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「婚約者のすげ替え、でございますか?」
「うむ」
渋面の父。
「何のことか分かるか?」
「……さあ?」
父が今回の件をメイド達から聞いてすぐにあちらに問い合わせなさったそうです。
その答えが婚約者のすげ替え。
渡された書面を見ると居丈高な文章で、我が家にいる私以外の娘との婚約を希望する内容。
「……私以外に娘がいますの?まさかお父様の隠し子ですか?」
「馬鹿を言うな」
ぶるっと震えて頭を振りました。
「私は愛妻家だ」
恐妻家の間違いではございませんか?
ここにお母様を呼ばないのが証拠のように思います。
「さようですわね、お父様」
「絶対、妻には黙っておけ」
「わかりました」
妻には何も言うなと釘を刺すのもお忘れなく。
やっぱり恐妻家ですね。
「それでお返事はどうなさいますの?」
「どうしようもない。お前以外に娘はおらん」
そう、私以外おりません。
あとは下に弟がふたり。
まだデビュー前の14才と12才。
「……お父様、まさかと思いますが」
「ん?何かあるのか?」
「お耳を」
お父様のお耳に顔を寄せて自分の考えを。
「まさかと思いますが、ダドリー様好みの娘を新しく用意しろと言う意味ではありませんわよね?」
「仕込めというのか?今から?」
さすがに無理でございましょう。
お母様のお歳とお体を考えれば。
お父様もたまにおバカさん。
「養子という手があります」
「ああ、そうか」
しばらく思案されてから私の方へ向き直りました。
「お前はどう思う?」
「よろしいんじゃございません?養子でなくても後見人という手もございますし。家同士の繋がりを優先するならそれで」
内心、没落寸前の公爵家にそこまでして何のうま味があるのかわかりませんが。
「あちらにも何か思惑があるのかもしれませんね」
「あったとして、支度金は出さんぞ」
直系の私を娶らないのならそうなりますね。
別に望む娘がいるなら我が家に関わりのないこと。
我が家の娘として望むなら約束の持参金はあちらが形を揃えるのが筋です。
「ああ、面倒だ」
うんざり気なお父様を睨み付けます。
「お父様があんな人との婚約をお許しになるからでございましょう?私は言われたところへ嫁ぐだけなんですからね?」
「あ、悪かった。まさかこうなるとは思わなんだ」
「うむ」
渋面の父。
「何のことか分かるか?」
「……さあ?」
父が今回の件をメイド達から聞いてすぐにあちらに問い合わせなさったそうです。
その答えが婚約者のすげ替え。
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「……私以外に娘がいますの?まさかお父様の隠し子ですか?」
「馬鹿を言うな」
ぶるっと震えて頭を振りました。
「私は愛妻家だ」
恐妻家の間違いではございませんか?
ここにお母様を呼ばないのが証拠のように思います。
「さようですわね、お父様」
「絶対、妻には黙っておけ」
「わかりました」
妻には何も言うなと釘を刺すのもお忘れなく。
やっぱり恐妻家ですね。
「それでお返事はどうなさいますの?」
「どうしようもない。お前以外に娘はおらん」
そう、私以外おりません。
あとは下に弟がふたり。
まだデビュー前の14才と12才。
「……お父様、まさかと思いますが」
「ん?何かあるのか?」
「お耳を」
お父様のお耳に顔を寄せて自分の考えを。
「まさかと思いますが、ダドリー様好みの娘を新しく用意しろと言う意味ではありませんわよね?」
「仕込めというのか?今から?」
さすがに無理でございましょう。
お母様のお歳とお体を考えれば。
お父様もたまにおバカさん。
「養子という手があります」
「ああ、そうか」
しばらく思案されてから私の方へ向き直りました。
「お前はどう思う?」
「よろしいんじゃございません?養子でなくても後見人という手もございますし。家同士の繋がりを優先するならそれで」
内心、没落寸前の公爵家にそこまでして何のうま味があるのかわかりませんが。
「あちらにも何か思惑があるのかもしれませんね」
「あったとして、支度金は出さんぞ」
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