クラス転移で一人だけ地味スキル【回避】が無能だと判断され理不尽にも追放された男の復讐劇

Leiren Storathijs

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第1章 解放

第23話 裏切り

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 僕はグレイブ王子が皇帝の座を取り戻すために革命を起こすことを協力する。そのためにはまず、現皇帝に支配され若しくは洗脳されている帝国民に呼びかけ、少しでも先代皇帝派の派閥を作る事が最優先だった。
 それを達成するのに必要なのは帝国民の信頼だ。信頼を最も早く集めるには冒険者となって帝国民の役に立つこと。

 僕は最初はスチールランクの難易度Fしか依頼を受けられないグレイブをサポートし、帝国内の荷物運搬依頼を受けた。
 鉱石を運び、武器を運び、個人の荷物を運ぶ。ついでに貴族の悪巧みも解決した。
 これによって集まる信頼は本当に雀の涙程度だろうが、此処からグレイブ先代皇帝の活動が始まるんだと僕は思った。

 依頼を完了させて、冒険者ギルドに報酬を貰いに行く。受付からは依頼者に本当に助かったなど感謝の手紙が多数送られて来たとあり、グレイブもそれに心を躍らせていた。
 依頼報酬は依頼全達成でギルドから特別手当と依頼者個別の報酬を合わせて35万オロとなった。幸先が良い金額だ。

 とは言うが今の今まで見てきたこのオロという通貨。見た目はファンタジーにあるような金貨の見た目をしているけど、日本円にしたらどれだけなんだろう? もし1オロ1円だったら……相当この世界の物価高いよね?
 いや、物価も世界と国が基準だから比較のしようは無いんだけど。

『いやー良い仕事をした。これを続けて帝国民の信頼を上げつつ力をつけていけば良いんだな』

「さすか伊達に皇帝になるために育てられていないんだね。まだ体力が有り余っているんだろう? 僕なら一つ目の鉱石運搬でとうに限界だった筈だ。 確か戦闘も出来るって聞いたけど今グレイブのレベルっていくつ?」

『ん? 僕はまだレベル40だよ』

「え……」

 僕は絶句した。僕より36も高いなんてことは全ての人間に言えるとして、とても強いんだろうなという、不本意に怒らせたらまずいという僕の本能的な恐怖を思い出させた。
 いや、もしかしたらグレイブを復活させたあの男や僕の協力をしてくれたエルフのエリナのレベルを聞いたら同じように感じていただろう。
 これからはあまり人のレベルは聞かない方が良いと僕は思った。僕なら勝てると慢心できるようにね。

「へ、へぇー。なるほどね。僕のレベルは6だ。やっぱり長く生きていると違うね。まぁ、レベルなんて所詮数値でしか無い。多少の能力向上はあるかもしれないが、戦闘は最終的には技術で変わるから」

『うむ。たしかにそうだ。なに、レベル6だからって馬鹿にはしないよ。レベルの上がりやすさは人によって違うからね』

「へー」

 この話はこれまでとし、グレイブはギルドの受付から、スチールランクからブロンズランクへの昇格を言い渡された。これで難易度E~Cまでを受けられるようになった。
 しかし冒険者曰く、此処からがシルバーへの道が長いという。
 確かに僕でさえ、帝国周辺の狼の縄張りを制圧した程度じゃシルバーには上がれなかった。本当に苦しいんだろうなあ。

 それともう一つの報酬で『Fランク信頼証』これは、最もギルドからして難易度が高いFの依頼を完全達成した証で、これを帝国民に見せればギルドを介さなくても小さな依頼を受けられるらしい。

『よし、じゃあ次の依頼を選ぼう』

「いや、ごめん。移動だけでも僕疲れたからさ。今日は僕の拠点で休もう」

 僕の仮拠点は馬車の移動費を浮かせるために宿屋としているが、なんだか今日は自分の家に行きたくなった。と言っても未だにプレハブ小屋の僕の家は快適というには程遠いけど、そんな寝心地の悪さも一興ということさ。
 馬車の移動費はグレイブに払ってもらった。どうせこれから稼ぎまくるんだ。少しくらいは良いだろう。

『此処がハクくんの家か! まだ建設中なのかな?』

「うん。完成まで二ヶ月かかるらしい。でもここ最近いろんなことに巻き込まれてすぎて一日が凄く長く感じるんだよねぇ。二ヶ月っていつになるんだろう。
 家の中はベッド一つしかないから、ほら今さっきアウトドア用の寝袋を買ったんだ。僕は家のベッドだけど、グレイブはこれで寝てくれ。生憎僕は男と寝る趣味はないんでね」

『ははは……ありがとう』

 帝国の雑貨屋で買った。僕が持つバッグと同じの店でこれまた破格の一つ3,000オロで売っていて衝動買いしてしまった。あそこはどうして此処まで色々な物が安く売られているんだろう。

『む……ちょっと匂うけど気にする程でも無いかな……』

 あーもしかして中古品かな。
 
◆◇◆◇翌日の朝◆◇◆◇

『ハクくん。起きてくれ! 早く!』

「グレイブ、僕は子供じゃない。わざわざ起こしに来なくて良いよ」

『外だ! 外に軍人らしき人達が集まっている! ハクくんを呼んでいるようだけど』

 軍人? それに僕を呼んでいる? 帝国の人間ならノルデン皇帝に謁見してから下手なことはやっていない筈だ。いや、あのクズ皇帝ならやりかねないかもしれないが、そもそも今の状況が悪いものとも限らない。
 じゃあどこの軍人だ?

 僕はグレイブに叩き起こされ、眠気で霞んだ目を擦りながら外へ出る。
 すると目の前には真っ黒な軍服を来た軍人が約50人。さらに一番前にはかなり見覚えのある人間が一人。そう、王国の王様だった。
 あー、もしかして勇者君が本当に伝えてくれたんだねぇ。それで僕にわざわざ会いに来てくれたってことか。

「これはこれは王様直々にご足労いただきありがとう。それで、なんの用かな?」

「勇者、一条光輝から聞いたぞ。まさか本当に生きていたとはなぁ。いやはや、我々としたことが勝手に無能と判断して済まないと思っている。これから君の生存力を見直そうと思う」

「ほう、それは願ったり叶ったりだね。じゃあ僕の力は無能ではないと考え直し、勇者としてもう一度迎えてくれるのかな?」

「あぁ、そうだな。お前、影白はこれより王国勇者一行と認め、同時に我々に対する脅威だと判断する。よって貴様は我々の排除対象。即ち、勇者の敵と断定する。
 これは現勇者一行全てに告知し、影白という存在は魔王と同一であると知らしめ、貴様を討伐した暁には、王国から1億オロを支払うと約束する。
 さらに貴様を指名手配とし、王国とその他全て国と都市、全世界に配布する。
 罪人は許されても所詮は罪人なんだよ。死してその運命を受け止めると良い」

 これは大きく予想外だ。勿論、王国に敵視されるかもしれないということは考えてはいたが、勇者の排除対象であり、全世界に指名手配書を配布しただって!?
 まさか自分の行動が世界を敵に回す事になるとは。
 それにこの全世界に向けた指名手配は、王国発というのは、勇者を召喚した国としての信頼もあり、生き残った罪人を処刑するのに何も可笑しなことは無いはすだ。

 これは汚名返上に時間がかかりそうだ。
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