私の魔力を全て奪って婚約破棄するようですが、奪えるのは1週間だけです

天宮有

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第2話

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 夜会が終わって妹ローナと一緒に屋敷へ戻ると、屋敷の前にはお父様とお母様がいた。

 どうやら私が予想していた事態になりそうで、お父様の横までローナが歩く。

 私の正面には家族が集まっていて、お母様が話す。

「セリスは3日前から魔法が使えなくなってしまった……聖女の才能があるローナの足を引っ張るのだけは、止めて欲しいのよ」

「この3日の間に家族で話し合い――役立たずになったセリスを、レイドロ家から追い出すことにした!」

 家族で話し合ったと言っているけど、その中に私はいない。

 その発言は予想できていたから、私は事前に最低限の荷物を用意して、隠し持っていたマジックバックと呼ばれる魔法道具に入れていた。

 マジックバッグは魔法の力で別空間と繋がっているようで、持主の魔力を使うこともないから今の私でも扱える。

 私が隠し持っていたのは入る量がかなり小さいけど、最低減の荷物やお金を持てただけでも十分だと考えていた。

 これは魔力を失ったから万一に備えての行動で、追い出されることがなければ取り出せばいいと考えていたけど、私は家から追い出されてしまう。

 私の家族は魔力量が膨大な私よりも、聖女の才能を持った妹ローナを常に優先していた。
 魔力はいつか目覚めると言われていたけど、ローナは努力していないのだから強くなれるわけがない。

 そう考えていると、お父様が私に対して叫ぶ。

「聖女の才能がなく、魔力も消えた貴様は家の恥だ。セリスは今すぐに出て行け!」

「レイドロ伯爵家の名前を出されても困るから、貴方はもう屋敷に入れることはないわ……セリスの私物は全て処分しておくから、諦めることね!」

 今の私はパーティから戻って来たばかりで、隠し持っていたマジックバッグがなければお金も持っていないし服装は夜会用の服だけだ。

 魔法が使えず護身する力を持たない貴族の令嬢が家から追い出されたら、危険な目に合う可能性が高い。

 家族としては私が危険な目に合って、早急に消えて欲しいのだと思う。
 ジェイクが私の魔力を奪ったことで……私の存在は不要だと、全員が思っているようだ。

 最悪の事態を想定していたからこそ助かったけど、想像していた最悪の事態になっている。

「そうですか……それなら、私はレイドロ伯爵家から出ていきます」

 平民に見える服を用意していたのは正解だと考えて――私は家を捨てて、平民となっていた。
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