このゲーム知らんけど転生したわ

うめまつ

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兄貴

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自分の前世が日本人。

ずーっと頭の中にモヤモヤしたもんがあって、何かなー?くらいに考えてた。

だって、生魚の乗った白いご飯が食べたいとか白く濁った油たっぷりの麺とスープが食べたいとか。

そんな食事に出たことないのに。

米って何よ?

トイレでお尻拭く物がこれじゃない感が半端なくて嫌悪感出るとか。
水で洗うのかよ、紙くれ紙って毎回思うの。
紙は高級品なのに何言ってんだって、我ながら呆れるよ。


他にも床にごろ寝できないとか裸足で室内歩けないとか。
いちいちインク壺に突っ込むとか。

だりぃ、めんどくせぇって。

うちは貴族で恵まれてるって分かってるのに、それでも当たり前なことが何もかも不満だった。

なんで急に前世が分かったかというと、目の前の人間が原因。

兄貴。

なんか急に聞きたいことがあるって言って部屋に来たん。



「ニア。お前、転生者だろ?日本人?」

その一言で頭の中のモヤモヤが、アイムジャパニーズ!!って弾けてんの。

そうだよそうだよ。

私、日本人。

寿司食いたい、とんこつラーメン食いたい、マック行きたい。
トイレットペーパー欲しい。

欲しかった物の言葉がはっきり頭に浮かんできた。


『おい、大丈夫か?おーい。言葉わかるか?』

『うわ、日本語。懐かしい。ラーメン食いたい。スマホ欲しい。漫画読みたい。お、私、結構喋れるじゃん。』

『うわ、方言きつ。』

『え、標準語使ったよ。』

本当ならもっと分からんこと言うぞ。
同郷の女の子からも方言濃くて分からんって言われとった。

『イントネーションが違う。聞き取りづらい。』

『ふぅん、じゃぁ気を付けるよ。えーと、兄貴でいいか。お兄様とか無理。兄貴は…どこか都会だったん?なんかそういう時に出る都会の名前があったけど覚えとらん。』

『埼玉県。仕事で東京に通ってた。』

どっか分からん。

その後も色々と質問されたけど、日常的なことが記憶に残ってるだけと分かった。
 

自分の名前とか年齢とか、どんな見た目だったとか記憶なし。

住んでたところも分からなくて、イントネーションが関西っぽい、とんこつラーメン好きなら九州じゃないかって。

前世知識ほぼゼロと判明しただけかぁ。

意味ないわー。

『名前が分からないなら、今まで通りニアだな。』

『2文字でよかったー。キャサリンとかエリザベスとか舌が回らん奴は違和感しかない。』

ちなみに兄貴の覚醒は生まれつきだって。
前世の記憶、全部残ってるってー。
兄貴は前世の知識チートガンガン使ってうちの財政立て直したの。
羨ましがったら、死んだ時の記憶も残ってるぞ、聞くか?って言われて思わず無言になった。

『で、なんで急に聞いてきたん?』

『お前が乙女ゲームの悪役令嬢だから。まあ、ほら…チョイ役みたいな…。ニアは昔から言動が日本人っぽいし、カレー食べたいってぼやいてただろう?転生者なら話が早いと思ったんだ。』

『兄貴、乙女ゲームしてたん?え?乙女ゲームってエロいんじゃないの?それはギャルゲーだっけ?エロゲー?あ、でもエロいことは男なら健全か。』


『うるさい。副業だ。ゲームのネット記事書いてた。乙女ゲームは女性向けの恋愛ゲーム。』

『へー、すごいね。で?ちょい役だから何?』

『…必ず死ぬ。』

『へー。…いや、私、死ぬと?』

『うん、死ぬ。』





ぅおおおおおおおおい!

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