2 / 109
第2話
しおりを挟む
夜会が終わって妹ローナと一緒に屋敷へ戻ると、屋敷の前にはお父様とお母様がいた。
どうやら私が予想していた事態になりそうで、お父様の横までローナが歩く。
私の正面には家族が集まっていて、お母様が話す。
「セリスは3日前から魔法が使えなくなってしまった……聖女の才能があるローナの足を引っ張るのだけは、止めて欲しいのよ」
「この3日の間に家族で話し合い――役立たずになったセリスを、レイドロ家から追い出すことにした!」
家族で話し合ったと言っているけど、その中に私はいない。
その発言は予想できていたから、私は事前に最低限の荷物を用意して、隠し持っていたマジックバックと呼ばれる魔法道具に入れていた。
マジックバッグは魔法の力で別空間と繋がっているようで、持主の魔力を使うこともないから今の私でも扱える。
私が隠し持っていたのは入る量がかなり小さいけど、最低減の荷物やお金を持てただけでも十分だと考えていた。
これは魔力を失ったから万一に備えての行動で、追い出されることがなければ取り出せばいいと考えていたけど、私は家から追い出されてしまう。
私の家族は魔力量が膨大な私よりも、聖女の才能を持った妹ローナを常に優先していた。
魔力はいつか目覚めると言われていたけど、ローナは努力していないのだから強くなれるわけがない。
そう考えていると、お父様が私に対して叫ぶ。
「聖女の才能がなく、魔力も消えた貴様は家の恥だ。セリスは今すぐに出て行け!」
「レイドロ伯爵家の名前を出されても困るから、貴方はもう屋敷に入れることはないわ……セリスの私物は全て処分しておくから、諦めることね!」
今の私はパーティから戻って来たばかりで、隠し持っていたマジックバッグがなければお金も持っていないし服装は夜会用の服だけだ。
魔法が使えず護身する力を持たない貴族の令嬢が家から追い出されたら、危険な目に合う可能性が高い。
家族としては私が危険な目に合って、早急に消えて欲しいのだと思う。
ジェイクが私の魔力を奪ったことで……私の存在は不要だと、全員が思っているようだ。
最悪の事態を想定していたからこそ助かったけど、想像していた最悪の事態になっている。
「そうですか……それなら、私はレイドロ伯爵家から出ていきます」
平民に見える服を用意していたのは正解だと考えて――私は家を捨てて、平民となっていた。
どうやら私が予想していた事態になりそうで、お父様の横までローナが歩く。
私の正面には家族が集まっていて、お母様が話す。
「セリスは3日前から魔法が使えなくなってしまった……聖女の才能があるローナの足を引っ張るのだけは、止めて欲しいのよ」
「この3日の間に家族で話し合い――役立たずになったセリスを、レイドロ家から追い出すことにした!」
家族で話し合ったと言っているけど、その中に私はいない。
その発言は予想できていたから、私は事前に最低限の荷物を用意して、隠し持っていたマジックバックと呼ばれる魔法道具に入れていた。
マジックバッグは魔法の力で別空間と繋がっているようで、持主の魔力を使うこともないから今の私でも扱える。
私が隠し持っていたのは入る量がかなり小さいけど、最低減の荷物やお金を持てただけでも十分だと考えていた。
これは魔力を失ったから万一に備えての行動で、追い出されることがなければ取り出せばいいと考えていたけど、私は家から追い出されてしまう。
私の家族は魔力量が膨大な私よりも、聖女の才能を持った妹ローナを常に優先していた。
魔力はいつか目覚めると言われていたけど、ローナは努力していないのだから強くなれるわけがない。
そう考えていると、お父様が私に対して叫ぶ。
「聖女の才能がなく、魔力も消えた貴様は家の恥だ。セリスは今すぐに出て行け!」
「レイドロ伯爵家の名前を出されても困るから、貴方はもう屋敷に入れることはないわ……セリスの私物は全て処分しておくから、諦めることね!」
今の私はパーティから戻って来たばかりで、隠し持っていたマジックバッグがなければお金も持っていないし服装は夜会用の服だけだ。
魔法が使えず護身する力を持たない貴族の令嬢が家から追い出されたら、危険な目に合う可能性が高い。
