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第12話
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リアス視点
シンシアが消えてから、2週間が経っている。
ラグード国は危機的状況で、急いでシンシアを連れ戻す必要があった。
部屋には俺と父の国王と宰相が集まり、ルジオ国へ向かう準備をしている。
聖女デーリカが魔法を使いすぎて倒れたら、迅速に行動しなければならなかった。
宰相が魔法道具を用意したようで、指輪を見せてくる。
シンシアを連れ戻す策と聞いていたが、俺は不安になっていた。
「指輪の魔法道具か……前の指輪は壊されたが、これは大丈夫なのか?」
「はい。これは前の指輪よりも強力な呪いがかかっています」
そう言って、宰相が説明をはじめる。
前の指輪は魔力を奪うだけだったが、今回の指輪は着けた相手を従えることができるらしい。
そして指輪を破壊した場合は、着けていた者が亡くなるようだ。
凶悪な魔法道具の指輪を眺めて、俺は宰相に尋ねる。
「シンシアは必要なのに大丈夫なのか? 破壊されたらどうする?」
「竜王ヨハンはシンシアを大切にしているからこそ、破壊することはできません」
そしてシンシアを人質にすれば、ヨハンも従うだろう。
これ以外に手段はないと確信していると、俺は宰相の発言に驚くこととなる。
「問題があるとすれば、前と同じように指輪の主が、シンシアに指輪を着ける時には近くにいなければなりません」
「それがどうした?」
前は城内だから、問題なくシンシアに指輪を着けることに成功した。
今回はルジオ国へ向かう必要があり、宰相が不安になっている理由を尋ねる。
「……私と国王はここを離れるわけにはいかず、デーリカ様も倒れています。この魔法道具の存在を知り、行動できるのはリアス様だけです」
「そ、それは……わかった。俺がシンシアを従えて、ヨハンを脅すとしよう」
宰相の発言を聞き、俺は不安になりながらもルジオ国へ向かう。
強力な呪いの指輪をシンシアに着ける以外に、ラグード国が助かる手段はないからだ。
シンシアの性格的に、今ごろ聖なる魔法でルジオ国の人々を治しているに違いない。
竜人と一緒に暮らせるわけがないから指輪を着けるぐらい余裕だと、この時の俺は考えていた。
シンシアが消えてから、2週間が経っている。
ラグード国は危機的状況で、急いでシンシアを連れ戻す必要があった。
部屋には俺と父の国王と宰相が集まり、ルジオ国へ向かう準備をしている。
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宰相が魔法道具を用意したようで、指輪を見せてくる。
シンシアを連れ戻す策と聞いていたが、俺は不安になっていた。
「指輪の魔法道具か……前の指輪は壊されたが、これは大丈夫なのか?」
「はい。これは前の指輪よりも強力な呪いがかかっています」
そう言って、宰相が説明をはじめる。
前の指輪は魔力を奪うだけだったが、今回の指輪は着けた相手を従えることができるらしい。
そして指輪を破壊した場合は、着けていた者が亡くなるようだ。
凶悪な魔法道具の指輪を眺めて、俺は宰相に尋ねる。
「シンシアは必要なのに大丈夫なのか? 破壊されたらどうする?」
「竜王ヨハンはシンシアを大切にしているからこそ、破壊することはできません」
そしてシンシアを人質にすれば、ヨハンも従うだろう。
これ以外に手段はないと確信していると、俺は宰相の発言に驚くこととなる。
「問題があるとすれば、前と同じように指輪の主が、シンシアに指輪を着ける時には近くにいなければなりません」
「それがどうした?」
前は城内だから、問題なくシンシアに指輪を着けることに成功した。
今回はルジオ国へ向かう必要があり、宰相が不安になっている理由を尋ねる。
「……私と国王はここを離れるわけにはいかず、デーリカ様も倒れています。この魔法道具の存在を知り、行動できるのはリアス様だけです」
「そ、それは……わかった。俺がシンシアを従えて、ヨハンを脅すとしよう」
宰相の発言を聞き、俺は不安になりながらもルジオ国へ向かう。
強力な呪いの指輪をシンシアに着ける以外に、ラグード国が助かる手段はないからだ。
シンシアの性格的に、今ごろ聖なる魔法でルジオ国の人々を治しているに違いない。
竜人と一緒に暮らせるわけがないから指輪を着けるぐらい余裕だと、この時の俺は考えていた。
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