18 / 19
第18話
しおりを挟む
今、私の目の前には――檻がある。
レインの協力もあって檻に到着し、私とレインはベネサと対面していた。
「看守の人達は、私の隣にいるレインの魔法で意識を失っています」
檻の中で憔悴しているベネサに、私は話しかける。
そして――ベネサはレインを眺めてから、私を睨んで叫ぶ。
「っっっ……そっ、そこの人が、貴方を助けたというのですか!?」
「貴方には何も話す気はないわ。最後に、この場所で貴方を見たかっただけよ」
時間を戻し、レインの協力で立場が逆転した。
処刑される日時は、私の時間が戻ってから1年後だった。
これは前の時間通りで――処刑される人間が、私からベネサに変わっている。
「ぅぅっっ!? まだ貴方には何もしていなかったのに、どうして私を処刑しようとするのですか!?」
あの時のベネサと違い、私は真相を話す気はなかった。
それでも――これだけは、ベネサに言っておきたい。
「私には何もしていなかったけど、貴方は他者を魔法で操った。処刑されるのは自業自得です」
「そんなっ!? 貴方のせいで、ダーロス殿下は家を追い出されて行方不明になったのですよ!?」
「もう殿下ではありません。それも自業自得です」
私はレインから、ダーロスの結末を聞いていた。
ベネサの協力者だと判明したダーロスは、国王から勘当を言い渡されている。
そして――ベネサのせいで迷惑した貴族の人は、平民になるだけでは許せなかったようだ。
元婚約者の末路を聞いても、ベネサの協力者になったせいだと思うしかない。
言いたいことを言った私は、レインと一緒に檻から去っていた。
レインの協力もあって檻に到着し、私とレインはベネサと対面していた。
「看守の人達は、私の隣にいるレインの魔法で意識を失っています」
檻の中で憔悴しているベネサに、私は話しかける。
そして――ベネサはレインを眺めてから、私を睨んで叫ぶ。
「っっっ……そっ、そこの人が、貴方を助けたというのですか!?」
「貴方には何も話す気はないわ。最後に、この場所で貴方を見たかっただけよ」
時間を戻し、レインの協力で立場が逆転した。
処刑される日時は、私の時間が戻ってから1年後だった。
これは前の時間通りで――処刑される人間が、私からベネサに変わっている。
「ぅぅっっ!? まだ貴方には何もしていなかったのに、どうして私を処刑しようとするのですか!?」
あの時のベネサと違い、私は真相を話す気はなかった。
それでも――これだけは、ベネサに言っておきたい。
「私には何もしていなかったけど、貴方は他者を魔法で操った。処刑されるのは自業自得です」
「そんなっ!? 貴方のせいで、ダーロス殿下は家を追い出されて行方不明になったのですよ!?」
「もう殿下ではありません。それも自業自得です」
私はレインから、ダーロスの結末を聞いていた。
ベネサの協力者だと判明したダーロスは、国王から勘当を言い渡されている。
そして――ベネサのせいで迷惑した貴族の人は、平民になるだけでは許せなかったようだ。
元婚約者の末路を聞いても、ベネサの協力者になったせいだと思うしかない。
言いたいことを言った私は、レインと一緒に檻から去っていた。
6
あなたにおすすめの小説
侯爵令嬢はデビュタントで婚約破棄され報復を決意する。
克全
恋愛
「カクヨム」と「小説家になろう」にも投稿しています。
第13回恋愛小説大賞に参加しています。応援投票・応援お気に入り登録お願いします。
王太子と婚約させられていた侯爵家令嬢アルフィンは、事もあろうに社交界デビューのデビュタントで、真実の愛を見つけたという王太子から婚約破棄を言い渡された。
本来自分が主役であるはずの、一生に一度の晴れの舞台で、大恥をかかされてしまった。
自分の誇りのためにも、家の名誉のためにも、報復を誓うのであった。
ついで姫の本気
ちくわぶ(まるどらむぎ)
恋愛
国の間で二組の婚約が結ばれた。
一方は王太子と王女の婚約。
もう一方は王太子の親友の高位貴族と王女と仲の良い下位貴族の娘のもので……。
綺麗な話を書いていた反動でできたお話なので救いなし。
ハッピーな終わり方ではありません(多分)。
※4/7 完結しました。
ざまぁのみの暗い話の予定でしたが、読者様に励まされ闇精神が復活。
救いのあるラストになっております。
短いです。全三話くらいの予定です。
↑3/31 見通しが甘くてすみません。ちょっとだけのびます。
4/6 9話目 わかりにくいと思われる部分に少し文を加えました。
婚約破棄に全力感謝
あーもんど
恋愛
主人公の公爵家長女のルーナ・マルティネスはあるパーティーで婚約者の王太子殿下に婚約破棄と国外追放を言い渡されてしまう。でも、ルーナ自身は全く気にしてない様子....いや、むしろ大喜び!
婚約破棄?国外追放?喜んでお受けします。だって、もうこれで国のために“力”を使わなくて済むもの。
実はルーナは世界最強の魔導師で!?
ルーナが居なくなったことにより、国は滅びの一途を辿る!
「滅び行く国を遠目から眺めるのは大変面白いですね」
※色々な人達の目線から話は進んでいきます。
※HOT&恋愛&人気ランキング一位ありがとうございます(2019 9/18)
虚言癖の友人を娶るなら、お覚悟くださいね。
音爽(ネソウ)
恋愛
伯爵令嬢と平民娘の純粋だった友情は次第に歪み始めて……
大ぼら吹きの男と虚言癖がひどい女の末路
(よくある話です)
*久しぶりにHOTランキグに入りました。読んでくださった皆様ありがとうございます。
メガホン応援に感謝です。
(完)なにも死ぬことないでしょう?
青空一夏
恋愛
ジュリエットはイリスィオス・ケビン公爵に一目惚れされて子爵家から嫁いできた美しい娘。イリスィオスは初めこそ優しかったものの、二人の愛人を離れに住まわせるようになった。
悩むジュリエットは悲しみのあまり湖に身を投げて死のうとしたが死にきれず昏睡状態になる。前世を昏睡状態で思い出したジュリエットは自分が日本という国で生きていたことを思い出す。還暦手前まで生きた記憶が不意に蘇ったのだ。
若い頃はいろいろな趣味を持ち、男性からもモテた彼女の名は真理。結婚もし子供も産み、いろいろな経験もしてきた真理は知っている。
『亭主、元気で留守がいい』ということを。
だったらこの状況って超ラッキーだわ♪ イケてるおばさん真理(外見は20代前半のジュリエット)がくりひろげるはちゃめちゃコメディー。
ゆるふわ設定ご都合主義。気分転換にどうぞ。初めはシリアス?ですが、途中からコメディーになります。中世ヨーロッパ風ですが和のテイストも混じり合う異世界。
昭和の懐かしい世界が広がります。懐かしい言葉あり。解説付き。
婚約破棄は綿密に行うもの
若目
恋愛
「マルグリット・エレオス、お前との婚約は破棄させてもらう!」
公爵令嬢マルグリットは、女遊びの激しい婚約者の王子様から婚約破棄を告げられる
しかし、それはマルグリット自身が仕組んだものだった……
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる