婚約破棄を受け入れたのは、この日の為に準備していたからです

天宮有

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第6話

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 手続きが全て終わり――私とゼロアは、ルザード子爵家の屋敷の前までやって来ていた。

 これから私は、元家族に侯爵令息ゼロアの婚約者になったことを報告する。

 そう決意していると、隣にいるゼロアが尋ねる。

「シーラはもう家を捨てたのだから報告する必要はなさそうだが、本当にいいのか?」

「はい。ゼロア様から話を聞いた時から――レヴォクと元家族は許せません」

 ゼロアと婚約者になったことで、レヴォクに婚約破棄を言い渡されてよかったと思っている。

 私をレヴォクに売っていた元家族は、目の前で後悔させたいと思っていた。

「わかった。俺が傍にいるから、シーラは好きに発言して欲しい」

「はい。ありがとうございます」

 侯爵家のゼロアが証人で、ルザード家は私の発言を否定することはできない。

 屋敷の中に入ろうとして――執事の人は私達を見て、ゼロアを気にしている様子だけど屋敷の中に入れてくれる。

 もしかしたら元父から、私が戻ってきたらすぐ屋敷に入れるよう命令が出ていたのかもしれない。

「ルザード家は何も言えないと思いますけど、レヴォクが、どんな行動をとるかですね」

「シーラに婚約破棄を宣言し、従わせて酷使しようと目論んだ愚かな奴だ。どんな行動をとってきたとしても、俺が必ず対処しよう」

「はい。その時は、私も力になります」

 元婚約者のレヴォクが私を捜索していることは、ゼロアから聞いていた。

 私のいる場所を知ればレヴォクが何をしてくるかわからないけど、ゼロアは対処すると言ってくれる。

 今はレヴォクよりも、元家族に報告することを優先しよう。

 私とゼロアは元家族の、ルザード子爵家の人達がいる部屋に向かっていた。
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