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第10話
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ジェノス視点
相変わらず馬鹿な国王と王子だと、俺は部屋の外で話を聞いていた。
いつ来るのだろうかと賢者様を待っていたのに式典が終わってからと、明らかに国王達が仕組んでいる。
こうなれば聖女を変えろと言われても式典を行った後だと言い張ることで、強引に変えなかっただろう。
そして――賢者様、魔法協会はローノック国に関与しないと聞いて、俺は焦る。
「魔法協会を舐めすぎだ……俺の負担がデカくなるじゃねぇか」
雇われている身としては、ローノック国なんてどうでもいいと思っている。
この国で一番強いからと兵士達は俺を慕っているが、影で平民如きと見下しているのは知っていた。
唖然としていると、賢者様が城の外に出そうになっている。
聞いておきたいことがあった俺は、賢者様を追いかけていた。
■◇■◇■◇■◇■
「――お久しぶりです」
賢者様を追いかけて――城を出て飛行魔法を使い空を飛ぶ直前に、俺は挨拶をする。
俺に気付いた賢者様は微笑み、そして真剣な表情に切り替わる。
「ジェノスか。君も災難だな」
「災難なのはこれからだと思いますけどね……賢者様としては、これからどうなると思いますか?」
この区域を担当している賢者様とは冒険者時代に関わったことがあり、仲良くしていた。
俺はこれからローノック国は平和でなくなる程度の考えだが、賢者様なら詳しく知っているはず。
今後どうなるかを尋ねると、賢者様は頷き。
「しばらくの間は平和だと思うが……私にも、何が起こるのか予想できん」
「……それは、何故です?」
「ローノック国は平和なことで有名だが、あまりにも平和過ぎる……最初はフィーレ様の力だと思っていたが、別の力も働いているようだ」
この国は元々モンスターの被害が少なく、住みやすい大国として有名だった。
フィーレ様が聖女になった辺りで少なかったモンスターの被害が更に少なくなり、陛下とマリウス王子は聖女は不必要だと考えるようになる。
「それはフィーレ様が聖女に選ばれる前から、不自然に平和だったことが関係しているのですか?」
「そうだ。この世界は何が起きてもおかしくないが、何か理由があるのではないかと考えている……まあ、もう協会には関係のないことだ」
魔法協会が関与しないから、調査も行わない。
もしローノック国が滅ぶのならそれまでで、魔法協会を国王が侮った末路とでもなるのだろう。
「私から言えることがあるとすれば……フィーレ様がこの国を守っていた力が失われていき、モンスターが活発になるのは間違いないだろう」
「平和過ぎたのが元に戻るだけですが……今まで平和だった分、反動がきそうですね」
この国の外れには人が入ってはならないとされる森があり、狂暴なモンスターが生息している。
フィーレ様が聖女になって以降モンスターは森から出なくなったようだけど、危険なことには変わりない。
恐らく森の外に出るとフィーレ様の力によって急激に弱くなっていたから、森から出るべきではないと本能が理解しているのだろう。
フィーレ様がいなくなった以上……森のモンスターが街を襲撃する可能性は高く、そこからマリウス達は焦るはずだ。
どうするべきか思案していると、賢者様が俺を眺めて話す。
「そろそろ行くが……ジェノス、君はどうする?」
「様子を見ますよ。ちょっと気になることもありますからね」
「……そうか」
少し気になっている様子の賢者様は、俺に理由を尋ねず飛行魔法で去って行く。
気になること――それは、フィーレ様の護衛をしていたリカルドにある。
「恐らくリカルドは、国内で聖女が変わった変化を確かめてからフィーレ様の判断に任せそうだ」
間違いなくこの国で一番強い俺……いや、もう二番目だろう。
フィーレ様の加護を得たリカルドの強さは常軌を逸していたが、あれでもまだ伸びしろがあった。
「フィーレ様の封印が解けた辺りで……リカルドがどれほど成長したか確認して、国を出てぇな」
誰もいなくなった城の外で、俺は呟く。
数年後、俺は成長したリカルドと再会して――驚くこととなっていた。
相変わらず馬鹿な国王と王子だと、俺は部屋の外で話を聞いていた。
いつ来るのだろうかと賢者様を待っていたのに式典が終わってからと、明らかに国王達が仕組んでいる。
こうなれば聖女を変えろと言われても式典を行った後だと言い張ることで、強引に変えなかっただろう。
そして――賢者様、魔法協会はローノック国に関与しないと聞いて、俺は焦る。
「魔法協会を舐めすぎだ……俺の負担がデカくなるじゃねぇか」
雇われている身としては、ローノック国なんてどうでもいいと思っている。
この国で一番強いからと兵士達は俺を慕っているが、影で平民如きと見下しているのは知っていた。
唖然としていると、賢者様が城の外に出そうになっている。
聞いておきたいことがあった俺は、賢者様を追いかけていた。
■◇■◇■◇■◇■
「――お久しぶりです」
賢者様を追いかけて――城を出て飛行魔法を使い空を飛ぶ直前に、俺は挨拶をする。
俺に気付いた賢者様は微笑み、そして真剣な表情に切り替わる。
「ジェノスか。君も災難だな」
「災難なのはこれからだと思いますけどね……賢者様としては、これからどうなると思いますか?」
この区域を担当している賢者様とは冒険者時代に関わったことがあり、仲良くしていた。
俺はこれからローノック国は平和でなくなる程度の考えだが、賢者様なら詳しく知っているはず。
今後どうなるかを尋ねると、賢者様は頷き。
「しばらくの間は平和だと思うが……私にも、何が起こるのか予想できん」
「……それは、何故です?」
「ローノック国は平和なことで有名だが、あまりにも平和過ぎる……最初はフィーレ様の力だと思っていたが、別の力も働いているようだ」
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フィーレ様が聖女になった辺りで少なかったモンスターの被害が更に少なくなり、陛下とマリウス王子は聖女は不必要だと考えるようになる。
「それはフィーレ様が聖女に選ばれる前から、不自然に平和だったことが関係しているのですか?」
「そうだ。この世界は何が起きてもおかしくないが、何か理由があるのではないかと考えている……まあ、もう協会には関係のないことだ」
魔法協会が関与しないから、調査も行わない。
もしローノック国が滅ぶのならそれまでで、魔法協会を国王が侮った末路とでもなるのだろう。
「私から言えることがあるとすれば……フィーレ様がこの国を守っていた力が失われていき、モンスターが活発になるのは間違いないだろう」
「平和過ぎたのが元に戻るだけですが……今まで平和だった分、反動がきそうですね」
この国の外れには人が入ってはならないとされる森があり、狂暴なモンスターが生息している。
フィーレ様が聖女になって以降モンスターは森から出なくなったようだけど、危険なことには変わりない。
恐らく森の外に出るとフィーレ様の力によって急激に弱くなっていたから、森から出るべきではないと本能が理解しているのだろう。
フィーレ様がいなくなった以上……森のモンスターが街を襲撃する可能性は高く、そこからマリウス達は焦るはずだ。
どうするべきか思案していると、賢者様が俺を眺めて話す。
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「フィーレ様の封印が解けた辺りで……リカルドがどれほど成長したか確認して、国を出てぇな」
誰もいなくなった城の外で、俺は呟く。
数年後、俺は成長したリカルドと再会して――驚くこととなっていた。
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