最弱能力「毒無効」実は最強だった!

斑目 ごたく

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アランとアレクシア

決着 2

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「くそっ、マジか!?お、おいアレクシア!!何とかしやがれ!!」
「もうやってるっての!!ぐぎぎ・・・離せよ、このこのっ!!」

 自らの命の危機が迫っているにも拘らず、捕らえられたままのアランには何もすることは出来ない。
 彼は何とかその状況から脱しようとアレクシアに助けを求めるが、彼女が幾ら引っ張ろうが叩こうが、彼を拘束した守護者の手は緩むことはなかった。

『魔道誘導砲、充填完了。発射シークエンス、1、2・・・汚染因子の解析が完了。適合データ、あり。救―――』

 高まる高周波は耳障りに喚き、エネルギーを満たした砲の先端はもはや眩しいほどに輝きを放っている。
 それは、アランの命を終わりを意味しているのだろう。
 定めた狙いは僅かに上を向き、自らの手を巻き込まないように標準を定めている。

『緊急停止、緊急停止、緊急停止!!エラー、エラー、エラー!!』

 しかし彼は見つけてしまった、その最後の瞬間にずっと待ち望んでいたものの存在を。
 それは、何物にも代えても守らなければならない存在だ。
 彼はその命を奪おうとする、自らの矛先を収めようとする。
 しかし何故か、その停止命令は正しく作用することはなかった。
 彼の右側頭部の欠けた部分からは、ピリリと電流が走ったように感じた。

「何だ?腕が緩んで・・・よし、今なら!アレクシア!!」
「えっ!?な、何よ!?あ、分かった!これねアラン!!」

 衝撃と混乱の中で、何とかアランの命を守ろうとしている守護者の手は僅かに緩んでいる。
 それはアランがそこから抜け出せるほどのものではなかった、腕を伸ばすことが出来るようにはなっていた。
 そこから何とか腕を伸ばしたアランは、アレクシアへと合図を送る。
 それに彼女は一瞬意味の分からない表情を見せていたが、すぐに彼の意図を理解するとある場所へと駆けだしていた。

『発射シークエンス停止不能を確認。対象の生命を最優先するために―――』

 繰り返されるエラー信号に、もはやそれを停止することは不可能だと理解した。
 ならばもはや、優先されるのはこの対象の生命だけであろう。
 不完全な状態による停止命令と発射シークエンスは、魔道誘導砲の制御を暴走させてしまっている。
 それはもはや、どこに放たれるかも分からない状態だ。
 であるならば、取れる方法は一つしかない。

「受け取りなさい!!」
「よし!!これでも・・・食らいやがれぇぇぇ!!!」

 探していたものへと辿り着いたアレクシアは、それをアランへと投げ渡す。
 そのもの、剣を受け取ったアランはそれを握り直すと、そのままその剣先を光の中へと突き込んでいた。

「ど、どうだ・・・?どうなった?うおっ!?」

 光の中に突き入れた剣先に、手応えはない。
 しかしもはやそれしか取り得る手段のなかったアランは、その結果を確認しようとそこを凝視している。
 それでもその先の景色は見ることは叶わず、アランは突然の解放に腰から地面へと落ちてしまっていた。

「痛てて・・・何だよ、急に?」
「と、とにかく早く逃げるよアラン!何か様子が・・・!」
「お、おう。うおっ!?俺の剣がっ!?」
「いいから早く!!」

 アランが床へと放り出されたのは、拘束から解放されたからだ。
 その急な展開にその相手を見上げても、それは相変わらず健在であった。
 その事実に首を捻っているアランを、アレクシアは手を伸ばして無理やり引っ張り上げている。
 今だに激しい光を撒き散らしている守護者の姿に、彼女はどうやら途轍なく嫌な予感を感じているようだった。

『砲状マニピュレーターの欠損を確認。誘導魔道エネルギー、臨界突破・・・最重要対象の保護を優先、自爆を推奨・・・実行』

 既に制御出来る状態ではなかったエネルギーは、アランの攻撃によって砲身を傷つけられ、もはやどうにもならない状態となっている。
 そんな状態で、誰かを守ろうとすれば取り得る手段は一つしかなく、彼は天を見上げるとそれを告げる。

「おいおい、何かやばい感じじゃねぇか!?」
「だから言ってんでしょ!?ほらもっと急いで!!」
「いや、もう間に合わねぇ!あの陰に隠れるぞ!!」
「えっ!?きゃあ!!?」

 ピリピリと帯電しているような肌の痛みは、そこに渦巻くエネルギーの奔流を現している。
 それはそれがいったいどういう現象か理解していないアラン達にも、はっきりと危険だと分かるものだろう。
 それにようやく気が付いたアランに、アレクシアは文句を零していたが、彼女よりも早く彼はその限界点を見抜いていた。
 それは今だ。
 アランはアレクシアの身体を引っ掴むと、そのまま遺物の陰へと飛び込んでいく。
 その瞬間、世界は真白に塗りつぶされた。

「うおおぉぉぉ!!?」
「きゃあぁぁぁ!!?」

 それに応えるように上げた悲鳴も、眩しすぎる光に飲み込まれてやがて消える。
 そうして、沈黙だけが訪れた。
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