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第5話
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意識を失って私が目覚めると、数年前の私だった。
ジトアが言っていた通りの時間が戻ったようで、私は安堵している。
どうやら部屋で眠りから覚めたと同時に、私は色んな意味で目覚めたようだ。
未来から来たと話しても、ジトア以外は誰も信じようとしないに決まっている。
そんなことを考えていると、メリタが持っていたらしい預言書を思い出す。
「それなら……メリタの家に代々伝わる預言書も、時間を戻す魔法が関係あるのかも?」
ジトアが時間を戻せたのだから、時間を戻した人がいるのだろうか?
それでも世界規模で凄い魔法使いのジトアでも、数年しか戻せていない。
代々伝わると言っていたことから、情報だけ過去に伝えたのだろうか。
「それに関しては、考えても仕方ないでしょう」
とにかく今の私は、やりたいことがある。
魔力があって魔法が問題なく扱えることに、安堵するしかない。
ジトアの時間が戻れたのか、確認しておきたい。
そして私は、バハムスとの婚約を破棄しようとしていた。
■◇■◇■◇■◇■
数日が経ち、私は屋敷の応接室でジトアと話をしている。
2人きりだから、未来のことも話せていた。
「ジトアも問題なく時間が戻っていて、よかったです」
「私も安堵しています……これから、どうしますか?」
「そうですね――ー」
お父様に頼むと、婚約を破棄することはできた。
そしてジトアと私のお父様同士で話し合うことで、ジトアが新しい婚約者になろうとしている。
これが一番幸せだと考えていた時、ノックの音が聞こえて会話を止めた。
「――失礼します。バハムス殿下がお越しになられて、話したいことがあるようです」
執事の発言を聞き、私はジトアに尋ねる。
「学園で理由は話しましたけど、どうしましょう?」
「魔法道具で発言を記録できますし、この場で話しておきましょう」
ジトアの発言を聞いて、私は執事に応接室に来て欲しいと伝えた。
やって来たバハムスはメリタも一緒だったようで、ソファーに座りテーブル越しに私達は対面している。
バハムスはジトアがいることに驚きながら、私を睨んで叫ぶ。
「ルーミエ! 俺との婚約を破棄するとはどういうことだ!?」
私はお父様に頼み込み、バハムスとの婚約を破棄した。
理由を話せば、私を溺愛しているお父様は納得してくれる。
その理由は陛下も聞くしかなかったようで、学園でも話した理由を伝えた。
「どういうことって……この前に起きた災害の対処を、バハムス殿下は全て私に押しつけたではありませんか」
「なっっ!? そんなことで、俺との婚約を破棄するのか!?」
「当たり前でしょう。普通の魔法使いなら命の危機、公爵家の令嬢に命令することではありません」
普通に考えて、バハムスの命令が無茶苦茶だった。
それを理由にすれば、誰でも婚約破棄を納得してくれる。
時間が戻る前の私は魔法の実力が高すぎて、問題なく解決していたから気にしていなかった。
それでも真相を知った今――私は、バハムスとの婚約を破棄します。
ジトアが言っていた通りの時間が戻ったようで、私は安堵している。
どうやら部屋で眠りから覚めたと同時に、私は色んな意味で目覚めたようだ。
未来から来たと話しても、ジトア以外は誰も信じようとしないに決まっている。
そんなことを考えていると、メリタが持っていたらしい預言書を思い出す。
「それなら……メリタの家に代々伝わる預言書も、時間を戻す魔法が関係あるのかも?」
ジトアが時間を戻せたのだから、時間を戻した人がいるのだろうか?
それでも世界規模で凄い魔法使いのジトアでも、数年しか戻せていない。
代々伝わると言っていたことから、情報だけ過去に伝えたのだろうか。
「それに関しては、考えても仕方ないでしょう」
とにかく今の私は、やりたいことがある。
魔力があって魔法が問題なく扱えることに、安堵するしかない。
ジトアの時間が戻れたのか、確認しておきたい。
そして私は、バハムスとの婚約を破棄しようとしていた。
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数日が経ち、私は屋敷の応接室でジトアと話をしている。
2人きりだから、未来のことも話せていた。
「ジトアも問題なく時間が戻っていて、よかったです」
「私も安堵しています……これから、どうしますか?」
「そうですね――ー」
お父様に頼むと、婚約を破棄することはできた。
そしてジトアと私のお父様同士で話し合うことで、ジトアが新しい婚約者になろうとしている。
これが一番幸せだと考えていた時、ノックの音が聞こえて会話を止めた。
「――失礼します。バハムス殿下がお越しになられて、話したいことがあるようです」
執事の発言を聞き、私はジトアに尋ねる。
「学園で理由は話しましたけど、どうしましょう?」
「魔法道具で発言を記録できますし、この場で話しておきましょう」
ジトアの発言を聞いて、私は執事に応接室に来て欲しいと伝えた。
やって来たバハムスはメリタも一緒だったようで、ソファーに座りテーブル越しに私達は対面している。
バハムスはジトアがいることに驚きながら、私を睨んで叫ぶ。
「ルーミエ! 俺との婚約を破棄するとはどういうことだ!?」
私はお父様に頼み込み、バハムスとの婚約を破棄した。
理由を話せば、私を溺愛しているお父様は納得してくれる。
その理由は陛下も聞くしかなかったようで、学園でも話した理由を伝えた。
「どういうことって……この前に起きた災害の対処を、バハムス殿下は全て私に押しつけたではありませんか」
「なっっ!? そんなことで、俺との婚約を破棄するのか!?」
「当たり前でしょう。普通の魔法使いなら命の危機、公爵家の令嬢に命令することではありません」
普通に考えて、バハムスの命令が無茶苦茶だった。
それを理由にすれば、誰でも婚約破棄を納得してくれる。
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それでも真相を知った今――私は、バハムスとの婚約を破棄します。
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