平民を好きになった婚約者は、私を捨てて破滅するようです

天宮有

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第14話

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 数日後――私はアイン様に案内された場所に向かい、負傷した人達を回復魔法で治していく。

 その後、大地の魔力に干渉することで……モンスターの力を弱めて、人々を強化していた。
 これは本来聖女の力がないとできないから、範囲は狭く不完全のようだ。

 それでも感謝されていたと――帰りの馬車で、私は数日間の出来事を思い返す。

 馬車の中、私の正面にはアイン様と、同行してくれたラドアお兄様がいる。
 今日はアイン様に言われた通り行動して、これは私が望んだことだ。

「私は聖女ではありませんけど……あの魔法で、よかったのでしょうか?」

「ああ。聖女でなくともセリスの魔力が膨大だから可能だった……それでも、国全体を救うことはできないがな」

「助けた場所から察するに……アイン様は、一部の貴族とは関わらないようにしているのですね」

 お兄様が尋ねて、私は少し驚いていた。
 どうやら私を見下した貴族や、ヴィーオ家に関係している場所には関与しないようだ。

「領民は悪くないが我慢してもらう……周囲との違いを知れば、ヴィーオ家に問題があると理解するだろう」

 そうすれば領地を捨てたり暴動を起こす可能性があり、ヴィーオ家が困ることになる。

 それを王家や私を見下していた貴族達にも行っていき――数日が経ち、効果は相当出ているようだった。
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