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王都は、少々の混乱はあったものの、人々が目覚めて徐々に平穏を取り戻した。
そして、俺と如月、それとテオは謁見の間にいた。
「この度の一件は、レオンハルトの独断と暴走によるものと判明いたした」
王は重々しく口を開き、全員の前でそう告げた。
現状のノルヴェリオ王国は、内政がかなり入り乱れている。
やや弱腰な現国王、強気だがかなり無能な第一王子のレオンハルト、元老院の支持を一手に集めている第二王子のジークハルト……と、一枚岩とは程遠い国政だ。
何としても王太子の座を射止めたかったレオンが聖女を召喚し、その混沌は更に混乱を極めた。
レオンの言いなりにならない如月が、地方貴族や教会といった中堅から少数派を一つにまとめ聖女派を作り、政治に更なる混乱を呼んだ。
「王家はこれを由々しき事態と受け止め、レオンハルトの王位継承権を剥奪、併せて王都から追放する」
今度の一件で、王はレオンを切って王太子にジークを据える覚悟をしたのだろう。
廷臣たちはざわめいたが、元老院と辺境伯たち地方貴族は沈黙を守っている。
ちなみに、レオンはこの場にいなかった。
簡単に言えば、如月の視界に入る場所に立ちいれなくなってしまったからだ。
現王の優柔不断が招いた部分は不問にし、レオンを切り捨てることで王家本体への責任を切り離す腹づもりなんだろうことが透けてみえる。
全く、政治というのは恐ろしい。
「それと、聖女の結界暴走については、魔導師団の見解を述べさせる」
王の横に並んでいた、魔導師団長と思しき老魔導士が一歩前に出る。
「現聖女様の魔力は、我らが記録する限り歴代でも最強でございます。更に聖女様の力はその感情や精神状態に大きく左右されやすく、昨日の事件はお部屋にレオンハルト様が押し入ろうとした結果……と結論されています」
それから老魔導士は、ちらと俺に視線を寄越した。
「また、そのような膨大な力は、一人で操るのは大層難しく。本来ならば同時に召喚されましたバランサーの補助を必要とするものを、その者を欠いたままずっと結界を維持されておりました、今世の聖女様のご苦労は──」
如月が "後ろの消防士" と称した俺のチカラは、バランサーという名前になったらしい。
だが、老魔導士の話は三分経っても五分経っても終わらない。
途中から、俺の能力の話は割とどうでもよくなっていて、内容は如月の苦労を労うふりをした、俺を追放した言い訳になっていた。
「それってさぁ、エノセンの追放はナシって話で、いいんだよね?」
如月が口を開く。
王が手を挙げると老魔導士はササッと後ろに下がった。
そして、立ち上がった王が俺に向かってこう言った。
「エノキドゥ殿には、伯爵の爵位を叙爵するものとする」
「はあっ!」
俺の能力同様に、俺の驚きも割とどうでもよく流されて、気がついたら首にはよくわからないメダルのようなものをぶら下げられていた。
いや、いらんし爵位なんてっ!
「やったじゃん、エノセン!」
「いえ、このぐらいはトキオミさんに当然の評価です」
俺の後ろで、教え子たちが勝手に盛り上がっていた。
そして、俺と如月、それとテオは謁見の間にいた。
「この度の一件は、レオンハルトの独断と暴走によるものと判明いたした」
王は重々しく口を開き、全員の前でそう告げた。
現状のノルヴェリオ王国は、内政がかなり入り乱れている。
やや弱腰な現国王、強気だがかなり無能な第一王子のレオンハルト、元老院の支持を一手に集めている第二王子のジークハルト……と、一枚岩とは程遠い国政だ。
何としても王太子の座を射止めたかったレオンが聖女を召喚し、その混沌は更に混乱を極めた。
レオンの言いなりにならない如月が、地方貴族や教会といった中堅から少数派を一つにまとめ聖女派を作り、政治に更なる混乱を呼んだ。
「王家はこれを由々しき事態と受け止め、レオンハルトの王位継承権を剥奪、併せて王都から追放する」
今度の一件で、王はレオンを切って王太子にジークを据える覚悟をしたのだろう。
廷臣たちはざわめいたが、元老院と辺境伯たち地方貴族は沈黙を守っている。
ちなみに、レオンはこの場にいなかった。
簡単に言えば、如月の視界に入る場所に立ちいれなくなってしまったからだ。
現王の優柔不断が招いた部分は不問にし、レオンを切り捨てることで王家本体への責任を切り離す腹づもりなんだろうことが透けてみえる。
全く、政治というのは恐ろしい。
「それと、聖女の結界暴走については、魔導師団の見解を述べさせる」
王の横に並んでいた、魔導師団長と思しき老魔導士が一歩前に出る。
「現聖女様の魔力は、我らが記録する限り歴代でも最強でございます。更に聖女様の力はその感情や精神状態に大きく左右されやすく、昨日の事件はお部屋にレオンハルト様が押し入ろうとした結果……と結論されています」
それから老魔導士は、ちらと俺に視線を寄越した。
「また、そのような膨大な力は、一人で操るのは大層難しく。本来ならば同時に召喚されましたバランサーの補助を必要とするものを、その者を欠いたままずっと結界を維持されておりました、今世の聖女様のご苦労は──」
如月が "後ろの消防士" と称した俺のチカラは、バランサーという名前になったらしい。
だが、老魔導士の話は三分経っても五分経っても終わらない。
途中から、俺の能力の話は割とどうでもよくなっていて、内容は如月の苦労を労うふりをした、俺を追放した言い訳になっていた。
「それってさぁ、エノセンの追放はナシって話で、いいんだよね?」
如月が口を開く。
王が手を挙げると老魔導士はササッと後ろに下がった。
そして、立ち上がった王が俺に向かってこう言った。
「エノキドゥ殿には、伯爵の爵位を叙爵するものとする」
「はあっ!」
俺の能力同様に、俺の驚きも割とどうでもよく流されて、気がついたら首にはよくわからないメダルのようなものをぶら下げられていた。
いや、いらんし爵位なんてっ!
「やったじゃん、エノセン!」
「いえ、このぐらいはトキオミさんに当然の評価です」
俺の後ろで、教え子たちが勝手に盛り上がっていた。
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