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第1話
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「テリナ! 貴様は醜すぎる! 俺は貴様との婚約を破棄し、ラーミカを新たな婚約者とする!!」
婚約者のアシェル・アノーロが、パーティ会場の中央で私テリナに向かって宣言した。
宣言を聞いた私は何が起きたのか理解できず、戸惑いながらアシェルに尋ねる。
「醜すぎるって……そんな理由で、婚約破棄ができると思っているのですか?」
「思っている。貴様の悪評は学園でも噂になっているし、このままではアノーロ家の評判も落ちてしまうからな」
私が尋ねと、アシェルは平然としていた。
その隣で私を嘲笑していたラーミカが、呆れた様子で話す。
「まさかテリナ様は、学園内でどれだけ評判が悪いかご存じないのですか? テリナ様と関わると太ってしまうという噂は有名ですよ」
今の私の見た目は明らかに太っている体型と顔で、魔法の実力はあるけど醜い令嬢と陰で呼ばれていた。
その悪口のせいか、私と関わるだけで太ってしまうと噂になっている。
私が何も関係ないことはわかっているから、ラーミカとアシェルに話す。
「そんなことはありえません。それに――私がこの見た目になっているのは、アシェル様のせいです!」
明らかに嘘としか思えない噂話は私も聞いていて、思い返しても苛立ってしまう。
私が周囲から醜いと思われる程の見た目をしているのは、アシェルに渡された魔法薬のせいだ。
私はアシェルから「見た目を変えて醜くなれ」と命令されて、魔法薬を飲まされてしまう。
その効力によって見た目が変わっていることを、パーティ会場で話すことにした。
私の発言が予想外だったのか、アシェルは動揺して叫ぶ。
「はぁぁっ!? テリナは何を言っている!?」
「私がこの見た目なのは、アシェル様が魔法学園に入学する前「魔法の実力から有名になって、男に声をかけられないようにしろ」と、アシェル様が私に飲むよう命令した魔法薬の効力です」
このことは秘密と言われていたけど、この状況では隠す気にもならない。
明らかに動揺しているアシェルの姿が証拠のようなものだけど、ラーミカが話す。
「見苦しいですね。見た目も醜いのに心まで醜いだなんて、テリナ様はどうしようもないですわ」
「なんですって!?」
「怒ると余計に醜くなりますよ……ここまで醜いのなら、婚約破棄をされて当然でしょう」
「そ、そうだ! テリナがいきなり虚言を吐くから動揺してしまった! 俺はそんな魔法薬を飲ませていない!!」
「えぇっ!?」
アシェルが嘘をついたことで、私は動揺して叫んでしまう。
この場で証明できる証拠がないから、私が何を言っても意味はない。
私は伯爵家の令嬢で、アシェルは公爵家の令息、ラーミカは侯爵家の令嬢だ。
立場的に私を支持する人はいない気がして――1人だけいるけど、今日はパーティに参加しないと聞いている。
証拠がないから言い返せないでいると、アシェルが笑みを浮かべていた。
「ラーミカの言う通りだ。ここまで醜く悪評が立っているのなら、テリナと婚約破棄するのは当然だろう!」
アシェルは私を馬鹿にして笑うけど、慰謝料は払うことになる。
恐らくその鬱憤を晴らしたいから、この場で婚約破棄を見世物にしたかったのかもしれない。
そんなアシェルに呆れながら、私は冷静になって話す。
「わかりました。当然ですが慰謝料は払って貰います」
「ぐっっ……最後まで醜い奴だ!」
私が冷静に話したことで、アシェルは苦い顔をしながら叫ぶ。
この姿は偽りの自分だから、見た目のことを言われても気にすることはない。
とにかくこれで――私は、元の見た目に戻っても構わないはずだ。
アシェルとラーミカは元に戻れないと考えていそうだけど、元に戻るための準備はしている。
醜くなれと命令しておいて婚約破棄するのなら――私は、元の姿に戻るだけです。
婚約者のアシェル・アノーロが、パーティ会場の中央で私テリナに向かって宣言した。
宣言を聞いた私は何が起きたのか理解できず、戸惑いながらアシェルに尋ねる。
「醜すぎるって……そんな理由で、婚約破棄ができると思っているのですか?」
「思っている。貴様の悪評は学園でも噂になっているし、このままではアノーロ家の評判も落ちてしまうからな」
私が尋ねと、アシェルは平然としていた。
その隣で私を嘲笑していたラーミカが、呆れた様子で話す。
「まさかテリナ様は、学園内でどれだけ評判が悪いかご存じないのですか? テリナ様と関わると太ってしまうという噂は有名ですよ」
今の私の見た目は明らかに太っている体型と顔で、魔法の実力はあるけど醜い令嬢と陰で呼ばれていた。
その悪口のせいか、私と関わるだけで太ってしまうと噂になっている。
私が何も関係ないことはわかっているから、ラーミカとアシェルに話す。
「そんなことはありえません。それに――私がこの見た目になっているのは、アシェル様のせいです!」
明らかに嘘としか思えない噂話は私も聞いていて、思い返しても苛立ってしまう。
私が周囲から醜いと思われる程の見た目をしているのは、アシェルに渡された魔法薬のせいだ。
私はアシェルから「見た目を変えて醜くなれ」と命令されて、魔法薬を飲まされてしまう。
その効力によって見た目が変わっていることを、パーティ会場で話すことにした。
私の発言が予想外だったのか、アシェルは動揺して叫ぶ。
「はぁぁっ!? テリナは何を言っている!?」
「私がこの見た目なのは、アシェル様が魔法学園に入学する前「魔法の実力から有名になって、男に声をかけられないようにしろ」と、アシェル様が私に飲むよう命令した魔法薬の効力です」
このことは秘密と言われていたけど、この状況では隠す気にもならない。
明らかに動揺しているアシェルの姿が証拠のようなものだけど、ラーミカが話す。
「見苦しいですね。見た目も醜いのに心まで醜いだなんて、テリナ様はどうしようもないですわ」
「なんですって!?」
「怒ると余計に醜くなりますよ……ここまで醜いのなら、婚約破棄をされて当然でしょう」
「そ、そうだ! テリナがいきなり虚言を吐くから動揺してしまった! 俺はそんな魔法薬を飲ませていない!!」
「えぇっ!?」
アシェルが嘘をついたことで、私は動揺して叫んでしまう。
この場で証明できる証拠がないから、私が何を言っても意味はない。
私は伯爵家の令嬢で、アシェルは公爵家の令息、ラーミカは侯爵家の令嬢だ。
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「ラーミカの言う通りだ。ここまで醜く悪評が立っているのなら、テリナと婚約破棄するのは当然だろう!」
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恐らくその鬱憤を晴らしたいから、この場で婚約破棄を見世物にしたかったのかもしれない。
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「わかりました。当然ですが慰謝料は払って貰います」
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とにかくこれで――私は、元の見た目に戻っても構わないはずだ。
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