そんなに相談女の方が良ければお好きにどうぞ。邪魔な私たちはいなくなりますので

日々埋没。

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「ねぇルーウェン様ぁ~」

 狩人は先んじて罠を仕掛けるもの。
 いつも通りの猫なで声を意識してミーナは標的に声をかける。
 キープたちによるこれまでの傾向から、殿方好みの声色は知っていた。
 
「ん、君は……? 見ない顔だが」

 そこでようやくこちらに気づいたルーウェンに、更なるアプローチを仕掛けることにする。
 こういうのは最初の印象が肝心なので、畳みかけるべしとばかりに!

「初めましてぇルーウェン様ぁ、あたしぃミーナと申しますぅ~。お会いできて光栄ですぅ」

 わざとらしくしなを作りながらそれとなくルーウェンと、彼と話していた女性の間に上手いこと割り込む。
 どころか、抜かりなく女性を背中でに絶妙に隠すベストポジションまで取る有り様だ。
 もちろん後々ダシにするつもりではあるが、今は邪魔なので後ろの彼女は一旦無視することにした。

「これは失礼したミーナ嬢、レディに先に名乗らせるなど。遅らばせながら僕はルーウェン・アルトバルト、若輩者ではあるがこの国の第三王子を名乗らせていただいている者だ。以後よろしく頼めるだろうか」

 ルーウェンは突然の来訪者に一瞬鼻白んだ様子だったが、このパーティーの元々の目的を考えた結果、すぐに折り目正しく自己紹介をしてくれた。
 だが態度は固く、若干融通は効かなそうものの、こういった手合いは一度落ちるととことんまで弱いことをミーナは知っていた。

「やぁんルーウェン様ったらぁ、ミーナで構いませんよぉ。これからよろしくなのはこちらもなんですけどぉ、他人行儀なのって好きじゃないんですぅ」

 ~嬢呼びは令嬢に対する敬称ではあるが、もちろん関係性にも距離がある。
 なので呼び捨てにしてもらった方が親しみ感が上がるというもの。

「いや、そういうわけにはいかないよ。……それでミーナ嬢、僕に何か用だろうか?」

 言外に用がないのであれば、もしくはただの挨拶が済んだのならあとは遠慮してくれと訴えられていたが、あえてそれに気づかない振りをしてミーナは続ける。
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