無能だと言われ続けた聖女は、自らを封印することにしました

天宮有

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第59話

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マリウス視点

 全ては聖女を変えたことが原因で、俺は後悔するしかない。
 聖女は誰でも同じだと考えていたが、魔法協会が選んだフィーレでなければならなかった。

 俺と父上が不要だと言い放ち、聖女をアビリコに変えた。
 焦っている中で、宰相が再びカオスに質問する。 

「……どうして、今なのですか?」

「どういう意味だ?」

「封印が解けたのは2年前だと推測できます……どうして貴方ほどの力を持った人が、2年もの間行動を起こさなかったのですか?」

 封印が解けて、モンスターが強くなって人々を襲っていた。
 その理由を知るために、宰相は無知を装うことで教わる形にしているのだろう。

 何か理由があるのなら、それが弱点になり得るかもしれない。
 あくまで自分が何も知らない弱者を装いながら、宰相がカオスに尋ねる。

「この国の人々が放つ負の感情を、俺の糧にできるよう準備していたからだ……完成したことでこの国土の者が負の感情を発すれば、直接俺の糧になっている」

 そしてカオスは、モンスターに指示を出す。
 国外に出ることもできず、これは負の感情を出すよう、カオスが国民を飼育しているかのようだ。

 カオスの話に唖然としている中、俺は父上の行動に気づく。
 陛下は腰に備えている剣を抜き、カオスの背後に回り込んでいた。

 どうやら兵士達を使い、会話の最中カオスを倒すつもりらしい。
 そして――その愚行が、陛下の最期となっていた。
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