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第33話
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魔法道具によって魔法を極めたローナの攻撃を、アイン様が防ぐ。
「所詮は魔法道具によって無理矢理極めたもの……俺には敵わなかったようだな」
「そんな、あれだけ酷い目に合ったのに! どうして貴方達は生きてるのよ!?」
アイン様の発言を聞いて、ローナが取り乱す。
2人の会話を聞いて……私は、全てを理解した。
――魔法を極めた際、膨大な魔力を得ることができる。
それをアイン様が知っていた理由は……アイン様が、魔法を極めていたからだ。
「今までアイン様は……膨大な魔力を隠していたということですか」
私と同じ考えをしたラドアお兄様が呟き、アイン様が頷く。
「そうだ……侯爵令息といえど、理由がなければ化物としか思われない魔力だったから、俺は隠すことにしていた」
そう言ってアイン様は、体内の隠していた魔力を呼び覚ます。
ローナよりも明らかに強く、自然に魔法を極めると、ここまで強くなれることに驚くしかない。
「何をしているローナ!? 俺の為に動くのだろう!?」
「うぅっ……ジェイク様! 逃げてください!」
「なっっ……!?」
ジェイクの為に動くことしか考えられないローナは、逃げるよう叫んでいる。
それしか手がないようで、現実を受け入れられないのかジェイクは立ち止まったままだ。
「俺は膨大な力を持ち、蔑まれても人々の為に動くセリスを尊敬していた」
アイン様が私の味方になってくれた本当の理由は、そこなのかもしれない。
膨大な力を持って避けられることを恐れたようで、私を助けたくなったのでしょう。
そして人々を助けようとした私の行動を聞いて、力になると決意したようだ。
「俺は――外法で力を得たローナ、外法を授けたジェイクを許せない」
「ま、待て! 俺は父上の命令に従っていただけなんだ。許して――」
ジェイクの発言より速く――アイン様は手の平から閃光の魔法を放ち、それがローナとジェイクに直撃する。
ローナ、そして必死に命乞いをしていたジェイクは、完全に消滅していた。
「所詮は魔法道具によって無理矢理極めたもの……俺には敵わなかったようだな」
「そんな、あれだけ酷い目に合ったのに! どうして貴方達は生きてるのよ!?」
アイン様の発言を聞いて、ローナが取り乱す。
2人の会話を聞いて……私は、全てを理解した。
――魔法を極めた際、膨大な魔力を得ることができる。
それをアイン様が知っていた理由は……アイン様が、魔法を極めていたからだ。
「今までアイン様は……膨大な魔力を隠していたということですか」
私と同じ考えをしたラドアお兄様が呟き、アイン様が頷く。
「そうだ……侯爵令息といえど、理由がなければ化物としか思われない魔力だったから、俺は隠すことにしていた」
そう言ってアイン様は、体内の隠していた魔力を呼び覚ます。
ローナよりも明らかに強く、自然に魔法を極めると、ここまで強くなれることに驚くしかない。
「何をしているローナ!? 俺の為に動くのだろう!?」
「うぅっ……ジェイク様! 逃げてください!」
「なっっ……!?」
ジェイクの為に動くことしか考えられないローナは、逃げるよう叫んでいる。
それしか手がないようで、現実を受け入れられないのかジェイクは立ち止まったままだ。
「俺は膨大な力を持ち、蔑まれても人々の為に動くセリスを尊敬していた」
アイン様が私の味方になってくれた本当の理由は、そこなのかもしれない。
膨大な力を持って避けられることを恐れたようで、私を助けたくなったのでしょう。
そして人々を助けようとした私の行動を聞いて、力になると決意したようだ。
「俺は――外法で力を得たローナ、外法を授けたジェイクを許せない」
「ま、待て! 俺は父上の命令に従っていただけなんだ。許して――」
ジェイクの発言より速く――アイン様は手の平から閃光の魔法を放ち、それがローナとジェイクに直撃する。
ローナ、そして必死に命乞いをしていたジェイクは、完全に消滅していた。
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