ダンジョン経営から始める魔王討伐のすゝめ 追放された転生ダンジョンマスターが影から行う人類救済

斑目 ごたく

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シーサーペントとの激闘 4

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「アイリス、もういい!お前は逃げろ!!」
「きゃあ!?」

 クリスはシーサーペントが攻撃を躊躇っている理由に見当がつかず、とにかく今の内にその狙いから逃れようと動き始めている。
 アイリスの治療によって動ける状態にまで回復した彼は、彼女をまず一番に突き飛ばすと、その反対側へと飛び出していた。

「おい、てめぇ!あいつには手を出すな!狙うなら、俺を狙いやがれ!!」

 カイが広げた身体の外側へと飛び出したクリスは、こっちを狙えとシーサーペントを挑発している。
 彼は弾き飛ばされても手放さなかった剣を振るって、シーサーペントの注意を引こうとしているが、それの狙いがそちらに向いたのは単に、カイの身体の外へと逃れたからだろう。

『あ、おい!そっちに行ったら・・・くっ、こんのぉぉぉ!!!』

 少なくとも、自分の身体が盾として機能していることは理解したカイは、そこから逃れたクリスが危険だとすぐに察知していた。
 しかし彼の目の前には、突き飛ばされて尻餅をついているアイリスの姿もある。
 カイはそれらを同時に守るために、限界まで身体を薄くしていく。
 薄くなりすぎた身体に、内臓が押し潰されて痛みを訴えるが、その痛みも目の前で彼らを失うよりはましだと、彼は身体を伸ばし続けていた。

「はぁ?邪魔だって、どけよこのっ!」
『えっ!?ちょ、おまっ!止め、止めろぉ!!』

 カイの意図を理解していないクリスは、目の前に立ち塞がるその身体を邪魔だとばかりに叩き始める。
 それにクリスが剣の刃を使っていないのは、少なくともカイの事を味方だとは認識しているからか。
 ただでさえ無理をしている所に余計な刺激を加えられた事で、カイはその身体を激しくくねらせてしまっていた。

「はぁ。クリス、君は何を・・・」

 カイが彼らの盾となっている事を理解しているハロルドからすれば、クリスの行動がまったくを持って意味が分からないものであった。
 その振る舞いに呆れ、ハロルドは溜め息を吐いては頭を抱えている。
 視線の先で繰り広げられているくだらない争いに、彼は忘れてしまったのだろうか。
 まだ脅威が過ぎ去ってはいないという事を。

「っ!?しまっ―――」

 立ち塞がったカイのために攻撃できないクリス達と違い、離れた場所にいるハロルドには攻撃を躊躇うような理由はない。
 シーサーペントはその矛先を、ハロルドへと向けていた。
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