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第2章 エリクシア
第47話 活気
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鬼堂正晴基、炎鬼の覚醒からガラムラルクの協力によって何とか炎鬼が逃げるまで戦えたが、最早炎鬼はこちらを本気で殺すつもりで来ている。もう少しここでゆっくりしたいけれど、力を付けてすぐに炎鬼がまた襲ってくる可能性もある。長居は出来ない。
それとゆっくりしたいのは山々だけど、僕は1つ忘れていたことがあった。
冒険者ギルドの管理だ。グレイブ皇帝に出来る限り早めに冒険者や商人をガレオン魔導都市に流してくれとか言ったんだっけ。
もう来ているはずだ。そして炎鬼のトラブルに頭を抱えているところだろうか。
僕は心配になりすぐに冒険者ギルドへ行った。
すると予想は的中。冒険者ギルドの扉の前には数百人には登る冒険者や商人らしき身なりの人々が押し寄せ、何故か扉は閉まっており、冒険者たちは混乱と怒りで騒ぎまくっていた。
僕はなんとか人だかりを掻き分けて、冒険者ギルドへ裏口から入る。
裏口の扉を開くと、中から手を勢いよく引っ張られた。
「ざけんじゃねぇ!! 何してたんだこの馬鹿野郎! 俺はギルドの管理とかしたことねぇつったろ! お前の言う通りマジでとんでもねぇ数の冒険者が来るわ、急に停電で扉が強制的に閉まって外に出られなくなるわ、そのせいで今みたいに扉をガンガン叩きまくる奴らが現れるわ! どうしたらいいんだよ!」
「あーごめん。トラブルに関しては僕のせいだ。まずはギルドの中にいる冒険者から整理して、外の人達には列を作ってもらおう。レオン、手伝ってくれるか?」
「ったくしょうがねぇなぁ……」
ガルムラルクのレオン、テツ、レイ、ジン、コール、レイクは外の冒険者への呼びかけ、僕は冒険者ギルド運営者兼研究員をしているヴェインと一緒に冒険者ギルド中の人たちを整理することにした。
整理と言ってもこの数だ。まず何をすれば良いんだろう。とりあえず静かになってもらおうかな。
えーと、何か使える物は……。
「ねぇヴェイン。この人達を一気に静かにさせることは出来ないかな?」
「はぁ? まさか俺が研究員だからって秘密道具を頼りにしてるじゃねぇだろうなぁ? 生憎そんな都合の良いもん持ってねぇよ。とりあえず脅かせば良いんじゃねぇか?」
「脅かす……か」
僕はふと一つの手段を思いつく。あまりやりたくは無いんだけど、大勢を一気に静かにさせるには効果的なんだよね。
僕の思い付いた方法は威嚇だ。と言ってもそんなスキルを持っているわけではない。
スキルが無くても良いものがあるじゃ無いか。これで机でもなんでもぶった斬って仕舞えば……。
「ヴェインは魔力いくつある?」
「なんだよ急に。あー、260はあるな」
「良し! これを使って机をぶった斬ってくれ! 修理代は僕が出すから」
「はぁ!? はーこうなったのは全部お前のせいだからな! 責任は全部負ってくれるんだろ!? 分かったよ! この野郎おおぉ!」
僕はヴェインにリアクターブレードを渡し、カウンターに向かって思いっきり振り下ろしてもらう。
リアクターブレードから剣型の長細いビームが発さられると、まるで溶けたバターのようにギルドカウンターが切断される。
「な、なんだ!? カウンターがぶった斬られたぞ!?」
「あーみんなごめん。ちょっと静かにしてくれないかな? 君たちがいつまでも騒いでちゃ出来ることができなくなってしまうんだ」
「お、おう……すまない」
さっきまであった耳を劈くほどの喧騒が嘘だったかのように静まり返った。
良かった。あまり悪くは思われていないようだ。
さて、ギルド運営を始めよう。
「外でも他の人を待たせているから、とりあえず全員ガレオン冒険者ギルドは仮登録として、此処に名前を記入してくれ。明日か明後日くらいに本登録やら依頼だの掻き集めてくるから。
先ずは名前を記入したら、此処で冒険者ギルドの従業員を募集する。やりたい人だけ残ってくれ」
まずはこれが無難でしょ。今日中に全員捌くのは、ギルド運営未経験のヴェインと僕じゃ到底不可能だ。
出来れば経験者が欲しい。
◆◇◆◇◆◇
こうして全員の仮登録と従業員の雇用は夜になって漸く終わった。仮登録した冒険者や商人はぞろぞろとギルドから出て宿屋へ向かったが、雇用した従業員は早速仕事を頼み、終わった頃には全員ヘトヘトだった。
「初仕事キツすぎ……」
「ギルド運営って0からやるとめちゃくちゃ大変なんですねぇ」
「いや、そこはギルドマスターになったヴェインと運営責任者である僕が未経験だからだと思うよ。きっと経験者ならもっと効率よくできたと思う。それはそうとヴェイン、あれだけの冒険者や商人は皆宿屋に行ったと聞いたけど、入りきるのかい?」
「あーそれな。地下に大規模魔式機構があるのは知ってるな? 実はその周りに地下シェルターも設けてんだよ。なんのために作ったかは知らねぇが、もしかしたらこのために作られたのかもな」
「へー。じゃあ明日はゆっくりと準備開始だね。あーとヴェイン。僕はガレオンには長居するつもりはないから、明後日くらいには仕事内容覚えて、従業員に指示してくれくれるかな?」
「は? 何勝手に言ってんだ。俺は仕事なんざするつもりはねぇぞ? 勝手に仕事増やしやがって……給料が増えるのは良いが、研究以外の仕事を増やすのは勘弁してくれ」
「大丈夫だって。たった一度仕事を指示すればいいんだって。たまに従業員から質問や冒険者から話がくるかも知れないけど、これからはヴェインがギルドマスターであり運営者になるんだ。頑張ってくれ」
「てめっ何責任押し付けてんだよ。はぁ~めんどくせぇなぁ」
こうして僕はこれにて、ギルドマスターヴェインに全ての仕事を押し付け、ガレオン出発の準備を整えることにした。
ヴェインには悪いが、きっとなんとかしてくれるだろう。
それとゆっくりしたいのは山々だけど、僕は1つ忘れていたことがあった。
冒険者ギルドの管理だ。グレイブ皇帝に出来る限り早めに冒険者や商人をガレオン魔導都市に流してくれとか言ったんだっけ。
もう来ているはずだ。そして炎鬼のトラブルに頭を抱えているところだろうか。
僕は心配になりすぐに冒険者ギルドへ行った。
すると予想は的中。冒険者ギルドの扉の前には数百人には登る冒険者や商人らしき身なりの人々が押し寄せ、何故か扉は閉まっており、冒険者たちは混乱と怒りで騒ぎまくっていた。
僕はなんとか人だかりを掻き分けて、冒険者ギルドへ裏口から入る。
裏口の扉を開くと、中から手を勢いよく引っ張られた。
「ざけんじゃねぇ!! 何してたんだこの馬鹿野郎! 俺はギルドの管理とかしたことねぇつったろ! お前の言う通りマジでとんでもねぇ数の冒険者が来るわ、急に停電で扉が強制的に閉まって外に出られなくなるわ、そのせいで今みたいに扉をガンガン叩きまくる奴らが現れるわ! どうしたらいいんだよ!」
「あーごめん。トラブルに関しては僕のせいだ。まずはギルドの中にいる冒険者から整理して、外の人達には列を作ってもらおう。レオン、手伝ってくれるか?」
「ったくしょうがねぇなぁ……」
ガルムラルクのレオン、テツ、レイ、ジン、コール、レイクは外の冒険者への呼びかけ、僕は冒険者ギルド運営者兼研究員をしているヴェインと一緒に冒険者ギルド中の人たちを整理することにした。
整理と言ってもこの数だ。まず何をすれば良いんだろう。とりあえず静かになってもらおうかな。
えーと、何か使える物は……。
「ねぇヴェイン。この人達を一気に静かにさせることは出来ないかな?」
