・耕運丸(こううんまる)』!」
カイトが機体を起動すると、ブオオオオンッ!と重低音が響き、ドック内の空気が震えた。
その姿は、どう見ても二足歩行のトラクター。
だが、放たれているプレッシャーは、魔王城の守護ゴーレムを遥かに凌駕していた。
「ひぃぃ……。なんじゃその化け物は……」
ガンテツは戦慄した。
こやつ、本気だ。
ロボット相撲をする気ではない。
この地下闘技場ごと、大地を耕す気だ……!
「さあ、おじいちゃん! 決勝戦で会いましょう!」
カイトは爽やかな笑顔でサムズアップした。
ガンテツは冷や汗を拭い、自分の愛機『アイアン・カイザー』へと走った。
「ええい、負けてたまるか! ワシの技術の全てをぶつけてやるわ!」
そして迎えた決勝戦。
リングの中央で、鋼鉄の巨人と、黄色いトラクターが対峙する。
次回、決戦!
「決戦! トラクター VS 超兵器」へ続く!
地下闘技場は、異様な熱気に包まれていた。
観客席にはオークやゴブリン、そして仕事を早退してきたルーベンスや、ラーメン屋台を休憩中のデュークたちが陣取り、ポップコーン片手に声援を送っている。
「さあさあ! 始まったよ『第一回・天魔杯マグナギア・トーナメント』!」
実況席のキュルリンがマイクで叫ぶ。
「予選第一試合は、神々の対決! 赤コーナー、『紅の彗星』ルチアナ! 対する青コーナー、『野性の牙』フェンリルだー!」
ガシャン、ガシャン!
リングインしたのは、2体の実物大マグナギアだった。
ルチアナの機体は、真っ赤に塗装された軽量級タイプ**『ルージュ・ヴァルキリー』。
フェンリルの機体は、四足歩行の獣型タイプ『メタル・ウルフ』**。
「フフフ……。見せてあげるわ。通常の3倍のスピードを!」
「オラァ! 噛み砕いてやるぜ!」
コックピットの二人が吠える。
試合開始のゴングが鳴った、その瞬間だった。
ズババババババババッ!!!!
「なっ……!?」
ゲスト解説席に座っていたドワーフ王ガンテツが、ゴーグルをずり落とした。
見えない。
速すぎて、機体の姿が見えないのだ。
リング上で交錯するのは、紅い光と銀の閃光のみ。
衝撃波が防弾ガラスをビリビリと震わせる。
「あわわわ! 速い! 速すぎて実況できません!」
神の反射神経は、機体の限界性能を遥かに超えていた。
ルチアナがコンマ1秒で数百のコマンドを入力すれば、フェンリルは本能直結の操作でそれを回避する。
ギギギ……バキィッ!!
金属音が響いた。
両者の機体が、互いの動きに耐えきれず、関節部から火花を散らして同時にダウンしたのだ。
「あーっと! 両者、機体損壊により引き分けー!」
「くっ……! 私の反応速度にサーボモーターがついて来れないなんて!」
「チッ、脆い機体だぜ!」
ルチアナとフェンリルが不満そうにコックピットから出てくる。
ガンテツは震える手で髭をさすった。
「ば、馬鹿な……。あの機体はリミッターを解除したプロ仕様じゃぞ? それをオーバーヒートさせるほどの操作技術じゃと……?」
ドワーフ王の常識が揺らいだ。
ここはただの娯楽施設ではない。魔境だ。
†
一方、バックステージの整備ドック。
決勝戦を控えたカイトは、愛機の最終調整に入っていた。
「うーん、やっぱりパワーが足りないかなぁ」
彼が整備しているのは、黄色いボディの重装甲タイプ。
元々は建設作業用の機体だが、カイトの手によって異様な改造が施されていた。
「よし、追加装備だ!」
ジジジジジッ……!
カイトは溶接魔法で、機体の両腕に巨大な金属の爪を取り付けた。
それは武器ではない。
伝説の金属オリハルコンを鍛造して作った、「超硬質・耕運爪(ロータリー・クロー)」だ。
「これなら深く耕せるぞ! あとはエンジンだね」
カイトは機体の背面ハッチを開けた。
そこへ、様子を見に来たガンテツが通りかかった。
「おい若造。どんな機体を作っとるんじゃ……ん?」
ガンテツの目が点になった。
カイトがエンジンルームに押し込んでいるのは、通常の魔石ではない。
バチバチと獄炎を放つ、赤黒い結晶体。
「そ、それは……まさか『始祖竜の鱗(うろこ)』か!?」
「あ、おじいちゃん。そうだよ、ポチから貰ったんだ。これ、すごく燃費がいいんだよね」
カイトは平然と答えた。
始祖竜の鱗は、一枚で国中の電力を賄えるほどのエネルギー炉だ。それを単体のロボットに積むなど、正気の沙汰ではない。
「ば、爆発するぞ! 機体が持たん!」
「大丈夫! 冷却装置に『氷精霊石(フェンリル製)』を使ってるから!」
カイトは鱗の横に、絶対零度を放つ青い石をセットした。
超高熱と超低温が循環し、無限のエネルギーが生み出される。
「よし、完成だ! 名付けて『汎用農作業決戦兵器・耕運丸(こううんまる)』!」
カイトが機体を起動すると、ブオオオオンッ!と重低音が響き、ドック内の空気が震えた。
その姿は、どう見ても二足歩行のトラクター。
だが、放たれているプレッシャーは、魔王城の守護ゴーレムを遥かに凌駕していた。
「ひぃぃ……。なんじゃその化け物は……」
ガンテツは戦慄した。
こやつ、本気だ。
ロボット相撲をする気ではない。
この地下闘技場ごと、大地を耕す気だ……!
「さあ、おじいちゃん! 決勝戦で会いましょう!」
カイトは爽やかな笑顔でサムズアップした。
ガンテツは冷や汗を拭い、自分の愛機『アイアン・カイザー』へと走った。
「ええい、負けてたまるか! ワシの技術の全てをぶつけてやるわ!」
そして迎えた決勝戦。
リングの中央で、鋼鉄の巨人と、黄色いトラクターが対峙する。
次回、決戦!
「決戦! トラクター VS 超兵器」へ続く!
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