新しい聖女が優秀なら、いらない聖女の私は消えて竜人と暮らします

第１１話

　屋敷に戻り、部屋で私は今日の出来事をヨハンと話している。

　ハワードの話を聞いた後に、私達が城に来た目的を伝えている。
　私が人々を治したいと聞き喜んでくれたけど、今はラグード国の対応を優先して欲しいと言われていた。

　今の状況だと、１年も経たずにラグード国は滅びるらしい。
　その後に私は教会で負傷している人を魔法で治して欲しいと、ハワードから頼まれていた。

「働くことができそうですが、ラグード国が行動を起こしてからの方がいいみたいですね」

「シンシアが働くとなれば王都や街に向かうこととなる。今は一番安全なここにいた方がいい」

「そうですね。ルジオ国の予想では、ラグード国がすぐにでも私を捕らえに来るようです」

　距離があるから時間がかかりそうだけど、私を捕らえる準備をしていると予想している。
　気になることがあって、私はヨハンに尋ねる。

「ヨハンの強さを知っているのに、ラグード国は本当に私を連れ戻そうとするのでしょうか？」

「連れ戻さなければ国の危機だから、何もしないままでいるとは思えない。どんな手段を使ってきてもおかしくないが、私なら問題なく対処してみせよう」

　ヨハンは自信に満ちていて、私も同意見で信頼している。
　その後はヨハンと屋敷で楽しい時間を過ごして――２週間後、私はリアスと再会することになる。