「はぁ? まさか俺が研究員だからって秘密道具を頼りにしてるじゃねぇだろうなぁ? 生憎そんな都合の良いもん持ってねぇよ。とりあえず脅かせば良いんじゃねぇか?」
「脅かす……か」
僕はふと一つの手段を思いつく。あまりやりたくは無いんだけど、大勢を一気に静かにさせるには効果的なんだよね。
僕の思い付いた方法は威嚇だ。と言ってもそんなスキルを持っているわけではない。
スキルが無くても良いものがあるじゃ無いか。これで机でもなんでもぶった斬って仕舞えば……。
「ヴェインは魔力いくつある?」
「なんだよ急に。あー、260はあるな」
「良し! これを使って机をぶった斬ってくれ! 修理代は僕が出すから」
「はぁ!? はーこうなったのは全部お前のせいだからな! 責任は全部負ってくれるんだろ!? 分かったよ! この野郎おおぉ!」
僕はヴェインにリアクターブレードを渡し、カウンターに向かって思いっきり振り下ろしてもらう。
リアクターブレードから剣型の長細いビームが発さられると、まるで溶けたバターのようにギルドカウンターが切断される。
「な、なんだ!? カウンターがぶった斬られたぞ!?」
「あーみんなごめん。ちょっと静かにしてくれないかな? 君たちがいつまでも騒いでちゃ出来ることができなくなってしまうんだ」
「お、おう……すまない」
さっきまであった耳を劈くほどの喧騒が嘘だったかのように静まり返った。
良かった。あまり悪くは思われていないようだ。
さて、ギルド運営を始めよう。
「外でも他の人を待たせているから、とりあえず全員ガレオン冒険者ギルドは仮登録として、此処に名前を記入してくれ。明日か明後日くらいに本登録やら依頼だの掻き集めてくるから。
先ずは名前を記入したら、此処で冒険者ギルドの従業員を募集する。やりたい人だけ残ってくれ」
まずはこれが無難でしょ。今日中に全員捌くのは、ギルド運営未経験のヴェインと僕じゃ到底不可能だ。
出来れば経験者が欲しい。
◆◇◆◇◆◇
こうして全員の仮登録と従業員の雇用は夜になって漸く終わった。仮登録した冒険者や商人はぞろぞろとギルドから出て宿屋へ向かったが、雇用した従業員は早速仕事を頼み、終わった頃には全員ヘトヘトだった。
「初仕事キツすぎ……」
「ギルド運営って0からやるとめちゃくちゃ大変なんですねぇ」
「いや、そこはギルドマスターになったヴェインと運営責任者である僕が未経験だからだと思うよ。きっと経験者ならもっと効率よくできたと思う。それはそうとヴェイン、あれだけの冒険者や商人は皆宿屋に行ったと聞いたけど、入りきるのかい?」
「あーそれな。地下に大規模魔式機構があるのは知ってるな? 実はその周りに地下シェルターも設けてんだよ。なんのために作ったかは知らねぇが、もしかしたらこのために作られたのかもな」
「へー。じゃあ明日はゆっくりと準備開始だね。あーとヴェイン。僕はガレオンには長居するつもりはないから、明後日くらいには仕事内容覚えて、従業員に指示してくれくれるかな?」
「は? 何勝手に言ってんだ。俺は仕事なんざするつもりはねぇぞ? 勝手に仕事増やしやがって……給料が増えるのは良いが、研究以外の仕事を増やすのは勘弁してくれ」
「大丈夫だって。たった一度仕事を指示すればいいんだって。たまに従業員から質問や冒険者から話がくるかも知れないけど、これからはヴェインがギルドマスターであり運営者になるんだ。頑張ってくれ」
「てめっ何責任押し付けてんだよ。はぁ~めんどくせぇなぁ」
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ヴェインには悪いが、きっとなんとかしてくれるだろう。
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