そんなに相談女の方が良ければお好きにどうぞ。邪魔な私たちはいなくなりますので

日々埋没。

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 幸いなことにミーナにはまだ一つ手があった。

 将来の社交界の練習も兼ねて学園で定期的に開催される自由参加型のパーティー。
 縦と横の付き合いを広げる意味合いもあり、学年も入り混じっての出会いにはうってつけの場だ。

 ここならばまだミーナにチャンスがあるだろう。
   
 ただ一年生ならばまだしも二年生、三年生ともなれば大概の令息は婚約が決まっていることもザラで、上級学年と必要以上のトラブルを避けるためにもミーナはこれまで参加することはなかった。

 だが今更しのごも言っていられない。
 自分は絶対玉の輿に乗るんだ! というギラギラとした熱意を胸にとうとう今宵開かれるパーティーに出席したのだった。

 しかしエスコートの相手はおろか、会話に興じるための友人すら連れ立っていないミーナは片隅で路傍の石が如く小さく固まるのみ。

 それもそのはず、ミーナは他人をきっかけにして話題を作り出す方法でしか相手を落とす術を持たないので、まずどうやって年上の令息に声をかければいいか分からなかったのである。

 無情にも時間だけが過ぎ、ただひたすら四方八方に視線をうろうろさせること約十分、不意にミーナはある人物を見つけた。

(あれは……)
 
 それはこの国の第三王子であるルーウェンその人だ。
 彼もまた学生をやっていることは知っていたが、さすがに本命候補とはいえキープ相手に選ぶには分が悪いと諦めていた。

 だがこうなっては引くに引けない。とりあえず唾をかけるだけかけることにしようと、止せばいいのにそのような覚悟をミーナは決める。

 そんなルーウェンだが、なにやらどこぞの令嬢と話し込んでいる。
 しかし傍目からすればそこまで仲の良さげな雰囲気には見えない。

(これは……イケるっ!)

 相談女としての本能がそう知らせる。
 あの女をダシにしてなんとかルーウェンとの会話に持ち込み、これまで幾多の男を落としてきたそなテクニックで見事籠絡してやるのだ。

 そうと決まれば、だ。
 早速行動開始だ。
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