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45 混乱の中、現れたのは……
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ふと割れた窓の外に目を向ければ、馬車の外は完全に修羅場と化していた。
さっきの衝撃は、馬車を使ってこちらの馬車に体当たりしてきたものだったらしい。
横転し大破した馬車が見えた。
そして壊れた馬車のまわりには、黒装束を纏う人影が複数人。
その数は予想していたよりもかなり多く、ぱっと見ただけでも十人以上はいるようだった。
「――馬車には絶対に近付けるな! 死んでもお二人をお守りしろ!」
近衛騎士の怒号が飛ぶ。
騎士達は必死になって私達を守ってくれようとしているみたいですが、多勢に無勢。
私の護衛する近衛騎士の数は五人。
その内一人は足を負傷してしまっているようで、その足取りはおぼつかない。
その刹那、馬車が再び大きく揺れた。
ガンッ……と鈍い音を立てて、馬車の扉が大きくたわむ。
まるで外から、無理やり扉をこじ開けようとしているようだった。
「扉を、壊そうと……?」
思わず息を呑んだ。
「……フランツェスカ。申し訳ありませんが少し馬車の中で待っていてくださいますか? すぐに片づけてまいりますので」
「え、片づけるって……!」
「大丈夫です。貴女の事はなにがあっても必ずお守りします、だから少しここで待っていてくださいね。私が出たら扉を閉めて鍵をお願いします」
それだけ言うとフリードは、馬車の扉を勢いよく開け放つ。
すると扉をこじ開けようとしていた黒装束の男は、その勢いに押されて地面に身体を強く打ち付けた。
開いた扉から外の冷たい風と錆びた鉄のような匂いが一気に馬車の中へ流れ込んできた。
フリードが一瞬振り返り私に微笑んだ。
その笑顔はまるで私に大丈夫だと言っているようだった。
そして次の瞬間。
フリードは腰に帯びた剣を抜いて、外へと飛び出していった。
私はフリードに指示された通り、扉を閉めて鍵をかけ直した。
耳に聞こえてくるのは剣と剣が打ち合わさる音と、地を蹴る足音。
この扉のすぐ外で、命のやりとりが始まっている。
それなのに私は。
今一番安全な場所で守られて、ただこの戦いが終わるのを祈って待つだけ。
いつの間にか私は、守る側から守られる側になってしまっていた。
……私は王太子妃ですし、元は王女。
これが普通だと言われてしまえばそれまでなのですが、なんだか腑に落ちない。
というか、手持ち無沙汰。
ほんの少し前まで私もそっち側にいたはずなのにと、飛び出していったフリードの事を少し羨ましく思うのは、間違っているとは自分でもちゃんとわかっている。
けれど……誰かに守られているだけの可愛いお姫様に私はやっぱりなれそうにない。
――その時。
馬車の扉が乱暴に叩き壊され、黒装束の男が中へと侵入してきた。
「お前が……フランツェスカ・モルゲンロートだな?」
「やっぱり私を狙っているのね? お前達にそう指示したのは誰かしら、教えてくださらない?」
護身用に隠し持っていた短剣を、黒装束の男に気付かれぬようにドレスの中からそっと取り出す。
「今から死ぬお前に、関係ない」
「……あら、冥土の土産に教えてくださってもよろしいのではなくて? つれない人ね?」
「ふん、これから貴族は口が減らない! 大人しく黙って死ね!」
大振りで振り下ろされる刃。
「フランツェスカっ……!」
その瞬間、私の名を呼ぶ声が聞こえた。
けれどその時には既に私の身体は動いていた。
剣を扱う感覚は全部身体に染みついている。
だから息をするように自然と動けた。
短剣で男の剣を弾く。
そしてその勢いのまま私は一歩前に踏み込み、喉元へと短剣を押し当てた。
手に伝わるのは刃が肉に浅く入る感覚。
そっと刃を横に引いてやれば、黒装束の男は血飛沫を大きく上げながら床に倒れていった。
「……まだ身体は鈍っていないようですね、フリードは大丈夫でしょうか……?」
フリードの事は大して心配していない。
私が打ち取れなかった男ですし、この程度のことで殺されるはずがない。
だからたぶん大丈夫。
でも、少し……気になった。
――けれど。
私にはフリードを気にしている暇などなかった。
もう一人。
また別の黒装束の男が、私の背後に回り込んでいた。
それに気づいた時にはもう遅くて。
刃がこちらに向かって振り下ろされていた。
「死ね……!」
だけどその刃を、別の剣が弾いた――。
「フランツェスカ!」
振り返るとそこにはフリードがいて、私を庇うようにして剣を構えていた。
そしてその右腕からは血がぼたぼたと流れ落ちていて、地面を赤に染めていた。
「フリード!」
「フランツェスカ、怪我は……!?」
「どうして……?」
そしてフリードは痛みに顔を歪めながらも渾身の力で、黒装束の男を薙ぎ払った。
薙ぎ払われた男はそのまま地に崩れ落ちて、ぴくりとも動かなくなった。
「……言ったはずです、貴女のことはなにがあっても守ると。あ、お怪我はありませんか?」
「私に怪我はありません、怪我をしているのは貴方じゃないですか……!」
「このくらいは別に大したことはありません。ですが……そこに倒れているのは、もしやフランツェスカが?」
「えっ……いや、これは、えっと、その……?」
……ついうっかりしていました。
言い訳……どうしましょう。
これ、今さら隠せますかね……?
「フランツェスカ、これが終わったらいい加減話していただきますからね? 覚悟しておいてください」
そう言って微笑んだフリードの顔には『今度は絶対に逃がさない』と書いてあって。
……今すぐにでも逃げ出したくなった。
そんな私達二人の会話を余所に馬車の外では、まだ戦いが続いていた。
争う声と金属がぶつかり合う音が、狭い馬車の中にまで響いてくる。
外では近衛騎士たちが必死に応戦しているけれど、やはり数が多い。
その時、遠くの方から馬の蹄が大地を打ち鳴らす音が近づいてきた。
「敵の包囲、制圧を開始! 一人残らず捕まえろ! 抵抗するものは殺してもかまわん!」
……声が聞こえた。
聞き覚えのある、声。
そして馬車の外がさっきよりもさらにざわめいた後、剣戟の音が次々と止んでいった。
フリードがふらつきながらも私の前に立って、周囲を警戒する。
その背中越しに、とても見覚えのある軍旗が目に入る。
「あの軍旗、どうして……!」
やってきたのはモルゲンロートの第三騎士団。
……でもどうして第三騎士団がここに?
ここはシュヴァルツヴァルトの領内なのに。
「フランツェスカ!」
その声を聞いた瞬間、胸の奥がひどく締め付けられた。
……聞き間違えるはずがない。
けれど、ありえない。
だって、だってその人は――!
そんな混乱の中、私の前に現れたのは。
我が父、ルドルフ・モルゲンロート。
「どう……し……て……」
信じられない光景に、上手く言葉を発せない。
だってここはシュヴァルツヴァルト。
なのになぜ、モルゲンロート国王であるクソ親父がここに……?
「モルゲンロートの国王!? なぜここに……」
私の前にいるフリードも驚いている。
「フランツェスカ! 無事か!? 怪我は? どこか痛むところはないか!」
そして私はクソ親父の腕の中に引き寄せられ、強く抱き締められた。
まるで愛しい我が子をその手に抱くように。
そしてもう二度と離すまいとでも言うように。
「は……?」
ふと割れた窓の外に目を向ければ、馬車の外は完全に修羅場と化していた。
さっきの衝撃は、馬車を使ってこちらの馬車に体当たりしてきたものだったらしい。
横転し大破した馬車が見えた。
そして壊れた馬車のまわりには、黒装束を纏う人影が複数人。
その数は予想していたよりもかなり多く、ぱっと見ただけでも十人以上はいるようだった。
「――馬車には絶対に近付けるな! 死んでもお二人をお守りしろ!」
近衛騎士の怒号が飛ぶ。
騎士達は必死になって私達を守ってくれようとしているみたいですが、多勢に無勢。
私の護衛する近衛騎士の数は五人。
その内一人は足を負傷してしまっているようで、その足取りはおぼつかない。
その刹那、馬車が再び大きく揺れた。
ガンッ……と鈍い音を立てて、馬車の扉が大きくたわむ。
まるで外から、無理やり扉をこじ開けようとしているようだった。
「扉を、壊そうと……?」
思わず息を呑んだ。
「……フランツェスカ。申し訳ありませんが少し馬車の中で待っていてくださいますか? すぐに片づけてまいりますので」
「え、片づけるって……!」
「大丈夫です。貴女の事はなにがあっても必ずお守りします、だから少しここで待っていてくださいね。私が出たら扉を閉めて鍵をお願いします」
それだけ言うとフリードは、馬車の扉を勢いよく開け放つ。
すると扉をこじ開けようとしていた黒装束の男は、その勢いに押されて地面に身体を強く打ち付けた。
開いた扉から外の冷たい風と錆びた鉄のような匂いが一気に馬車の中へ流れ込んできた。
フリードが一瞬振り返り私に微笑んだ。
その笑顔はまるで私に大丈夫だと言っているようだった。
そして次の瞬間。
フリードは腰に帯びた剣を抜いて、外へと飛び出していった。
私はフリードに指示された通り、扉を閉めて鍵をかけ直した。
耳に聞こえてくるのは剣と剣が打ち合わさる音と、地を蹴る足音。
この扉のすぐ外で、命のやりとりが始まっている。
それなのに私は。
今一番安全な場所で守られて、ただこの戦いが終わるのを祈って待つだけ。
いつの間にか私は、守る側から守られる側になってしまっていた。
……私は王太子妃ですし、元は王女。
これが普通だと言われてしまえばそれまでなのですが、なんだか腑に落ちない。
というか、手持ち無沙汰。
ほんの少し前まで私もそっち側にいたはずなのにと、飛び出していったフリードの事を少し羨ましく思うのは、間違っているとは自分でもちゃんとわかっている。
けれど……誰かに守られているだけの可愛いお姫様に私はやっぱりなれそうにない。
――その時。
馬車の扉が乱暴に叩き壊され、黒装束の男が中へと侵入してきた。
「お前が……フランツェスカ・モルゲンロートだな?」
「やっぱり私を狙っているのね? お前達にそう指示したのは誰かしら、教えてくださらない?」
護身用に隠し持っていた短剣を、黒装束の男に気付かれぬようにドレスの中からそっと取り出す。
「今から死ぬお前に、関係ない」
「……あら、冥土の土産に教えてくださってもよろしいのではなくて? つれない人ね?」
「ふん、これから貴族は口が減らない! 大人しく黙って死ね!」
大振りで振り下ろされる刃。
「フランツェスカっ……!」
その瞬間、私の名を呼ぶ声が聞こえた。
けれどその時には既に私の身体は動いていた。
剣を扱う感覚は全部身体に染みついている。
だから息をするように自然と動けた。
短剣で男の剣を弾く。
そしてその勢いのまま私は一歩前に踏み込み、喉元へと短剣を押し当てた。
手に伝わるのは刃が肉に浅く入る感覚。
そっと刃を横に引いてやれば、黒装束の男は血飛沫を大きく上げながら床に倒れていった。
「……まだ身体は鈍っていないようですね、フリードは大丈夫でしょうか……?」
フリードの事は大して心配していない。
私が打ち取れなかった男ですし、この程度のことで殺されるはずがない。
だからたぶん大丈夫。
でも、少し……気になった。
――けれど。
私にはフリードを気にしている暇などなかった。
もう一人。
また別の黒装束の男が、私の背後に回り込んでいた。
それに気づいた時にはもう遅くて。
刃がこちらに向かって振り下ろされていた。
「死ね……!」
だけどその刃を、別の剣が弾いた――。
「フランツェスカ!」
振り返るとそこにはフリードがいて、私を庇うようにして剣を構えていた。
そしてその右腕からは血がぼたぼたと流れ落ちていて、地面を赤に染めていた。
「フリード!」
「フランツェスカ、怪我は……!?」
「どうして……?」
そしてフリードは痛みに顔を歪めながらも渾身の力で、黒装束の男を薙ぎ払った。
薙ぎ払われた男はそのまま地に崩れ落ちて、ぴくりとも動かなくなった。
「……言ったはずです、貴女のことはなにがあっても守ると。あ、お怪我はありませんか?」
「私に怪我はありません、怪我をしているのは貴方じゃないですか……!」
「このくらいは別に大したことはありません。ですが……そこに倒れているのは、もしやフランツェスカが?」
「えっ……いや、これは、えっと、その……?」
……ついうっかりしていました。
言い訳……どうしましょう。
これ、今さら隠せますかね……?
「フランツェスカ、これが終わったらいい加減話していただきますからね? 覚悟しておいてください」
そう言って微笑んだフリードの顔には『今度は絶対に逃がさない』と書いてあって。
……今すぐにでも逃げ出したくなった。
そんな私達二人の会話を余所に馬車の外では、まだ戦いが続いていた。
争う声と金属がぶつかり合う音が、狭い馬車の中にまで響いてくる。
外では近衛騎士たちが必死に応戦しているけれど、やはり数が多い。
その時、遠くの方から馬の蹄が大地を打ち鳴らす音が近づいてきた。
「敵の包囲、制圧を開始! 一人残らず捕まえろ! 抵抗するものは殺してもかまわん!」
……声が聞こえた。
聞き覚えのある、声。
そして馬車の外がさっきよりもさらにざわめいた後、剣戟の音が次々と止んでいった。
フリードがふらつきながらも私の前に立って、周囲を警戒する。
その背中越しに、とても見覚えのある軍旗が目に入る。
「あの軍旗、どうして……!」
やってきたのはモルゲンロートの第三騎士団。
……でもどうして第三騎士団がここに?
ここはシュヴァルツヴァルトの領内なのに。
「フランツェスカ!」
その声を聞いた瞬間、胸の奥がひどく締め付けられた。
……聞き間違えるはずがない。
けれど、ありえない。
だって、だってその人は――!
そんな混乱の中、私の前に現れたのは。
我が父、ルドルフ・モルゲンロート。
「どう……し……て……」
信じられない光景に、上手く言葉を発せない。
だってここはシュヴァルツヴァルト。
なのになぜ、モルゲンロート国王であるクソ親父がここに……?
「モルゲンロートの国王!? なぜここに……」
私の前にいるフリードも驚いている。
「フランツェスカ! 無事か!? 怪我は? どこか痛むところはないか!」
そして私はクソ親父の腕の中に引き寄せられ、強く抱き締められた。
まるで愛しい我が子をその手に抱くように。
そしてもう二度と離すまいとでも言うように。
「は……?」
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