田舎農家の俺、拾ったトカゲが『始祖竜』だった件〜女神がくれたスキル【絶対飼育】で育てたら、魔王がコスメ欲しさに竜王が胃薬借りに通い詰めだした

月神世一

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第十四章 熱闘!男達の炒飯対決

EP 4

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【決着】男たちの友情は「大盛り」の中に
​カイト農場のテーブルには、四種類の炒飯が並べられていた。
​リュウ作:『背脂ギトギト・サラリーマン哀愁炒飯』
​ルーベンス作:『謎の粉マシマシ・競馬場ヤケクソ炒飯』
​デューク作:『超火力・ドラゴンブレス焦がし炒飯』
​龍魔呂作:『至高の芸術・黄金炒飯』
​「……実食だ」
​龍魔呂の号令と共に、男たちが一斉にレンゲを動かした。
まずは、龍魔呂の『黄金炒飯』から。
​パクッ。
​「……ッ!!」
リュウが目を見開いた。
「くやしいが……美味い! 口に入れた瞬間、米粒が勝手に解けていく! 味付けは塩と卵だけなのに、なんでこんなに奥深いんだ!?」
​「フン。素材への敬意があれば当然だ」
龍魔呂が涼しい顔で答える。
​次は、リュウの『ラード炒飯』だ。
龍魔呂がおそるおそる口に運ぶ。
​「……む。……油っこい。下品だ」
龍魔呂が顔をしかめる。だが、その手は止まらなかった。
​「……だが、なぜだ。脳が『もっとよこせ』と指令を出してくる。この暴力的なカロリー……身体が求めてしまう……!」
​「だろ!? 疲れた身体にはこの油がガソリンなんだよ!」
リュウが得意げに笑う。
​続いて、ルーベンスの『魔法の粉炒飯』。
​「……痺れる」
デュークが唸った。
「舌がピリピリする。これは料理というより、薬物に近い。……だが、不快ではない。むしろ、食えば食うほどハイになっていく気がする」
​「フフフ……それが化学調味料(マジック・パウダー)の魔力だよ」
​最後に、デュークの『ブレス炒飯』。
​「熱っ!? ……でも、香ばしい!」
カイトがハフハフと言いながら頬張る。
「ちょっと焦げてるけど、その苦味がアクセントになってる! 野性味があって美味しいよ!」
​一周したところで、全員の手が止まった。
互いの顔を見合わせる。
​「……認めてやろう」
龍魔呂が、リュウのラードまみれの皿を見た。
「料理としては三流だ。だが……『男のメシ』としては、一理ある」
​「へっ。アンタの黄金炒飯も、上品すぎて腹が立つが……悪くない」
リュウもニヤリと笑う。
​「火加減も……まあ、たまにはこういう野蛮な焦げ目も悪くないな」
ルーベンスがデュークに頷く。
​「貴様の粉も、竜の味覚には新鮮だったぞ」
デュークも返す。
​「……ってことは!」
カイトが期待に満ちた目で尋ねる。
「優勝は誰なの?」
​男たちは沈黙し、そして同時に言った。
​「「「「全員だ」」」」
​「ええー!?」
​「カイト、大皿を持ってこい!」
リュウが叫んだ。
​「これらを全て混ぜて食うぞ! ラードと粉と焦げと黄金……全てが合わされば最強だ!」
「望むところだ!」
​男たちは、四種類の炒飯を一つの巨大な皿にぶちまけ、スプーンで豪快にかき混ぜた。
それはもはや味のバランスなど崩壊した、ただの「炭水化物と脂の暴力」だった。
​「うめぇぇぇッ!!」
「これだよこれ! 深夜に食うならこれだ!」
「水! 水を持ってこい! 喉が渇く!」
​ガツガツガツッ!
いい大人が額に汗して、山盛りの炒飯を貪り食う。
そこには、種族も身分も関係ない。ただ「美味いものを腹いっぱい食う」という、男のみに許された原始的な共有感(グルーヴ)があった。
​   ◇
​「……馬鹿ですわね」
​リビングのソファから、その光景を冷ややかな目で見ている女性陣がいた。
​「なんであんなに油っこいものを、楽しそうに食べられるのかしら……」
ルチアナが呆れて紅茶をすする。
​「男って単純ね。……でも、ちょっと楽しそう」
ラスティアが苦笑する。
​「後の掃除は誰がすると思っているんですの……? 換気扇、ギトギトですわよ」
リベラがこめかみを押さえた。
​こうして、第一回・深夜の炒飯戦争は、「全員優勝、全員胃もたれ確定」という平和的な結末で幕を閉じた。
​だが、カイトの探究心はこれでは終わらなかった。
炒飯で使った「大豆」の余りを見た瞬間、彼の農夫としての本能が、さらなる「発酵の扉」を開いてしまったのだ。
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