9 / 91
第一章
落としたパンの行方
しおりを挟む
執務を終え、日も沈む頃ユリウスが帰宅すると、何やら屋敷内が騒がしい。出迎えたカレルにどうしたのかと問えば、カレルは顔をしかめた。
「ユリウス様の拾い物に手こずっておりまする」
「なんだそれは」
苦笑しながらユリウスが食堂に入ると、ちょうど席についた希少種が、パンを持って差し出したリサの手を払うところだった。
パシンっと小気味いい音を立て、リサの手から弾き出されたパンが床に転がる。給仕をしていたコックのアントンが顔を歪めた。
テーブルに置かれた食事にも一切手を付けていない。
「ユリウス様。お帰りなさいませ」
リサが心底困った顔で入ってきたユリウスを見上げる。ユリウスは転がったパンを拾うと、希少種の前の席に座り、アントンに自分の分の食事の用意を頼んだ。
すぐにアントンはユリウスの前に食事を並べ始める。
「食べないのか? 毒は入っていないぞ」
ユリウスが床に落ちたパンを食べると、希少種は驚いたように目を瞠った。
「それ……。わたしの落としたパン」
「ああ。そうだな。ここでは食べ物は貴重だ。残しては精を尽くして作ってくれた厨房の者にも申し訳が立たない」
希少種は虚をつかれたようにはっとし、唇をかむと俯いた。
「悪かった…」
消え入りそうに小さな声でぼそりと呟き、おずおずと食事に手を伸ばした。スプーンとフォークの使い方も知らないとみえ、希少種は手づかみで食事をつかもうとする。
「あ、待って」
慌ててリサがスプーンを差し出すと、不思議そうに小首を傾げる、
「スープはこうやって掬うんですのよ」
リサが掬ってやって口元に持っていくと、希少種は口を開いてパクリと食べた。瞬間、ぱぁと顔が綻ぶ。
「……おいしい…」
それを見ていたリサはスプーンを持ったまま、年甲斐もなくきゃっと飛び跳ねた。
「……かわいい」
確かにリサの言う通り、差し出されたスプーンをパクリとくわえた様は妙に庇護欲をそそられる。
まるでもっとちょうだいと言わんばかりに見上げてくる希少種に、リサは「私が食べさせてあげますわ」と隣に座り、完全に主導権を握ると、希少種の口に次から次へと食べ物を運んだ。
希少種はよく食べた。
リサによるとつい先程まで昏々と眠っていたらしい。目を覚まし、不浄に行きたいというのでリサが抱いて連れて行った。
「あまりに軽いので驚きましたわ」とリサ。そのついでにと食堂へ連れてきたのがつい先ほどだった。
意地を張っていただけで、お腹は空いていたのだろう。希少種はすごい勢いで食べる。アントンは柔らかく煮た野菜など、消化のいいものを用意していた。
しばらく夢中で食べ続ける希少種を見ながら、ユリウスも食事を進めた。
「おまえ、名はなんというんだ?」
今朝から風呂場の乱闘でまだまともに話もしていない。まずは名を知りたいと訊くと、希少種は一瞬きょとんとした顔をし、すぐにぼそりと答えた。
「ルカ」
「そうか。俺もまだ名乗っていなかったな。ユリウス・ベイエルだ。この北のモント領主だ。それと今ルカに食べさせているのが――」
「――リサですわ」
手を止めてリサが名乗る。続いて執事のカレル、コックのアントンと順に紹介する。
「あと、今朝ルカを診た医師のノルデンに、カレルとリサの息子のボブ。いつも屋敷にいるのはその面々だ。何かあれば今言った者たちに言うといい」
ルカは、黒い瞳で一人一人の顔をじっと見た。最後に、目の前のユリウスに視線を合わせる。
「わたし、いつ王宮に帰されるの?」
「今朝も言ったが、返すとは言ってないぞ」
「でも、いつかは帰されるんでしょう? いつ?」
ユリウスはふぅと息をついた。まだ完全にこちらのことを信用したわけではないようだ。それもそうだろう。今までルカがどんな境遇に置かれていたのか。わからないが、背中と大腿の傷を見ただけでも大体の察しはつく。そう簡単に人を信用することはないのだろう。
なんと言葉をかけてやればいいのか。
何を言ってもルカは、ユリウスのことを、ここにいる者たちのことを心から信用し、頼ることはない。そう思うとどんな言葉もルカにとっては上滑りで、無意味なことだ。
「あら、まぁ」
リサの声にルカを見れば、目がとろんとして首がガクンと前に傾いだ。はっとしたように目を開くが、すぐにまたまぶたが落ちてくる。
「まぁ、かわいいこと」
リサがそっと頭を支えてやると、そのままルカはうとうと舟を漕ぎだした。
「ずっと気を張り詰めているのね。可哀想に。こうやって居眠りできるくらいには、少しは私達に対して警戒心を解いているのかしらね」
「さあな」
ユリウスは食事を終え立ち上がるとルカを抱きかかえた。背中と大腿に触れないように抱こうと思えば、今朝と同じ縦抱きになる。抱き上げればルカは自然とユリウスの首に腕をまわしてきた。よく眠っている。無意識なのだろう。ユリウスの髪に顔を埋めるように擦り寄ってくる。
なんだろうか。この気持ちは。
ユリウスはむず痒いような、そわそわした気持ちがした。肩に頬をのせるルカの顔を見れば、少し開いた唇が妙に艶めかしい。
「なんだかとってもかわいいですわね。ユリウス様には気を許しているんですね、きっと」
「どうだろうな」
ユリウスはリサに話しかけられ、はっとしてルカの唇から目を逸らした。カレルに案内させ、ユリウスはルカをうつ伏せにベッドに寝かせた。
よく眠っている。穏やかな寝息だ。
ユリウスは寝室を出ると自室にカレルを呼んだ。
「王宮騎士団からの伝令でな。王宮から逃げ出した希少種の奴隷をさがしているそうだ」
「なんですと?!」
ユリウスは王宮騎士団からの伝令をカレルに話した。カレルは見る間に顔を青ざめさせた。
「どうされるおつもりです? 王宮から逃げ出した希少種とは、十中八九ルカのことですぞ。当然、王宮騎士団に引き渡されるんですよね」
「おまえは差し出せるのか? あれほど怯え怖がっている者を、おまえは差し出すのか?」
カレルは言葉に詰まり、長々と息を吐き出した。
「……無茶を申しました。ユリウス様がそのような非道を許すお方ではないことは、よくわかっております。ですがもし事が露見した場合、いかがなさるおつもりです。たまたま見つけた拾い物のせいで、やっと落ち着いたこの地位までも手放すことになりかねませんぞ」
「……わかっている」
ユリウスの父、レオナルト・ベイエルはもと中央の貴族だった。領地も王都から程近い場所で、爵位も公爵位。初代バッケル王の傍系で国の中枢を担う存在だった。ユリウスはそのベイエル公爵家の一人息子として将来を嘱望され、侯爵家の令嬢との婚儀も決まっていた。
しかし十年前、前王ラドバウト崩御に伴いあとを継いだライニールが王位につくと、側近ヘルハルト・オーラフが宰相の座に付き、状況は一変した。噂ではヘルハルトは、オーラフ家が迎えた養子らしいが切れ者だった。いつの間にかライニール王の懐深く入り込み、王の絶対的な信頼のもと、オーラフ宰相はおのれに従わない者を次々に粛清していき、その過程で多くの者はオーラフ宰相側についた。ユリウスの父レオナルトは、そんなオーラフ宰相に与せず、独立した地位を保っていたが、アルメレ川の河川工事の是非を巡って激しく対立した。
結局、工事の反対を主張した父レオナルトが周りの支持を得られず敗北し、爵位も二段階降格の伯爵位に落とされ、今のモント領に領地替えとなり、中央からは去ることとなった。
モント領は隣国に接した国境線守備の最前線であり、冬も厳しい北の僻地だ。今でこそ豊富な森林資源を活用し、領内は潤っているが、十年前のモント領は、ただ国境線の守備にのみ重きを置かれた地で、領民の生活は悲惨なものだった。
多くの者が父の元から去った。ユリウスにもその波は寄せてきた。友と慕った同じ年頃の貴族の子息は去っていき、侯爵家の令嬢との婚約は、相手の親から一方的に破棄された。都落ちしていく将来性のないユリウスに、娘を嫁がせることはできない。その気持ちはよくわかる。ユリウスにはどうすることもできなかった。
父レオナルトは、一旦はモント領主におさまったが、すぐに息子のユリウスにその座を譲った。自身は今はユリウスの母と二人、モント領でも比較的南の地方で穏やかに暮らしている。
一方、十九歳でモント領主となったユリウスは、在野の貴族や領民と積極的に交わり、ここまでの領地へと導いてきた。忌憚のない意見をする者、ユリウスの顔色ではなく、真剣に領地の問題を解決しようと尽力する者。新鮮だった。そしていかに自分が今まで嘘と建前の世界にいたのかを痛感した。
都落ちしたことを、今のユリウスはむしろ前向きに捉えている。もしあのまま公爵家の跡取りとして中央にいたのでは、今の自分はいなかった。カレルをはじめ、リサ、ノルデン、アントンといった王都からついてきてくれた使用人たちへの見る目も、今とは違っていただろう。
「心配かけてすまない。カレル」
カレルの発言は、いつもユリウスの身を案じてのことだ。それでもどうしてもあの希少種を王宮騎士団につきだす気にはなれない。
ユリウスがそう言うと、カレルはやれやれとため息をつきながらも、「善処いたしましょう」と頭を下げた。
「ユリウス様の拾い物に手こずっておりまする」
「なんだそれは」
苦笑しながらユリウスが食堂に入ると、ちょうど席についた希少種が、パンを持って差し出したリサの手を払うところだった。
パシンっと小気味いい音を立て、リサの手から弾き出されたパンが床に転がる。給仕をしていたコックのアントンが顔を歪めた。
テーブルに置かれた食事にも一切手を付けていない。
「ユリウス様。お帰りなさいませ」
リサが心底困った顔で入ってきたユリウスを見上げる。ユリウスは転がったパンを拾うと、希少種の前の席に座り、アントンに自分の分の食事の用意を頼んだ。
すぐにアントンはユリウスの前に食事を並べ始める。
「食べないのか? 毒は入っていないぞ」
ユリウスが床に落ちたパンを食べると、希少種は驚いたように目を瞠った。
「それ……。わたしの落としたパン」
「ああ。そうだな。ここでは食べ物は貴重だ。残しては精を尽くして作ってくれた厨房の者にも申し訳が立たない」
希少種は虚をつかれたようにはっとし、唇をかむと俯いた。
「悪かった…」
消え入りそうに小さな声でぼそりと呟き、おずおずと食事に手を伸ばした。スプーンとフォークの使い方も知らないとみえ、希少種は手づかみで食事をつかもうとする。
「あ、待って」
慌ててリサがスプーンを差し出すと、不思議そうに小首を傾げる、
「スープはこうやって掬うんですのよ」
リサが掬ってやって口元に持っていくと、希少種は口を開いてパクリと食べた。瞬間、ぱぁと顔が綻ぶ。
「……おいしい…」
それを見ていたリサはスプーンを持ったまま、年甲斐もなくきゃっと飛び跳ねた。
「……かわいい」
確かにリサの言う通り、差し出されたスプーンをパクリとくわえた様は妙に庇護欲をそそられる。
まるでもっとちょうだいと言わんばかりに見上げてくる希少種に、リサは「私が食べさせてあげますわ」と隣に座り、完全に主導権を握ると、希少種の口に次から次へと食べ物を運んだ。
希少種はよく食べた。
リサによるとつい先程まで昏々と眠っていたらしい。目を覚まし、不浄に行きたいというのでリサが抱いて連れて行った。
「あまりに軽いので驚きましたわ」とリサ。そのついでにと食堂へ連れてきたのがつい先ほどだった。
意地を張っていただけで、お腹は空いていたのだろう。希少種はすごい勢いで食べる。アントンは柔らかく煮た野菜など、消化のいいものを用意していた。
しばらく夢中で食べ続ける希少種を見ながら、ユリウスも食事を進めた。
「おまえ、名はなんというんだ?」
今朝から風呂場の乱闘でまだまともに話もしていない。まずは名を知りたいと訊くと、希少種は一瞬きょとんとした顔をし、すぐにぼそりと答えた。
「ルカ」
「そうか。俺もまだ名乗っていなかったな。ユリウス・ベイエルだ。この北のモント領主だ。それと今ルカに食べさせているのが――」
「――リサですわ」
手を止めてリサが名乗る。続いて執事のカレル、コックのアントンと順に紹介する。
「あと、今朝ルカを診た医師のノルデンに、カレルとリサの息子のボブ。いつも屋敷にいるのはその面々だ。何かあれば今言った者たちに言うといい」
ルカは、黒い瞳で一人一人の顔をじっと見た。最後に、目の前のユリウスに視線を合わせる。
「わたし、いつ王宮に帰されるの?」
「今朝も言ったが、返すとは言ってないぞ」
「でも、いつかは帰されるんでしょう? いつ?」
ユリウスはふぅと息をついた。まだ完全にこちらのことを信用したわけではないようだ。それもそうだろう。今までルカがどんな境遇に置かれていたのか。わからないが、背中と大腿の傷を見ただけでも大体の察しはつく。そう簡単に人を信用することはないのだろう。
なんと言葉をかけてやればいいのか。
何を言ってもルカは、ユリウスのことを、ここにいる者たちのことを心から信用し、頼ることはない。そう思うとどんな言葉もルカにとっては上滑りで、無意味なことだ。
「あら、まぁ」
リサの声にルカを見れば、目がとろんとして首がガクンと前に傾いだ。はっとしたように目を開くが、すぐにまたまぶたが落ちてくる。
「まぁ、かわいいこと」
リサがそっと頭を支えてやると、そのままルカはうとうと舟を漕ぎだした。
「ずっと気を張り詰めているのね。可哀想に。こうやって居眠りできるくらいには、少しは私達に対して警戒心を解いているのかしらね」
「さあな」
ユリウスは食事を終え立ち上がるとルカを抱きかかえた。背中と大腿に触れないように抱こうと思えば、今朝と同じ縦抱きになる。抱き上げればルカは自然とユリウスの首に腕をまわしてきた。よく眠っている。無意識なのだろう。ユリウスの髪に顔を埋めるように擦り寄ってくる。
なんだろうか。この気持ちは。
ユリウスはむず痒いような、そわそわした気持ちがした。肩に頬をのせるルカの顔を見れば、少し開いた唇が妙に艶めかしい。
「なんだかとってもかわいいですわね。ユリウス様には気を許しているんですね、きっと」
「どうだろうな」
ユリウスはリサに話しかけられ、はっとしてルカの唇から目を逸らした。カレルに案内させ、ユリウスはルカをうつ伏せにベッドに寝かせた。
よく眠っている。穏やかな寝息だ。
ユリウスは寝室を出ると自室にカレルを呼んだ。
「王宮騎士団からの伝令でな。王宮から逃げ出した希少種の奴隷をさがしているそうだ」
「なんですと?!」
ユリウスは王宮騎士団からの伝令をカレルに話した。カレルは見る間に顔を青ざめさせた。
「どうされるおつもりです? 王宮から逃げ出した希少種とは、十中八九ルカのことですぞ。当然、王宮騎士団に引き渡されるんですよね」
「おまえは差し出せるのか? あれほど怯え怖がっている者を、おまえは差し出すのか?」
カレルは言葉に詰まり、長々と息を吐き出した。
「……無茶を申しました。ユリウス様がそのような非道を許すお方ではないことは、よくわかっております。ですがもし事が露見した場合、いかがなさるおつもりです。たまたま見つけた拾い物のせいで、やっと落ち着いたこの地位までも手放すことになりかねませんぞ」
「……わかっている」
ユリウスの父、レオナルト・ベイエルはもと中央の貴族だった。領地も王都から程近い場所で、爵位も公爵位。初代バッケル王の傍系で国の中枢を担う存在だった。ユリウスはそのベイエル公爵家の一人息子として将来を嘱望され、侯爵家の令嬢との婚儀も決まっていた。
しかし十年前、前王ラドバウト崩御に伴いあとを継いだライニールが王位につくと、側近ヘルハルト・オーラフが宰相の座に付き、状況は一変した。噂ではヘルハルトは、オーラフ家が迎えた養子らしいが切れ者だった。いつの間にかライニール王の懐深く入り込み、王の絶対的な信頼のもと、オーラフ宰相はおのれに従わない者を次々に粛清していき、その過程で多くの者はオーラフ宰相側についた。ユリウスの父レオナルトは、そんなオーラフ宰相に与せず、独立した地位を保っていたが、アルメレ川の河川工事の是非を巡って激しく対立した。
結局、工事の反対を主張した父レオナルトが周りの支持を得られず敗北し、爵位も二段階降格の伯爵位に落とされ、今のモント領に領地替えとなり、中央からは去ることとなった。
モント領は隣国に接した国境線守備の最前線であり、冬も厳しい北の僻地だ。今でこそ豊富な森林資源を活用し、領内は潤っているが、十年前のモント領は、ただ国境線の守備にのみ重きを置かれた地で、領民の生活は悲惨なものだった。
多くの者が父の元から去った。ユリウスにもその波は寄せてきた。友と慕った同じ年頃の貴族の子息は去っていき、侯爵家の令嬢との婚約は、相手の親から一方的に破棄された。都落ちしていく将来性のないユリウスに、娘を嫁がせることはできない。その気持ちはよくわかる。ユリウスにはどうすることもできなかった。
父レオナルトは、一旦はモント領主におさまったが、すぐに息子のユリウスにその座を譲った。自身は今はユリウスの母と二人、モント領でも比較的南の地方で穏やかに暮らしている。
一方、十九歳でモント領主となったユリウスは、在野の貴族や領民と積極的に交わり、ここまでの領地へと導いてきた。忌憚のない意見をする者、ユリウスの顔色ではなく、真剣に領地の問題を解決しようと尽力する者。新鮮だった。そしていかに自分が今まで嘘と建前の世界にいたのかを痛感した。
都落ちしたことを、今のユリウスはむしろ前向きに捉えている。もしあのまま公爵家の跡取りとして中央にいたのでは、今の自分はいなかった。カレルをはじめ、リサ、ノルデン、アントンといった王都からついてきてくれた使用人たちへの見る目も、今とは違っていただろう。
「心配かけてすまない。カレル」
カレルの発言は、いつもユリウスの身を案じてのことだ。それでもどうしてもあの希少種を王宮騎士団につきだす気にはなれない。
ユリウスがそう言うと、カレルはやれやれとため息をつきながらも、「善処いたしましょう」と頭を下げた。
3
あなたにおすすめの小説
家出を決行した結果
棗
恋愛
フィービーの婚約者ミゲルには大切な幼馴染がいる。病弱な幼馴染をいつも優先するミゲルや母が亡くなって以降溝が出来てしまった父と兄との関係にフィービーは疲れていた。
デートの約束をしてもいつも直前になって幼馴染を理由にキャンセルされ、幼馴染にしか感情を見せないミゲルを、フィービーを見ようとしない父や兄を捨てる決心をしたフィービーは侍女や執事の手を借りて家出を決行した。
自分を誰も知らない遠い場所へ行ったフィービーは、新しい人生の幕開けに期待に胸を躍らせた。
※なろうさんにも公開しています。
結婚して5年、冷たい夫に離縁を申し立てたらみんなに止められています。
真田どんぐり
恋愛
ー5年前、ストレイ伯爵家の美しい令嬢、アルヴィラ・ストレイはアレンベル侯爵家の侯爵、ダリウス・アレンベルと結婚してアルヴィラ・アレンベルへとなった。
親同士に決められた政略結婚だったが、アルヴィラは旦那様とちゃんと愛し合ってやっていこうと決意していたのに……。
そんな決意を打ち砕くかのように旦那様の態度はずっと冷たかった。
(しかも私にだけ!!)
社交界に行っても、使用人の前でもどんな時でも冷たい態度を取られた私は周りの噂の恰好の的。
最初こそ我慢していたが、ある日、偶然旦那様とその幼馴染の不倫疑惑を耳にする。
(((こんな仕打ち、あんまりよーー!!)))
旦那様の態度にとうとう耐えられなくなった私は、ついに離縁を決意したーーーー。
【完結】目覚めたら男爵家令息の騎士に食べられていた件
三谷朱花
恋愛
レイーアが目覚めたら横にクーン男爵家の令息でもある騎士のマットが寝ていた。曰く、クーン男爵家では「初めて契った相手と結婚しなくてはいけない」らしい。
※アルファポリスのみの公開です。
ヤンデレ王子を闇落ちから救ったら愛執まみれの独占欲に囚われました
大江戸ウメコ
恋愛
幼い頃に精霊の祝福である未来視の力が開花し、「夫である第二王子ナハルドに殺される」という己の運命を知った伯爵令嬢ツィーラ。この悲惨な未来を変えるべく、ツィーラは彼を避けようとしたが、ひょんなことから婚約者に選ばれてしまった! ならば、ナハルドが将来闇落ちしないよう、側で彼を支えることを決意する。そんな努力の甲斐あって、ツィーラへの好意を隠さず伝えてくるほど、ナハルドとの関係は良好になった。だけど、彼の並々ならぬ執着心のすべてを、ツィーラはまだ知らなくて――
【完結】赤ちゃんが生まれたら殺されるようです
白崎りか
恋愛
もうすぐ赤ちゃんが生まれる。
ドレスの上から、ふくらんだお腹をなでる。
「はやく出ておいで。私の赤ちゃん」
ある日、アリシアは見てしまう。
夫が、ベッドの上で、メイドと口づけをしているのを!
「どうして、メイドのお腹にも、赤ちゃんがいるの?!」
「赤ちゃんが生まれたら、私は殺されるの?」
夫とメイドは、アリシアの殺害を計画していた。
自分たちの子供を跡継ぎにして、辺境伯家を乗っ取ろうとしているのだ。
ドラゴンの力で、前世の記憶を取り戻したアリシアは、自由を手に入れるために裁判で戦う。
※1話と2話は短編版と内容は同じですが、設定を少し変えています。
おばさんは、ひっそり暮らしたい
蝋梅
恋愛
30歳村山直子は、いわゆる勝手に落ちてきた異世界人だった。
たまに物が落ちてくるが人は珍しいものの、牢屋行きにもならず基礎知識を教えてもらい居場所が分かるように、また定期的に国に報告する以外は自由と言われた。
さて、生きるには働かなければならない。
「仕方がない、ご飯屋にするか」
栄養士にはなったものの向いてないと思いながら働いていた私は、また生活のために今日もご飯を作る。
「地味にそこそこ人が入ればいいのに困るなぁ」
意欲が低い直子は、今日もまたテンション低く呟いた。
騎士サイド追加しました。2023/05/23
番外編を不定期ですが始めました。
王宮地味女官、只者じゃねぇ
宵森みなと
恋愛
地味で目立たず、ただ真面目に働く王宮の女官・エミリア。
しかし彼女の正体は――剣術・魔法・語学すべてに長けた首席卒業の才女にして、実はとんでもない美貌と魔性を秘めた、“自覚なしギャップ系”最強女官だった!?
王女付き女官に任命されたその日から、運命が少しずつ動き出す。
訛りだらけのマーレン語で王女に爆笑を起こし、夜会では仮面を外した瞬間、貴族たちを騒然とさせ――
さらには北方マーレン国から訪れた黒髪の第二王子をも、一瞬で虜にしてしまう。
「おら、案内させてもらいますけんの」
その一言が、国を揺らすとは、誰が想像しただろうか。
王女リリアは言う。「エミリアがいなければ、私は生きていけぬ」
副長カイルは焦る。「このまま、他国に連れて行かれてたまるか」
ジークは葛藤する。「自分だけを見てほしいのに、届かない」
そしてレオンハルト王子は心を決める。「妻に望むなら、彼女以外はいない」
けれど――当の本人は今日も地味眼鏡で事務作業中。
王族たちの心を翻弄するのは、無自覚最強の“訛り女官”。
訛って笑いを取り、仮面で魅了し、剣で守る――
これは、彼女の“本当の顔”が王宮を変えていく、壮麗な恋と成長の物語。
★この物語は、「枯れ専モブ令嬢」の5年前のお話です。クラリスが活躍する前で、少し若いイザークとライナルトがちょっと出ます。
嫌われ皇后は子供が可愛すぎて皇帝陛下に構っている時間なんてありません。
しあ
恋愛
目が覚めるとお腹が痛い!
声が出せないくらいの激痛。
この痛み、覚えがある…!
「ルビア様、赤ちゃんに酸素を送るためにゆっくり呼吸をしてください!もうすぐですよ!」
やっぱり!
忘れてたけど、お産の痛みだ!
だけどどうして…?
私はもう子供が産めないからだだったのに…。
そんなことより、赤ちゃんを無事に産まないと!
指示に従ってやっと生まれた赤ちゃんはすごく可愛い。だけど、どう見ても日本人じゃない。
どうやら私は、わがままで嫌われ者の皇后に憑依転生したようです。だけど、赤ちゃんをお世話するのに忙しいので、構ってもらわなくて結構です。
なのに、どうして私を嫌ってる皇帝が部屋に訪れてくるんですか!?しかも毎回イラッとするとこを言ってくるし…。
本当になんなの!?あなたに構っている時間なんてないんですけど!
※視点がちょくちょく変わります。
ガバガバ設定、なんちゃって知識で書いてます。
エールを送って下さりありがとうございました!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる