幼馴染が夫を奪った後に時間が戻ったので、婚約を破棄します

第４１話

　夜になって、ジトアは屋敷から去っている。
　今日の話を思い返して、私は部屋でこれからのことを考えていた。

「魔族を倒せず逃げられたことで、これから大変なことになるかもしれません」

　それを知っているのは、私とジトア。
　そして預言書を持っているメリタとバハムスだけのはず。

「メリタとバハムスに関しては、今回の出来事で全て解決したと思っていそう」

　預言書には、魔族の襲撃が起こるとしか書かれていないはずだ。

　魔族達が再び襲撃するというのは、未来を知っている私達の推測でしかない。
　預言書の内容を信じているのなら、再度攻め込むことはないとメリタとバハムスは考えそうだ。

「ジトア様と私が、気にしすぎの可能性もありますが……最悪の場合、ルゴアス国が滅びます」

　ルゴアス国が滅ぶと、私の環境が変わってしまう。
　それは避けたいと思っているから、国王に報告しておきたい。

　預言書で未来を知っているメリタとバハムスは、私達の発言を信じるだろうか？
　国王に報告する前に、学園で聞いておきたい。

「撤退したから問題を解決しているとバハムス達が考えているのか、一度確認しておきましょう」

　もう関わりたくないけど、邪魔をしてくるかもしれない。
　確認するため、私はバハムス達に聞くことにしていた。