56 / 308
ダンジョン経営の始まり
支配者の振る舞いに新参者達は不信感を募らせる 2
しおりを挟む
「ぷはっ!げほっ、けほ・・・逃げ出すだって!?そんな事、出来る訳がないだろう!万が一成功したって、どうする!?僕達の集落の場所は知られてる、結局見せしめに滅ぼされるだけじゃないか!!」
ニックから口元を解放されたレクスは軽く咳き込むと、鋭く絞った声で彼を非難する。
レクスはここを逃げ出せたとしても、進む先は地獄しかないとニックに主張するが、その言葉は彼に鼻で笑われてしまっていた。
「お前こそ正気かよ?こんなやばい奴らが近所に巣食っちまった時点で、あの場所はもう駄目なのさ。ましてやそのやばい奴らの頭は、人間に協力的ときてる。従っても駄目、従わなくても駄目とくれば、もう尻尾を巻いて逃げ出すしかないだろ?」
レクスが話した絶望的な予測は、まだ楽観的だとニックは笑う。
彼は自分達の故郷の近くに、こんなやばい連中がやってきた時点で詰んでいたのだと話す。
その馬鹿にしたような口調は、その事にこんな状況になるまで気づかなかった自らを嘲笑っているようだった。
「それは・・・確かに、そうかもしれない」
ニックはもはや故郷に残った連中も連れて、一刻も早く逃げ出すべきだと語っている。
その言葉は彼らの絶望的な状況を語っていたが、それを否定する言葉をレクスは持ち合わせていなかった。
「だろ?それに見てみろよ」
「何を・・・ん?彼らは一体・・・?」
自らの意見に同意したレクスを助け起こしたニックは、彼にある方向を見るように促していた。
その指示に従って視線をそちらへと向けたレクスは、何やらこそこそと動いているゴブリン達の姿を目にする。
彼らは、レクス達とは別の部族のものだろう。
頻りに周りを窺っている彼らの姿は、確かに不自然さの塊だ。
しかし彼らのその動きに、わざわざ注目するほどの意味を見出せないレクスは、疑問の声だけを僅かに漏らしていた。
「あれは・・・まさかっ!?」
しかしそれも、彼らがこの広間から外へと抜け出そうとするのを目にするまでであった。
周りの目を頻りに窺っていた彼らは、ある時決意したように駆け出すと、そのままこの広間から出て行ってしまう。
「な、そう考えるのは俺だけじゃないって事だ・・・上の連中も、あの男の言葉に動揺している。それにあいつらのお陰で混乱も起きそうだ。いけそうだと思わないか?」
「た、確かに・・・」
見れば彼ら以外にも続々と、この広間を出て行こうとする者達の姿があった。
彼らの姿を眺めながら、それらには犠牲になってもらおうと話すニックは薄く笑みを作る。
恐ろしい連中の動揺と、これから起きるであろう混乱を利用して逃げ出そうと誘うニックに、レクスは生唾を飲み込むと静かに同意の頷きを返していた。
ニックから口元を解放されたレクスは軽く咳き込むと、鋭く絞った声で彼を非難する。
レクスはここを逃げ出せたとしても、進む先は地獄しかないとニックに主張するが、その言葉は彼に鼻で笑われてしまっていた。
「お前こそ正気かよ?こんなやばい奴らが近所に巣食っちまった時点で、あの場所はもう駄目なのさ。ましてやそのやばい奴らの頭は、人間に協力的ときてる。従っても駄目、従わなくても駄目とくれば、もう尻尾を巻いて逃げ出すしかないだろ?」
レクスが話した絶望的な予測は、まだ楽観的だとニックは笑う。
彼は自分達の故郷の近くに、こんなやばい連中がやってきた時点で詰んでいたのだと話す。
その馬鹿にしたような口調は、その事にこんな状況になるまで気づかなかった自らを嘲笑っているようだった。
「それは・・・確かに、そうかもしれない」
ニックはもはや故郷に残った連中も連れて、一刻も早く逃げ出すべきだと語っている。
その言葉は彼らの絶望的な状況を語っていたが、それを否定する言葉をレクスは持ち合わせていなかった。
「だろ?それに見てみろよ」
「何を・・・ん?彼らは一体・・・?」
自らの意見に同意したレクスを助け起こしたニックは、彼にある方向を見るように促していた。
その指示に従って視線をそちらへと向けたレクスは、何やらこそこそと動いているゴブリン達の姿を目にする。
彼らは、レクス達とは別の部族のものだろう。
頻りに周りを窺っている彼らの姿は、確かに不自然さの塊だ。
しかし彼らのその動きに、わざわざ注目するほどの意味を見出せないレクスは、疑問の声だけを僅かに漏らしていた。
「あれは・・・まさかっ!?」
しかしそれも、彼らがこの広間から外へと抜け出そうとするのを目にするまでであった。
周りの目を頻りに窺っていた彼らは、ある時決意したように駆け出すと、そのままこの広間から出て行ってしまう。
「な、そう考えるのは俺だけじゃないって事だ・・・上の連中も、あの男の言葉に動揺している。それにあいつらのお陰で混乱も起きそうだ。いけそうだと思わないか?」
「た、確かに・・・」
見れば彼ら以外にも続々と、この広間を出て行こうとする者達の姿があった。
彼らの姿を眺めながら、それらには犠牲になってもらおうと話すニックは薄く笑みを作る。
恐ろしい連中の動揺と、これから起きるであろう混乱を利用して逃げ出そうと誘うニックに、レクスは生唾を飲み込むと静かに同意の頷きを返していた。
0
あなたにおすすめの小説
レベルアップは異世界がおすすめ!