家族としては私が危険な目に合って、早急に消えて欲しいのだと思う。
ジェイクが私の魔力を奪ったことで……私の存在は不要だと、全員が思っているようだ。
最悪の事態を想定していたからこそ助かったけど、想像していた最悪の事態になっている。
「そうですか……それなら、私はレイドロ伯爵家から出ていきます」
平民に見える服を用意していたのは正解だと考えて――私は家を捨てて、平民となっていた。
55
あなたにおすすめの小説
【完結】私を捨てた皆様、どうぞその選択を後悔なさってください 〜婚約破棄された令嬢の、遅すぎる謝罪はお断りです〜
くろねこ
恋愛
王太子の婚約者として尽くしてきた公爵令嬢エリシアは、ある日突然、身に覚えのない罪で断罪され婚約破棄を言い渡される。
味方だと思っていた家族も友人も、誰一人として彼女を庇わなかった。
――けれど、彼らは知らなかった。
彼女こそが国を支えていた“本当の功労者”だったことを。
すべてを失ったはずの令嬢が選んだのは、
復讐ではなく「関わらない」という選択。
だがその選択こそが、彼らにとって最も残酷な“ざまぁ”の始まりだった。
好きにしろ、とおっしゃられたので好きにしました。
豆狸
恋愛
「この恥晒しめ! 俺はお前との婚約を破棄する! 理由はわかるな?」
「第一王子殿下、私と殿下の婚約は破棄出来ませんわ」
「確かに俺達の婚約は政略的なものだ。しかし俺は国王になる男だ。ほかの男と睦み合っているような女を妃には出来ぬ! そちらの有責なのだから侯爵家にも責任を取ってもらうぞ!」
【完結】この運命を受け入れましょうか
なか
恋愛
「君のようは妃は必要ない。ここで廃妃を宣言する」
自らの夫であるルーク陛下の言葉。
それに対して、ヴィオラ・カトレアは余裕に満ちた微笑みで答える。
「承知しました。受け入れましょう」
ヴィオラにはもう、ルークへの愛など残ってすらいない。
彼女が王妃として支えてきた献身の中で、平民生まれのリアという女性に入れ込んだルーク。
みっともなく、情けない彼に対して恋情など抱く事すら不快だ。
だが聖女の素養を持つリアを、ルークは寵愛する。
そして貴族達も、莫大な益を生み出す聖女を妃に仕立てるため……ヴィオラへと無実の罪を被せた。
あっけなく信じるルークに呆れつつも、ヴィオラに不安はなかった。
これからの顛末も、打開策も全て知っているからだ。
前世の記憶を持ち、ここが物語の世界だと知るヴィオラは……悲運な運命を受け入れて彼らに意趣返す。
ふりかかる不幸を全て覆して、幸せな人生を歩むため。
◇◇◇◇◇
設定は甘め。
不安のない、さっくり読める物語を目指してます。
良ければ読んでくだされば、嬉しいです。
婚約破棄の代償
nanahi
恋愛
「あの子を放って置けないんだ。ごめん。婚約はなかったことにしてほしい」
ある日突然、侯爵令嬢エバンジェリンは婚約者アダムスに一方的に婚約破棄される。破局に追い込んだのは婚約者の幼馴染メアリという平民の儚げな娘だった。
エバンジェリンを差し置いてアダムスとメアリはひと時の幸せに酔うが、婚約破棄の代償は想像以上に大きかった。
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
旦那様、そんなに彼女が大切なら私は邸を出ていきます
おてんば松尾
恋愛
彼女は二十歳という若さで、領主の妻として領地と領民を守ってきた。二年後戦地から夫が戻ると、そこには見知らぬ女性の姿があった。連れ帰った親友の恋人とその子供の面倒を見続ける旦那様に、妻のソフィアはとうとう離婚届を突き付ける。
if 主人公の性格が変わります(元サヤ編になります)
※こちらの作品カクヨムにも掲載します
王妃の仕事なんて知りません、今から逃げます!
gacchi(がっち)
恋愛
側妃を迎えるって、え?聞いてないよ?
王妃の仕事が大変でも頑張ってたのは、レオルドが好きだから。
国への責任感?そんなの無いよ。もういい。私、逃げるから!
12/16加筆修正したものをカクヨムに投稿しました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる