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第2話
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今日はルドノス王子に命令されて、私は妹のキサラと一緒に馬車で遠出している。
断崖のある場所に到着して広大な海を眺めていると、私達を呼び出したルドノス王子は先に来ていたようだ。
ここはランアス国の辺境で、私達3人しかこの場にいない。
キサラから「ルドノス様から大事な話がある」としか聞いていないから、私は尋ねることにした。
「ルドノス様。こんな場所に私達を呼んだ理由を教えてください」
「理由を話す前に言っておきたいことがある……俺は、キサラと婚約したかった」
それは何度も聞かされているけど、どうしてこの場で話すのだろうか?
困惑してしまうと、ルドノスの隣に立ったキサラが話す。
「ミレナも聖なる魔法が扱えますが、私の方が遥かに優秀です。病を治すために回復魔法を使ったようですが、ミレナがいなくても自力で治せた二決まっています!」
病弱の頃は「ミレナお姉様」と慕っていたけど、今では見下して呼び捨てになっている。
双子で見た目も同じだからか、キサラは劣っている姉の私を嫌悪しているようだ。
私の正面にはルドノス王子とキサラがいて、背後は断崖だ。
海の景色を眺めたタイミングで話しかけてきたから、嫌な予感がした私はルドノスに言う。
「成績のことはこれから頑張っていきます……あの、ここに呼び出した理由はなんですか?」
「ここは大昔に聖女が暮らしていた場所らしい。お前とキサラは聖なる魔法を扱えるのだから、1度来るべきだろうと考えていた」
「それは目撃者がいた時に説明する理由で、本来の目的はミレナをここから突き飛ばすためです」
「……えっ?」
「話してしまったか。何も知らないまま最期を迎えて欲しかったが、まあいいだろう」
断崖の傍で話をしていたから、嫌な予感はしている。
それでもここから突き飛ばすとキサラが言い出し、婚約者のルドノス王子も賛同しているようだ。
「ルドノス様は、何を言っているのですか?」
「ハッキリ言うと、婚約者の貴様が邪魔なんだ。貴様が消えればキサラと婚約できるし、見た目が同じで間違えられることもあるまい」
「今までもミレナのフリをしてルドノス様と一緒にいましたが、劣っている人の真似が嫌になったということです」
どうやら婚約者は私を消したいほど憎んでいたようで、キサラはルドノスが好きになっていたようだ。
婚約を破棄するよりも、私を消した方が周囲が納得して婚約者を変えられる。
そんな発言を聞き、私はこの場から逃げようと走った時だった。
「キサラの姉なら、俺達の魔法を防いでみせろ!」
「それができないから、ミレナの人生はここで終わります。生きてるだけで不愉快な姉でした!」
叫んだキサラが魔法の光を飛ばして、私は立ち止まってしまう。
そしてルドノスが右手から暴風を発生させ、突き飛ばされた私の体は海面に叩きつけられる。
全身の痛みを感じた時に――私は、前世の記憶を思い出した。
聖なる魔力による光を身に纏うことで水中でも呼吸ができるようになり、回復魔法を使い一瞬で負傷を消すことに成功する。
この時点でキサラよりも優れた魔法を使うことができて、私は自分の身になにが起きたのかを把握して言う。
「……まさか私が、ここで暮らしていた聖女が転生した姿だったなんて思わなかったわ」
大昔に聖女だった私は無茶をしすぎて20歳まで生きられないと知り、最期に編み出した転生魔法を試すことにした。
転生魔法は成功して、今まで前世の記憶を思い出せなかった理由もわかっている。
普通に暮らしたくて、危機的状況にならなければ前世を思い出せないようにしていたらしい。
今の私は海の中でも声が出せて、崖の上にいる2人に聞こえないよう呟く。
「前世の記憶が戻るまで、私が魔法を上手く使えなかったのは予想外の出来事が起きたからね」
予想外の出来事というのは、双子の妹であるキサラのことだ。
聖女だった私は転生魔法で魂だけとなり、数百年後に子供が産まれない家族の娘として産まれる。
本来なら産まれなかった子供がキサラで、双子だから私と同じ見た目だった。
それでも病弱となってしまい、魔法が使えるようになった私はキサラに回復魔法を使っている。
私は妹のキサラを治したいと強く思い――その結果として、私の持つ膨大な魔力をキサラに渡していたようだ。
その魔力と私の回復魔法によってキサラは完治して、魔法学園で優秀な生徒となっている。
今まで家族から妹のために行動しろと命令されていた私は、その後も膨大な魔力を無意識に渡していたようだ。
「これからキサラは、普通の伯爵令嬢が扱える魔力しか回復しない……元の状態に戻せるけど、あんな妹に魔力を与えたくありません」
傍にいれば、今まで通り膨大な魔力をキサラに与えて支えることはできる。
それをしたくなかったのは、私がキサラのことをどうでもいい存在と思うようになったからだ。
「私の膨大な魔力を得て増長するのはわかるけど、限度があるわ……これからキサラの魔力は弱まっていくけど、病が完治しただけでも十分でしょう」
今後のキサラは膨大な魔力が体内に残っているだけで、回復することはない。
私が真相を話したら信じないか懇願してくるかはわからないけど、面倒なことになりそうだ。
「それならもう、私は2人の思い通り亡くなったことにしましょう」
キサラは一般的な伯爵令嬢の魔力になり、婚約者のルドノス王子は絶望するはずだ。
私を突き飛ばして消そうとしたことで、2人はこれから後悔することとなる。
断崖のある場所に到着して広大な海を眺めていると、私達を呼び出したルドノス王子は先に来ていたようだ。
ここはランアス国の辺境で、私達3人しかこの場にいない。
キサラから「ルドノス様から大事な話がある」としか聞いていないから、私は尋ねることにした。
「ルドノス様。こんな場所に私達を呼んだ理由を教えてください」
「理由を話す前に言っておきたいことがある……俺は、キサラと婚約したかった」
それは何度も聞かされているけど、どうしてこの場で話すのだろうか?