まったりー
ファンタジー
レベルの上がらない世界にダンジョンが出現し、誰もが装備や技術を鍛えて攻略していました。
そんな中、異世界ではレベルが上がることを記憶で知っていた主人公は、手芸スキルと言う生産スキルで異世界に行ける手段を作り、自分たちだけレベルを上げてダンジョンに挑むお話です。
ザコ魔法使いの僕がダンジョンで1人ぼっち!魔獣に襲われても石化した僕は無敵状態!経験値が溜まり続けて気づいた時には最強魔導士に!?
さかいおさむ
ファンタジー
戦士は【スキル】と呼ばれる能力を持っている。
僕はスキルレベル1のザコ魔法使いだ。
そんな僕がある日、ダンジョン攻略に向かう戦士団に入ることに……
パーティに置いていかれ僕は1人ダンジョンに取り残される。
全身ケガだらけでもう助からないだろう……
諦めたその時、手に入れた宝を装備すると無敵の石化状態に!?
頑張って攻撃してくる魔獣には申し訳ないがダメージは皆無。経験値だけが溜まっていく。
気づけば全魔法がレベル100!?
そろそろ反撃開始してもいいですか?
内気な最強魔法使いの僕が美女たちと冒険しながら人助け!
転生したら鎧だった〜リビングアーマーになったけど弱すぎるので、ダンジョンをさまよってパーツを集め最強を目指します
三門鉄狼
ファンタジー
目覚めると、リビングアーマーだった。
身体は鎧、中身はなし。しかもレベルは1で超弱い。
そんな状態でダンジョンに迷い込んでしまったから、なんとか生き残らないと!
これは、いつか英雄になるかもしれない、さまよう鎧の冒険譚。
※小説家になろう、カクヨム、待ラノ、ノベルアップ+、NOVEL DAYS、ラノベストリート、アルファポリス、ノベリズムで掲載しています。
女神を怒らせステータスを奪われた僕は、数値が1でも元気に過ごす。
まったりー
ファンタジー
人見知りのゲーム大好きな主人公は、5徹の影響で命を落としてしまい、そこに異世界の女神様が転生させてくれました。
しかし、主人公は人見知りで初対面の人とは話せず、女神様の声を怖いと言ってしまい怒らせてしまいました。
怒った女神様は、次の転生者に願いを託す為、主人公のステータスをその魂に譲渡し、主人公の数値は1となってしまいますが、それでも残ったスキル【穀物作成】を使い、村の仲間たちと元気に暮らすお話です。
【最強モブの努力無双】~ゲームで名前も登場しないようなモブに転生したオレ、一途な努力とゲーム知識で最強になる~
くーねるでぶる(戒め)
ファンタジー
アベル・ヴィアラットは、五歳の時、ベッドから転げ落ちてその拍子に前世の記憶を思い出した。
大人気ゲーム『ヒーローズ・ジャーニー』の世界に転生したアベルは、ゲームの知識を使って全男の子の憧れである“最強”になることを決意する。
そのために努力を続け、順調に強くなっていくアベル。
しかしこの世界にはゲームには無かった知識ばかり。
戦闘もただスキルをブッパすればいいだけのゲームとはまったく違っていた。
「面白いじゃん?」
アベルはめげることなく、辺境最強の父と優しい母に見守られてすくすくと成長していくのだった。
異世界帰りの勇者、今度は現代世界でスキル、魔法を使って、無双するスローライフを送ります!?〜ついでに世界も救います!?〜
沢田美
ファンタジー
かつて“異世界”で魔王を討伐し、八年にわたる冒険を終えた青年・ユキヒロ。
数々の死線を乗り越え、勇者として讃えられた彼が帰ってきたのは、元の日本――高校卒業すらしていない、現実世界だった。
高校生の俺、異世界転移していきなり追放されるが、じつは最強魔法使い。可愛い看板娘がいる宿屋に拾われたのでもう戻りません
下昴しん
ファンタジー
高校生のタクトは部活帰りに突然異世界へ転移してしまう。
横柄な態度の王から、魔法使いはいらんわ、城から出ていけと言われ、いきなり無職になったタクト。
偶然会った宿屋の店長トロに仕事をもらい、看板娘のマロンと一緒に宿と食堂を手伝うことに。
すると突然、客の兵士が暴れだし宿はメチャクチャになる。
兵士に殴り飛ばされるトロとマロン。
この世界の魔法は、生活で利用する程度の威力しかなく、とても弱い。
しかし──タクトの魔法は人並み外れて、無法者も脳筋男もひれ伏すほど強かった。
ある日、俺の部屋にダンジョンの入り口が!? こうなったら配信者で天下を取ってやろう!
さかいおさむ
ファンタジー
ダンジョンが出現し【冒険者】という職業が出来た日本。
冒険者は探索だけではなく、【配信者】としてダンジョンでの冒険を配信するようになる。
底辺サラリーマンのアキラもダンジョン配信者の大ファンだ。
そんなある日、彼の部屋にダンジョンの入り口が現れた。
部屋にダンジョンの入り口が出来るという奇跡のおかげで、アキラも配信者になる。
ダンジョン配信オタクの美人がプロデューサーになり、アキラのダンジョン配信は人気が出てくる。
『アキラちゃんねる』は配信収益で一攫千金を狙う!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる