3 / 4
強制力
しおりを挟む
『私、もう国外に出ちゃえば良くない?』
国にいなきゃ良いじゃん。
当てはある。
『隣国の叔母さまん所。』
行儀見習いで呼ばれてる。
行く理由は用意できる。
『俺が嫌なんだよなぁ。それは最終手段だ。』
『あぁ??』
私の命がかかってんのに何言うてんの。
俺が嫌なんだってなんだよ。
自分は死なないからってふざけてんのか?
片方が国に残ったら意味ないって?
強制力があれば国に戻って事件が起きるって…?
出るならお互い国から出た方がいいって…
強制力、どんだけ万能よ。
『ニアが隣国に言っても里帰りは義務になるよ?』
『ずっと帰らないのは無理かぁ。…他になんか考えがあると?』
『いくつかは。』
『言うてみて。』
『1番は軟禁かなぁ。』
『あり得ん。響きがキモい。』
もっとまともなのないのかい。
『なんかないの?』
『…そうだねぇ。』
静かに目ぇ瞑って考えてる。
長い。
まだ考えてるの?
考えてなかったんじゃね?
『あるって言うたじゃん?ねえ、教えてよ。』
『…無傷でってのは難しいかなぁ。ニアはキツいの嫌だろう?』
『…がんばるもん。』
『頑張れるかなぁ?すぐめげるしなぁ…』
言い返せない。
確かにすぐめげる。
勉強も何もかも。
目頭が熱い。
またぶわっと涙が溢れてくる。
あれもダメこれもダメ。
なんで?
なんで目に見えない強制力に怯えなきゃいけないの?
悔しい。
でももし強制力かあったら死ぬんだ。
もーやだ、涙止まらん。
クッションに顔埋めてさ、ひっくひっく泣いて恥ずかしい。
でも私、サスペンスドラマの死ぬ系犯人なんだよ。
そりゃぁ、泣くわ。
『ニア…』
いつの間に兄貴の手が頭を撫でてる。
顔は見えない。
いつもこうやってくれてた。
『お兄ちゃんに助けて欲しいか?』
泣いて声が出ない。
ウンウン頷いて伝える。
『お兄ちゃん、助けてって言って?』
『ひっく、なんで?』
『…やる気になるから。』
『ひっく、言わん、でも、やる気だせ。』
いつも泣くとこうやって言わせるんだ。
兄貴は変態だと思う。
前世の記憶持ちで今もこれなら前世の性癖か?
泣きすぎて呼吸苦しいわ。
『お兄ちゃん。』
『ひっく、…お兄、ちゃん』
『助けて?』
『ふっ、んっく、…た、すけて。』
何度も呼吸を整えて兄貴の言葉を繰り返した。
言ったら本当に助けてくれる。
いつもそうだった。
躾られてるのが悔しい。
あーあ、こんな日本語を言うことになるとは…
前世でなんかしたのかな。
『…あとはお兄ちゃんに任せろ。』
言うやいなや、がばぁっと私を横抱きに抱えて部屋を飛び出した。
え、やめてよ。
顔ぐちゃぐちゃだし、ソファー寝転んだから、洋服も髪も乱れてるの。
靴も脱げたまま、どこに連れてく気だ。
屋敷にはメイドや執事がうろうろしてんのに。
いやだ、時折メイドの悲鳴が聞こえる。
兄貴の近くで執事が慌ててる。
ずんずん揺れる腕の中で、私はクッションで必死に顔を隠した。
バンッと扉を開く音が耳に響く。
誰が開けたん?
執事?
え、兄貴?
兄貴、片手で私を持ってんのかよ?
安定感抜群すぎるんだけど?
「父上!妹に手を出しました!」
なんでやぁぁぁぁ!!!
国にいなきゃ良いじゃん。
当てはある。
『隣国の叔母さまん所。』
行儀見習いで呼ばれてる。
行く理由は用意できる。
『俺が嫌なんだよなぁ。それは最終手段だ。』
『あぁ??』
私の命がかかってんのに何言うてんの。
俺が嫌なんだってなんだよ。
自分は死なないからってふざけてんのか?
片方が国に残ったら意味ないって?
強制力があれば国に戻って事件が起きるって…?
出るならお互い国から出た方がいいって…
強制力、どんだけ万能よ。
『ニアが隣国に言っても里帰りは義務になるよ?』
『ずっと帰らないのは無理かぁ。…他になんか考えがあると?』
『いくつかは。』
『言うてみて。』
『1番は軟禁かなぁ。』
『あり得ん。響きがキモい。』
もっとまともなのないのかい。
『なんかないの?』
『…そうだねぇ。』
静かに目ぇ瞑って考えてる。
長い。
まだ考えてるの?
考えてなかったんじゃね?
『あるって言うたじゃん?ねえ、教えてよ。』
『…無傷でってのは難しいかなぁ。ニアはキツいの嫌だろう?』
『…がんばるもん。』
『頑張れるかなぁ?すぐめげるしなぁ…』
言い返せない。
確かにすぐめげる。
勉強も何もかも。
目頭が熱い。
またぶわっと涙が溢れてくる。
あれもダメこれもダメ。
なんで?
なんで目に見えない強制力に怯えなきゃいけないの?
悔しい。
でももし強制力かあったら死ぬんだ。
もーやだ、涙止まらん。
クッションに顔埋めてさ、ひっくひっく泣いて恥ずかしい。
でも私、サスペンスドラマの死ぬ系犯人なんだよ。
そりゃぁ、泣くわ。
『ニア…』
いつの間に兄貴の手が頭を撫でてる。
顔は見えない。
いつもこうやってくれてた。
『お兄ちゃんに助けて欲しいか?』
泣いて声が出ない。
ウンウン頷いて伝える。
『お兄ちゃん、助けてって言って?』
『ひっく、なんで?』
『…やる気になるから。』
『ひっく、言わん、でも、やる気だせ。』
いつも泣くとこうやって言わせるんだ。
兄貴は変態だと思う。
前世の記憶持ちで今もこれなら前世の性癖か?
泣きすぎて呼吸苦しいわ。
『お兄ちゃん。』
『ひっく、…お兄、ちゃん』
『助けて?』
『ふっ、んっく、…た、すけて。』
何度も呼吸を整えて兄貴の言葉を繰り返した。
言ったら本当に助けてくれる。
いつもそうだった。
躾られてるのが悔しい。
あーあ、こんな日本語を言うことになるとは…
前世でなんかしたのかな。
『…あとはお兄ちゃんに任せろ。』
言うやいなや、がばぁっと私を横抱きに抱えて部屋を飛び出した。
え、やめてよ。
顔ぐちゃぐちゃだし、ソファー寝転んだから、洋服も髪も乱れてるの。
靴も脱げたまま、どこに連れてく気だ。
屋敷にはメイドや執事がうろうろしてんのに。
いやだ、時折メイドの悲鳴が聞こえる。
兄貴の近くで執事が慌ててる。
ずんずん揺れる腕の中で、私はクッションで必死に顔を隠した。
バンッと扉を開く音が耳に響く。
誰が開けたん?
執事?
え、兄貴?
兄貴、片手で私を持ってんのかよ?
安定感抜群すぎるんだけど?
「父上!妹に手を出しました!」
なんでやぁぁぁぁ!!!
195
あなたにおすすめの小説
お前は整形した醜い顔だと婚約破棄されたので溺愛してくれる王子に乗り換えます! 実は整形なんてしていなかったと気づいてももう遅い
朱之ユク
恋愛
美しい顔をしたスカーレットは突如それまで付き合ってくれていた彼氏にお前の顔は整形だと言われて婚約破棄を言い渡されてしまう。彼氏はそのままスカーレットのことを罵りまくるが実はスカーレットは整形なんてしてない。
正真正銘の美しい顔でいただけだ。多少メイクはしているけど、醜いと罵られる覚えはありません。
溺愛してくれる王子と新たに婚約することになったので、いまさら復縁したいと言ってももう遅い!
守護神の加護がもらえなかったので追放されたけど、実は寵愛持ちでした。神様が付いて来たけど、私にはどうにも出来ません。どうか皆様お幸せに!
