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第7話
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私がロザルラ公爵家の屋敷で暮らすようになり、1ヶ月が経とうとしていた。
今の時点ではクラウスに魔法を教えているだけの生活を送っているけど、成績が上がっているから十分らしい。
ロザルラ公爵家の人達にも褒められて、ルドレスト子爵家にいた頃とは大違いだ。
今日で2学期が終わったようで、屋敷に戻って来たクラウスが部屋に来る。
編入してない今は暇だけど、来月の3学期から私は魔法学園に通えそうだ。
クラウスは椅子に座り、対面している私に話す。
「ザオードはリシアと婚約した。試験の結果は今までより遥かに悪く、3学期の成績次第で退学になりそうだ」
「リシアは、今のザオードでも婚約する気になったのですか」
リシアがザオードを好きなのは、間違いなさそうだ。
相手が伯爵令息というのもありそうだけど、ザオードが魔法学園を退学した時はどうするのだろうか?
どうでもいいことを考えてしまい、クラウスの話が続く。
「それよりも新学期から、マリーの編入が決まった」
「当然です。試験を受けましたけど、何も問題ありませんでしたからね」
先生としても、ザオードの成績の悪さから私が関係していたと考えている。
そこから本来の実力を発揮すると、今までザオードに命令されて実力を隠していたと先生達は察したようだ。
「マリーを推薦した俺の成績が、この1ヶ月で上がっているのもありそうだ……俺の成績が上がっても、ザオードは怪しむことはなかったよ」
「ザオードは自分のことばかり考えているから、クラウスの成績が上がっている理由を考えることができないのでしょう」
私が編入した後に、ザオードは全てを知ることになるはず。
その時に後悔しても無意味で――精神的に追い詰めれば、ザオードは魔法を失敗しそうだ。
今の時点ではクラウスに魔法を教えているだけの生活を送っているけど、成績が上がっているから十分らしい。
ロザルラ公爵家の人達にも褒められて、ルドレスト子爵家にいた頃とは大違いだ。
今日で2学期が終わったようで、屋敷に戻って来たクラウスが部屋に来る。
編入してない今は暇だけど、来月の3学期から私は魔法学園に通えそうだ。
クラウスは椅子に座り、対面している私に話す。
「ザオードはリシアと婚約した。試験の結果は今までより遥かに悪く、3学期の成績次第で退学になりそうだ」
「リシアは、今のザオードでも婚約する気になったのですか」
リシアがザオードを好きなのは、間違いなさそうだ。
相手が伯爵令息というのもありそうだけど、ザオードが魔法学園を退学した時はどうするのだろうか?
どうでもいいことを考えてしまい、クラウスの話が続く。
「それよりも新学期から、マリーの編入が決まった」
「当然です。試験を受けましたけど、何も問題ありませんでしたからね」
先生としても、ザオードの成績の悪さから私が関係していたと考えている。
そこから本来の実力を発揮すると、今までザオードに命令されて実力を隠していたと先生達は察したようだ。
「マリーを推薦した俺の成績が、この1ヶ月で上がっているのもありそうだ……俺の成績が上がっても、ザオードは怪しむことはなかったよ」
「ザオードは自分のことばかり考えているから、クラウスの成績が上がっている理由を考えることができないのでしょう」
私が編入した後に、ザオードは全てを知ることになるはず。
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