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第8話
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ギドロス視点
俺がエリカと離婚してから、2週間が経っている。
手続きが全て終わり、俺はリルサと婚約することができていた。
学園を卒業した時に結婚することにして、公表もされている。
そこまでは順調だが、問題が発生してしまう。
なぜか俺がエリカと離婚した理由が、国中に広まっているようだ。
「浮気した上に、妻エリカに魅力がないと言ったギドロスか……どうして、こんな噂が広まっているんだ?」
これはリルサと婚約を公表する前から広まり、その後に俺はリルサとの婚約を公表した。
浮気したと思われるのは当然で、評判が下がっていることに俺は焦るしかない。
「恐らくエリカ様が広めたのでしょう。広めた後に私と婚約してますし、事実なので否定もできません」
「うっっ……」
「それよりも気になることがあります。ギドロス様に確認したいことがあるのですが、よろしいですか?」
「な、なんだい?」
「今までの功績は、ギドロス様一人の功績ではなくエリカ様一人が戦っていた……この噂も広まっているのですが、本当なのでしょうか?」
事実だが、もし本当と言えばリルサは俺の元から離れるかもしれない。
それだけは絶対に嫌で、俺は嘘をつくことにした。
「それはエリカの嘘だよ。俺を貶めるために言っているだけさ」
「本当ですか?」
「……俺一人というのは違うかもしれない。エリカが協力してくれたこともあったかな」
実際は逆で、全てエリカの活躍で俺が少し手伝ったこともあるだけだ。
邪魔そうに見られていた気もするが、活躍できたと俺は考えている。
追求されて動揺してしまうが、俺の発言にリルサは納得したようだ。
「なるほど。それなら今後もギドロス様一人で戦うことになっても問題ありませんね」
「……それは、どういうことだい?」
リルサの発言に、俺は戸惑うしかない。
優秀な魔法使いなのだから、夫のために一緒に戦うべきだろう。
それなのに俺一人に戦わせようとしているようで、理解ができない。
尋ねると、リルサの発言に俺は驚愕することとなる。
「婚約が決まったので言いますが、私は戦いたくありません。ギドロス様一人で戦場へ行ってください」
「戦いたくない? 学園で優等生なのに、どうしてそうなる?」
「私が優等生なのは魔法の技術と知識によるものです。実戦が嫌で頑張り、一人で活躍するギドロス様の妻になることで戦いを避けるつもりです」
「なっっ……本気で言っているのかい!?」
「それ以外にギドロス様と結婚する理由はないでしょう。これからは私のために戦ってくださいね」
リルサは本気のようで、俺は真実を話すことができない。
それでも真実を知られるのは時間の問題だと、俺は焦ってしまう。
これから更にリルサと仲良くなり、一緒に戦いたいと思われるしかない。
好かれればリルサの考えが変わるはずだと、この時の俺は信じたかった。
俺がエリカと離婚してから、2週間が経っている。
手続きが全て終わり、俺はリルサと婚約することができていた。
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そこまでは順調だが、問題が発生してしまう。
なぜか俺がエリカと離婚した理由が、国中に広まっているようだ。
「浮気した上に、妻エリカに魅力がないと言ったギドロスか……どうして、こんな噂が広まっているんだ?」
これはリルサと婚約を公表する前から広まり、その後に俺はリルサとの婚約を公表した。
浮気したと思われるのは当然で、評判が下がっていることに俺は焦るしかない。
「恐らくエリカ様が広めたのでしょう。広めた後に私と婚約してますし、事実なので否定もできません」
「うっっ……」
「それよりも気になることがあります。ギドロス様に確認したいことがあるのですが、よろしいですか?」
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「今までの功績は、ギドロス様一人の功績ではなくエリカ様一人が戦っていた……この噂も広まっているのですが、本当なのでしょうか?」
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それだけは絶対に嫌で、俺は嘘をつくことにした。
「それはエリカの嘘だよ。俺を貶めるために言っているだけさ」
「本当ですか?」
「……俺一人というのは違うかもしれない。エリカが協力してくれたこともあったかな」
実際は逆で、全てエリカの活躍で俺が少し手伝ったこともあるだけだ。
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追求されて動揺してしまうが、俺の発言にリルサは納得したようだ。
「なるほど。それなら今後もギドロス様一人で戦うことになっても問題ありませんね」
「……それは、どういうことだい?」
リルサの発言に、俺は戸惑うしかない。
優秀な魔法使いなのだから、夫のために一緒に戦うべきだろう。
それなのに俺一人に戦わせようとしているようで、理解ができない。
尋ねると、リルサの発言に俺は驚愕することとなる。
「婚約が決まったので言いますが、私は戦いたくありません。ギドロス様一人で戦場へ行ってください」
「戦いたくない? 学園で優等生なのに、どうしてそうなる?」
「私が優等生なのは魔法の技術と知識によるものです。実戦が嫌で頑張り、一人で活躍するギドロス様の妻になることで戦いを避けるつもりです」
「なっっ……本気で言っているのかい!?」
「それ以外にギドロス様と結婚する理由はないでしょう。これからは私のために戦ってくださいね」
リルサは本気のようで、俺は真実を話すことができない。
それでも真実を知られるのは時間の問題だと、俺は焦ってしまう。
これから更にリルサと仲良くなり、一緒に戦いたいと思われるしかない。
好かれればリルサの考えが変わるはずだと、この時の俺は信じたかった。
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