私の魔力を全て奪って婚約破棄するようですが、奪えるのは1週間だけです

天宮有

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第75話

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ジェイク視点

 俺を囮にして逃げようとしたローナに対し、殴りたい衝動を抑えている。

 絶体絶命な状況は変わりなくて――今度は俺が、ローナを囮にしようと考えていた。

 黒く大きい犬型魔物の行動を待っていると、口が開く。

「貴様達が逃げなければ、私は危害を加えたりはしない」

「喋った!?」

「魔物が喋るだなんて……聞いたことがありません!?」

 俺とローナは目の前の出来事が信じられず、叫ぶしかない。

 驚愕していると、魔物が話を続ける。

「何も知らないようだな……聖女は動物と心を通わせる力がある。私はその力を利用させてもらった」

「利用、ですか?」

「そうだ。私の名はルオウ……冒険者達によって追い詰められている存在だ」

 ルオウと名乗った魔物が、俺達に説明する。

 大襲撃を引き起こした魔物のようで、冒険者ギルドは結界を張ることで追い詰めていた。

「冒険者共は私を脅威だと考え、対処しようとしたのだろう。このままでは、私は消えることとなる」

「そして――俺の、いや聖女ローナの力が必要というわけか」

「そうだ。人手が欲しいから、貴様にも協力してもらう」

 どうやらルオウは聖女ローナの力と、俺の力が欲しいようだ。
 理由が冒険者ギルドを滅ぼす為だと知って――俺とローナは、協力することにしていた。
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