田舎農家の俺、拾ったトカゲが『始祖竜』だった件〜女神がくれたスキル【絶対飼育】で育てたら、魔王がコスメ欲しさに竜王が胃薬借りに通い詰めだした

月神世一

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第十一章 健康帝国とレジスタンス

EP 4

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【作戦会議】打倒ルナ! 必要なのは『毒(ジャンクフード)』だ
​深夜の地下倉庫。
レジスタンスのメンバーたちは、ドラム缶(の形をした樽)を囲み、地図を広げていた。
​「……いいか。我々の目的は、ルナ政権の転覆ではない」
​参謀役のルーベンスが、青汁しか飲んでいない青白い顔で、鋭く眼鏡を光らせた。
​「目的は『ルナ様をジャンクフード漬けにし、規制を撤廃させること』だ。だが、いきなり本丸(ルナ)を攻めるのは得策ではない」
​ルーベンスは地図上の「理事長室」を指差した。
​「まずは、ルナ様の懐刀……風紀委員長リベラを堕とす。彼女が寝返れば、ルナ様の防御網に穴が開く」
​「リベラか……」
​龍魔呂が腕組みをして唸る。
​「だが、あの女は鉄壁だぞ? 慶應卒のプライドと、強固な理性が服を着て歩いているようなもんだ」
​「ああ。普通の料理では揺らぐまい。だが……」
​ルーベンスはニヤリと笑った。
​「彼女は今、極度のストレス状態にある。風紀委員長として、ルチアナやラスティアの監視、農場の管理……心身ともに限界だ。そこに、『圧倒的暴力(カロリー)』をぶつければ……」
​「なるほど。理性の堤防を決壊させるわけか」
​龍魔呂が立ち上がった。
料理人としての血が騒ぐ。繊細な味付けなど不要。必要なのは、脳髄に直接響くような、背徳の味。
​「カイト。例の『ブツ』はあるか?」
​「もちろん。龍魔呂さんなら、使いこなせると思って持ってきたよ」
​カイトがリュックから、怪しげな食材を取り出した。
​ドサッ。
一つ目は、ゴツゴツとした茶色の芋。
二つ目は、黒く光る木の実。
​「これは……?」
​「『爆裂ポテト(Sランク)』と、『魔界コーラの実』だよ」
​カイトが解説する。
​「爆裂ポテトはね、油で揚げると旨味成分が爆発して、カロリーが通常のジャガイモの50倍になるんだ。で、この実は、煮詰めるとカフェインと糖分が凝縮された『黒いシロップ』になるの」
​「50倍のカロリーに、カフェインの塊だと……?」
​龍魔呂が震える手でそれを受け取った。
それは食材ではない。兵器だ。
​「これに、俺が隠し持っていた『エンペラー・バッファローのバラ肉(脂身9割)』を合わせれば……」
​龍魔呂の脳内で、悪魔の方程式が完成した。
​脂(脂質)
​糖(糖質)
​炭酸(刺激)
​「……ククク。できるぞ。ルナの清浄な味覚を破壊し、リベラの理性を焼き切る、『究極の毒(ジャンクフード)』が」
​「おおっ!」
​男たちがどよめく。
龍魔呂はバンダナをきつく締め直し、地下室の簡易コンロの前に立った。
​「今夜のメニューは……『ハンバーガーセット』だ。それも、ファーストフード店のそれとは訳が違う。素材の暴力を極限まで高めた、『本気のジャンク』を作ってやる」
​「ハンバーガー……! あの、手づかみで食う背徳の塊か!」
​リュウがよだれを垂らす。
​「龍魔呂、飲み物は? 喉を焼くような刺激が欲しいんだ!」
​「任せろ。カイトの木の実とスパイスを調合して、『クラフト・魔界コーラ』を作る。……飲むと飛ぶぞ?」
​「悪魔的だね!」
​カイトが無邪気に笑う。
こうして、地下室で「調理」という名の化学実験が始まった。
油が跳ねる音。
砂糖が焦げる匂い。
そして、炭酸が弾ける音。
​それらは換気ダクトを通り、深夜の静まり返った校舎へ――リベラのいる理事長室へと、静かに、しかし確実に忍び寄っていくのだった。
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