蒼衣翼
恋愛
千璃(センリ)は、古い巫女の家系の娘で、国の守護神と共に生きる運命を言い聞かされて育った。
しかし、本来なら加護を授かるはずの十四の誕生日に、千璃には加護の兆候が現れず、一族から追放されてしまう。
だがそれは、千璃が幼い頃、そうとは知らぬまま、神の寵愛を約束されていたからだった。
国から追放された千璃に、守護神フォスフォラスは求愛し、へスペラスと改名した後に、人化して共に旅立つことに。
一方、守護神の消えた故国は、全ての加護を失い。衰退の一途を辿ることになるのだった。
※カクヨムさまにも投稿しています
【完結】『私に譲って?』と言っていたら、幸せになりましたわ。{『私に譲って?』…の姉が主人公です。}
まりぃべる
恋愛
『私に譲って?』
そう私は、いつも妹に言うの。だって、私は病弱なんだもの。
活発な妹を見ていると苛つくのよ。
そう言っていたら、私、いろいろあったけれど、幸せになりましたわ。
☆★
『私に譲って?』そう言うお姉様はそれで幸せなのかしら?譲って差し上げてたら、私は幸せになったので良いですけれど!の作品で出てきた姉がおもな主人公です。
作品のカラーが上の作品と全く違うので、別作品にしました。
多分これだけでも話は分かると思います。
有難い事に読者様のご要望が思いがけずありましたので、短いですが書いてみました。急いで書き上げたので、上手く書けているかどうか…。
期待は…多分裏切ってしまって申し訳ないですけれど。
全7話です。出来てますので随時更新していきます。
読んで下さると嬉しいです。
メリザンドの幸福
下菊みこと
恋愛
ドアマット系ヒロインが避難先で甘やかされるだけ。
メリザンドはとある公爵家に嫁入りする。そのメリザンドのあまりの様子に、悪女だとの噂を聞いて警戒していた使用人たちは大慌てでパン粥を作って食べさせる。なんか聞いてたのと違うと思っていたら、当主でありメリザンドの旦那である公爵から事の次第を聞いてちゃんと保護しないとと庇護欲剥き出しになる使用人たち。
メリザンドは公爵家で幸せになれるのか?
小説家になろう様でも投稿しています。
蛇足かもしれませんが追加シナリオ投稿しました。よろしければお付き合いください。
【短編】将来の王太子妃が婚約破棄をされました。宣言した相手は聖女と王太子。あれ何やら二人の様子がおかしい……
しろねこ。
恋愛
「婚約破棄させてもらうわね!」
そう言われたのは銀髪青眼のすらりとした美女だ。
魔法が使えないものの、王太子妃教育も受けている彼女だが、その言葉をうけて見に見えて顔色が悪くなった。
「アリス様、冗談は止してください」
震える声でそう言うも、アリスの呼びかけで場が一変する。
「冗談ではありません、エリック様ぁ」
甘えた声を出し呼んだのは、この国の王太子だ。
彼もまた同様に婚約破棄を謳い、皆の前で発表する。
「王太子と聖女が結婚するのは当然だろ?」
この国の伝承で、建国の際に王太子の手助けをした聖女は平民の出でありながら王太子と結婚をし、後の王妃となっている。
聖女は治癒と癒やしの魔法を持ち、他にも魔物を退けられる力があるという。
魔法を使えないレナンとは大違いだ。
それ故に聖女と認められたアリスは、王太子であるエリックの妻になる! というのだが……
「これは何の余興でしょう? エリック様に似ている方まで用意して」
そう言うレナンの顔色はかなり悪い。
この状況をまともに受け止めたくないようだ。
そんな彼女を支えるようにして控えていた護衛騎士は寄り添った。
彼女の気持ちまでも守るかのように。
ハピエン、ご都合主義、両思いが大好きです。
同名キャラで様々な話を書いています。
話により立場や家名が変わりますが、基本の性格は変わりません。
お気に入りのキャラ達の、色々なシチュエーションの話がみたくてこのような形式で書いています。
中編くらいで前後の模様を書けたら書きたいです(^^)
カクヨムさんでも掲載中。
婚約破棄でよろしいんですの?
かぜかおる
恋愛
婚約者のエリックが懇意にしているご令嬢が突撃してまいりましたの
そして婚約破棄を求めて来ましたわ
わたくしはそれでもよろしいのだけど、本当にあなた達はそれでよろしいの?
4話完結、完結まで毎日更新です。
こんな小物で本当に良いのですか?
mios
恋愛
侯爵令嬢のレイラは、聖女に物申す。
「貴女なら絶世の美男子とも名高い帝国の皇太子でも狙えると思いますよ。こんな小物で良いのですか?本当に後悔しない?」
先程までレイラに得意気な笑顔を浮かべていた聖女アリーヤは、顔色を変える。
小さな親切、大きな恩返し
よもぎ
恋愛
ある学園の交流サロン、その一室には高位貴族の令嬢数人と、低位貴族の令嬢が一人。呼び出された一人は呼び出された理由をとんと思いつかず縮こまっていた。慎ましやかに、静かに過ごしていたはずなのに、どこで不興を買ったのか――内心で頭を抱える彼女に、令嬢たちは優しく話しかけるのだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる