9 / 14
二人のひめごとについて3 ※
しおりを挟む
カイルは目の前の美しい人を見た。
カイルは顔をいじったりはしていない。
代々王家に使えていく中であまり目立たない者同士で血を残してきたため元々地味な顔つきだ。
途中で突然顔が変わっても、その思い出と結び付けられてしまう。
ルイスはそのカイルの平凡な顔を愛おし気に撫でた。
もっと美しい、それこそなんとかの宝石と言われるような姫君を娶るのだ。
一言それが欲しいと言ってくれさえすればどんな謀略を使ってでもルイスの横にその宝石を飾ってやれた。
それは、この先も変わらない。
ルイスもそのことは知っているだろう。
お互いに会話は無かった。
ルイスの指がカイルの後孔に触れる。
最初からそういう目的にも使われる部屋なのだろう。
潤滑油はベッドサイドに置いてあった。
それをルイスは指に取るとカイルの内側に塗り込むようにほぐしていった。
はっ、はっ、という犬の様な吐息がもれる。
声を出した方がいいのかカイルは悩んだ。
房中術は習っていないが、痛みに対する訓練は受けていた。
そういう時声を出すことも逆に出さないこともできる。
大げさに痛がった方がペラペラと情報を口にするものは存外多い。
目の前の男が何を望んでいるのかをカイルは考えた。
そして、望んている方を叶えてやりたいと思っている自分に気が付いた。
ああ、自分はルイスの喜ぶことがしてやりたいのだ。
カイルは微笑むように目を細めると、「声を我慢するのと、しないの、どちらがいいですか?」と聞いた。
ルイスは少し驚いた顔をしてカイルを見た。
それから少しだけ間を開けてこう言った。
「俺の妄想の中のカイルはいつも淫らにあえいでいたよ」
ルイスは嘘なのか本当なのか分からないことを言った。
本当か嘘かはこの際どうでもよかった。
「なら、そうすることにする」
カイルはそれだけ返すと、声を出すことを我慢することをやめた。
カイルは顔をいじったりはしていない。
代々王家に使えていく中であまり目立たない者同士で血を残してきたため元々地味な顔つきだ。
途中で突然顔が変わっても、その思い出と結び付けられてしまう。
ルイスはそのカイルの平凡な顔を愛おし気に撫でた。
もっと美しい、それこそなんとかの宝石と言われるような姫君を娶るのだ。
一言それが欲しいと言ってくれさえすればどんな謀略を使ってでもルイスの横にその宝石を飾ってやれた。
それは、この先も変わらない。
ルイスもそのことは知っているだろう。
お互いに会話は無かった。
ルイスの指がカイルの後孔に触れる。
最初からそういう目的にも使われる部屋なのだろう。
潤滑油はベッドサイドに置いてあった。
それをルイスは指に取るとカイルの内側に塗り込むようにほぐしていった。
はっ、はっ、という犬の様な吐息がもれる。
声を出した方がいいのかカイルは悩んだ。
房中術は習っていないが、痛みに対する訓練は受けていた。
そういう時声を出すことも逆に出さないこともできる。
大げさに痛がった方がペラペラと情報を口にするものは存外多い。
目の前の男が何を望んでいるのかをカイルは考えた。
そして、望んている方を叶えてやりたいと思っている自分に気が付いた。
ああ、自分はルイスの喜ぶことがしてやりたいのだ。
カイルは微笑むように目を細めると、「声を我慢するのと、しないの、どちらがいいですか?」と聞いた。
ルイスは少し驚いた顔をしてカイルを見た。
それから少しだけ間を開けてこう言った。
「俺の妄想の中のカイルはいつも淫らにあえいでいたよ」
ルイスは嘘なのか本当なのか分からないことを言った。
本当か嘘かはこの際どうでもよかった。
「なら、そうすることにする」
カイルはそれだけ返すと、声を出すことを我慢することをやめた。
114
あなたにおすすめの小説
雪解けに愛を囁く
ノルねこ
BL
平民のアルベルトに試験で負け続けて伯爵家を廃嫡になったルイス。
しかしその試験結果は歪められたものだった。
実はアルベルトは自分の配偶者と配下を探すため、身分を偽って学園に通っていたこの国の第三王子。自分のせいでルイスが廃嫡になってしまったと後悔するアルベルトは、同級生だったニコラスと共にルイスを探しはじめる。
好きな態度を隠さない王子様×元伯爵令息(現在は酒場の店員)
前・中・後プラスイチャイチャ回の、全4話で終了です。
別作品(俺様BL声優)の登場人物と名前は同じですが別人です! 紛らわしくてすみません。
小説家になろうでも公開中。
【完結済】王子を嵌めて国中に醜聞晒してやったので殺されると思ってたら溺愛された。
うらひと
BL
学園内で依頼をこなしていた魔術師のクリスは大物の公爵の娘からの依頼が入る……依頼内容は婚約者である王子からの婚約破棄!!
高い報酬に目が眩んで依頼を受けてしまうが……18Rには※がついています。
ムーン様にも投稿してます。
学園一のスパダリが義兄兼恋人になりました
すいかちゃん
BL
母親の再婚により、名門リーディア家の一員となったユウト。憧れの先輩・セージュが義兄となり喜ぶ。だが、セージュの態度は冷たくて「兄弟になりたくなかった」とまで言われてしまう。おまけに、そんなセージュの部屋で暮らす事になり…。
第二話「兄と呼べない理由」
セージュがなぜユウトに冷たい態度をとるのかがここで明かされます。
第三話「恋人として」は、9月1日(月)の更新となります。
躊躇いながらもセージュの恋人になったユウト。触れられたりキスされるとドキドキしてしまい…。
そして、セージュはユウトに恋をした日を回想します。
第四話「誘惑」
セージュと親しいセシリアという少女の存在がユウトの心をざわつかせます。
愛される自信が持てないユウトを、セージュは洗面所で…。
第五話「月夜の口づけ」
セレストア祭の夜。ユウトはある人物からセージュとの恋を反対され…という話です。
【完結】悪妻オメガの俺、離縁されたいんだけど旦那様が溺愛してくる
古井重箱
BL
【あらすじ】劣等感が強いオメガ、レムートは父から南域に嫁ぐよう命じられる。結婚相手はヴァイゼンなる偉丈夫。見知らぬ土地で、見知らぬ男と結婚するなんて嫌だ。悪妻になろう。そして離縁されて、修道士として生きていこう。そう決意したレムートは、悪妻になるべくワガママを口にするのだが、ヴァイゼンにかえって可愛らがれる事態に。「どうすれば悪妻になれるんだ!?」レムートの試練が始まる。【注記】海のように心が広い攻(25)×気難しい美人受(18)。ラブシーンありの回には*をつけます。オメガバースの一般的な解釈から外れたところがあったらごめんなさい。更新は気まぐれです。アルファポリスとムーンライトノベルズ、pixivに投稿。
男同士で番だなんてあってたまるかよ
だいたい石田
BL
石堂徹は、大学の授業中に居眠りをしていた。目覚めたら見知らぬ場所で、隣に寝ていた男にキスをされる。茫然とする徹に男は告げる。「お前は俺の番だ。」と。
――男同士で番だなんてあってたまるかよ!!!
※R描写がメインのお話となります。
この作品は、ムーンライト、ピクシブにて別HNにて投稿しています。
毎日21時に更新されます。8話で完結します。
2019年12月18日追記
カテゴリを「恋愛」から「BL」に変更いたしました。
カテゴリを間違えてすみませんでした。
ご指摘ありがとうございました。
ある国の皇太子と侯爵家令息の秘め事
虎ノ威きよひ
BL
皇太子×侯爵家令息。
幼い頃、仲良く遊び友情を確かめ合った二人。
成長して貴族の子女が通う学園で再会し、体の関係を持つようになった。
そんな二人のある日の秘め事。
前後編、4000字ほどで完結。
Rシーンは後編。
オメガなのにムキムキに成長したんだが?
未知 道
BL
オメガという存在は、庇護欲が湧く容姿に成長する。
なのに俺は背が高くてムキムキに育ってしまい、周囲のアルファから『間違っても手を出したくない』と言われたこともある。
お見合いパーティーにも行ったが、あまりに容姿重視なアルファ達に「ざっけんじゃねー!! ヤルことばかりのくそアルファ共がぁああーーー!!」とキレて帰り、幼なじみの和紗に愚痴を聞いてもらう始末。
発情期が近いからと、帰りに寄った病院で判明した事実に、衝撃と怒りが込み上げて――。
※攻めがけっこうなクズです。でも本人はそれに気が付いていないし、むしろ正当なことだと思っています。
同意なく薬を服用させる描写がありますので、不快になる方はブラウザバックをお願いします。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる