ダンジョン経営から始める魔王討伐のすゝめ 追放された転生ダンジョンマスターが影から行う人類救済

斑目 ごたく

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ダン・アダムスは夢を抱く 2

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「君はあの鉱山の復興が悲願なんだろう、自分でも言っていたじゃないか?そういうもののためなら、人は幾らでも非情になれる。君もそうなんじゃないか?」
「ち、違う!!断じて、そんな事はない!信じてくれ!!」

 語った夢こそが、彼を疑う理由となっている。
 向かおうとしていた鉱山復興こそが自らの悲願だと語ったアダムスに、だからこそ自分達を騙したのではないかと、スタンリーは疑いの目を向けていた。
 アダムスは必死にそれを否定しては、信じてくれとスタンリーに語りかけているが、これまでに起こった出来事ですっかり信用を失くしてしまったアダムスの言葉を、今更彼が信じる訳もないだろう。

「ふん、どうだかな!まぁいい、もう休憩は十分だろう?今は彼を早く安全な場所に運ばないとな」
「あ、あぁ・・・そうだな」

 結局、最後までアダムスへの疑いを解くことはなかったスタンリーは、それよりも今は怪我をして地面へと横たわっている男を、安全な場所まで運ぼうと急がせる。
 元々彼らがここで口論していたのも、その男を運んで逃げるのに疲労して、足を休めていた中での出来事であった。
 地面へと横たわっている男は意識を朦朧とさせて、なにやら苦しそうに呻いているが、すぐに治療しさえすれば命には別状はないだろう。
 釈然としないもの感じながらもそれに同意したアダムスは、彼の腕を肩へと回すとその身体を担ぎ上げ始めていた。

「村まで戻れば、回復魔法を使える人がいる筈だ。そこまでいけば大丈夫だろう」
「あんな田舎に・・・?高名な司祭でも派遣されているのか?」

 この世界の回復魔法の使い手といえば、まず最初に浮かぶのが教会の司祭や神父であろう。
 彼らは希少な回復魔法の使い手を独占しており、それを神の奇跡と称して民へと施している。
 それには勿論、多額の寄付や寄進といったものが必要となってくるが、それでもないよりはましであろう。
 アダムスが口にした回復魔法の使い手の存在に、スタンリーは当然の如く教会関係者のことを思い浮かべる。
 しかしアダムスが頭に思い浮かべていたのは、それとは別の存在であった。

「いや、彼女は教会の関係者では―――」
「あれ?アダムスさんじゃん。こんな所で、何やってるんだ?」

 彼が思い浮かべた人物は、教会関係者などと一緒にされればまず間違いなく怒り狂うだろう。
 そんな事態になる事を恐れて、それをしっかりと否定しておこうとしたアダムスの言葉は、どこかから響いた能天気な声によって遮られていた。
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