困惑してしまうと、ルドノスの隣に立ったキサラが話す。
「ミレナも聖なる魔法が扱えますが、私の方が遥かに優秀です。病を治すために回復魔法を使ったようですが、ミレナがいなくても自力で治せた二決まっています!」
病弱の頃は「ミレナお姉様」と慕っていたけど、今では見下して呼び捨てになっている。
双子で見た目も同じだからか、キサラは劣っている姉の私を嫌悪しているようだ。
私の正面にはルドノス王子とキサラがいて、背後は断崖だ。
海の景色を眺めたタイミングで話しかけてきたから、嫌な予感がした私はルドノスに言う。
「成績のことはこれから頑張っていきます……あの、ここに呼び出した理由はなんですか?」
「ここは大昔に聖女が暮らしていた場所らしい。お前とキサラは聖なる魔法を扱えるのだから、1度来るべきだろうと考えていた」
「それは目撃者がいた時に説明する理由で、本来の目的はミレナをここから突き飛ばすためです」
「……えっ?」
「話してしまったか。何も知らないまま最期を迎えて欲しかったが、まあいいだろう」
断崖の傍で話をしていたから、嫌な予感はしている。
それでもここから突き飛ばすとキサラが言い出し、婚約者のルドノス王子も賛同しているようだ。
「ルドノス様は、何を言っているのですか?」
「ハッキリ言うと、婚約者の貴様が邪魔なんだ。貴様が消えればキサラと婚約できるし、見た目が同じで間違えられることもあるまい」
「今までもミレナのフリをしてルドノス様と一緒にいましたが、劣っている人の真似が嫌になったということです」
どうやら婚約者は私を消したいほど憎んでいたようで、キサラはルドノスが好きになっていたようだ。
婚約を破棄するよりも、私を消した方が周囲が納得して婚約者を変えられる。
そんな発言を聞き、私はこの場から逃げようと走った時だった。
「キサラの姉なら、俺達の魔法を防いでみせろ!」
「それができないから、ミレナの人生はここで終わります。生きてるだけで不愉快な姉でした!」
叫んだキサラが魔法の光を飛ばして、私は立ち止まってしまう。
そしてルドノスが右手から暴風を発生させ、突き飛ばされた私の体は海面に叩きつけられる。
全身の痛みを感じた時に――私は、前世の記憶を思い出した。
聖なる魔力による光を身に纏うことで水中でも呼吸ができるようになり、回復魔法を使い一瞬で負傷を消すことに成功する。
この時点でキサラよりも優れた魔法を使うことができて、私は自分の身になにが起きたのかを把握して言う。
「……まさか私が、ここで暮らしていた聖女が転生した姿だったなんて思わなかったわ」
大昔に聖女だった私は無茶をしすぎて20歳まで生きられないと知り、最期に編み出した転生魔法を試すことにした。
転生魔法は成功して、今まで前世の記憶を思い出せなかった理由もわかっている。
普通に暮らしたくて、危機的状況にならなければ前世を思い出せないようにしていたらしい。
今の私は海の中でも声が出せて、崖の上にいる2人に聞こえないよう呟く。
「前世の記憶が戻るまで、私が魔法を上手く使えなかったのは予想外の出来事が起きたからね」
予想外の出来事というのは、双子の妹であるキサラのことだ。
聖女だった私は転生魔法で魂だけとなり、数百年後に子供が産まれない家族の娘として産まれる。
本来なら産まれなかった子供がキサラで、双子だから私と同じ見た目だった。
それでも病弱となってしまい、魔法が使えるようになった私はキサラに回復魔法を使っている。
私は妹のキサラを治したいと強く思い――その結果として、私の持つ膨大な魔力をキサラに渡していたようだ。
その魔力と私の回復魔法によってキサラは完治して、魔法学園で優秀な生徒となっている。
今まで家族から妹のために行動しろと命令されていた私は、その後も膨大な魔力を無意識に渡していたようだ。
「これからキサラは、普通の伯爵令嬢が扱える魔力しか回復しない……元の状態に戻せるけど、あんな妹に魔力を与えたくありません」
傍にいれば、今まで通り膨大な魔力をキサラに与えて支えることはできる。
それをしたくなかったのは、私がキサラのことをどうでもいい存在と思うようになったからだ。
「私の膨大な魔力を得て増長するのはわかるけど、限度があるわ……これからキサラの魔力は弱まっていくけど、病が完治しただけでも十分でしょう」
今後のキサラは膨大な魔力が体内に残っているだけで、回復することはない。
私が真相を話したら信じないか懇願してくるかはわからないけど、面倒なことになりそうだ。
「それならもう、私は2人の思い通り亡くなったことにしましょう」
キサラは一般的な伯爵令嬢の魔力になり、婚約者のルドノス王子は絶望するはずだ。
私を突き飛ばして消そうとしたことで、2人はこれから後悔することとなる。
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