クラス転移で一人だけ地味スキル【回避】が無能だと判断され理不尽にも追放された男の復讐劇

Leiren Storathijs

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第2章 エリクシア

第48話 エリクシアの製法

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 ガレオン魔導都市への炎鬼の襲撃によって僕はガレオンに迷惑はかけられないと思って早々に出発することを決めた。
 炎鬼は僕を酷く恨み殺すつもりのようだが、一体勇者達の方で何があったんだろう。岩井君の離脱に炎鬼の覚醒、残るは光輝、茜、如月の三人だよね。

 特にあの三人の性格は穏やかで何もこれ以上は問題が起きないと思うが……あの様子じゃあ魔王討伐なんて叶わないだろう。
 いつか本当に勇者達が路頭に迷う時があれば、僕は快く引き入れよう。別に感謝も恨みも持っていないけどね。同じクラスメイトが道端でぶっ倒れて死んでいるとか後味悪いからね。

 さて、ガレオンを出発はしたは良いものの、特に行く宛が無い。このまま帝国に戻っても良いけど早すぎないかい? うーん。

 そう僕はまたガルムラルクのレオン達と適当に馬車に乗って走っていると、突如空から1羽の鳩が飛んできた。どうやら僕宛の手紙のようだ。

『冒険者様へ
 神聖皇国ロギアの教皇です。ご機嫌いかがでしょうか? こちら聖域ニルヴァーナはあの時以降、結界は十分に稼働しており、平和そのものです。
 冒険者様の一人の方、ハク様の指名依頼を勝手ながら見させて頂きました。
 秘薬エリクシアの製作依頼。これを見て私共の情報で少しでもお役に立てられないだろうかという思いでこの手紙を出させていただきました。
 こちら聖域ニルヴァーナの近辺に『古城クリュプトン』という文献上の700年前に栄えていた、今は古き城があります。そこでは魔力の研究や現在に至るまでの数々の薬の研究をしていまして、中には秘薬エリクシアもあったとか。
 もしご興味があれば調べてみるのも良いでしょう』

 秘薬エリクシアの製法かぁ。まぁ、暇潰しには良いかもね。

「レオン、つぎは古城クリュプトンって所にいくよ」

「おお、クリュプトンか。確かリーダーが言ってたなそんな場所があるって」

「レオンの兄貴、リーダーの狩場っすよそこ」

「あーそうだ。俺の狩場だから絶対に荒らすなとか念を押されてたっけな」

 リーダー? この場にいない誰かのことを言っているのは分かるんだけど……。

「否、リーダーの目を盗んで古城に行ったことがあるが、あそこは簡単に狩場と言っていい場所ではない。彼処はリーダーだからこそ狩場に出来る場所なのだ。アレは我々への忠告ではなく警告だったかもしれぬ」

「ジンがそこまでいうくらいかよ。じゃあ、ちょっと用心したほうがいいかもな」

「……。あのさ、君たちのリーダーって誰?」

「あ? おっとすまねぇな。この前言ったろ? ガルムラルク国家解散後に素性を隠して暮らしてたって。そんのときにいた……言えば村長みたいなひとだな。その人が俺らが言うリーダーで、めちゃくちゃ強え人だったんだ。んで、狩場にしていた所が古城クリュプトンだったんだ」

「ってことは、その狩場は凄い危険ってことかな?」

「そうだろうよ。ジンの強さはお前も知ってるだろ? そんなジンさえもヤバイっていうくらいだ」

 ガルムラルクのメンバーのジンは無口だけど、腕は確かだ。以前大熊の四肢を切断したのもジンだし、炎鬼が覚醒する前に神経を全部切ったのもジンだ。ジンの強さはガルムラルクの中で一つ抜けてると言っても過言じゃない。
 そんなジンでもリーダーとかいう人の言葉を忠告ではなく警告として受け取っている辺りが、これからいく古城クリュプトンの辛さを物語っているんだろう。

 そうして僕は馬車を聖域ニルヴァーナの前に来ると、結界内に入らないように、結界周りをぐるりと回り込むようにして古城クリュプトンを探す。
 すると、聖域ニルヴァーナの外れに如何にもな老朽化で少し崩れかかった西洋のお城が立っていた。
 
 形は想像していた正方形の壁に囲まれたような城ではなく、縦に長細く作られていた。そしてその後ろには巨大な円形の祭壇があった。

「ここが古城クリュプトン? でも魔物とか全くいないけど……?」

「ジン、ガキの頃の記憶だよな? 覚えているか?」

「如何にも。あれは忘れられない記憶だ。あれからさらに老朽化が進み、知っている記憶と道が少し違うが、分かる」

 ジンが案内したのは古城の内部ではなく、後部にある祭壇のほうだった。
 祭壇はだだっ広い円形の広場で、中央にぽつんと入り口があった。しかし案の定というべきか、入り口は完全に瓦礫で埋まっていた。

「この瓦礫の奥だ……」

「よし分かった! お前ら少し退いてろ……」

「え? まさかこれ壊す気?」

「あったりめぇだ! 行くぞ! オラアアアア!!」

 レオンは僕と他の全員を後ろへ退かせると、助走を付けて、自前の大剣を瓦礫に向かって振り下ろす。
 ドゴーンという轟音が鳴り響き、あっという間に瓦礫が粉々に吹き飛んでいった。

「ゲホッケホッ……レオンは流石だね」

「はっ、こんなもん朝飯前だぜ」

 入り口の瓦礫を破壊すると、その先は直ぐに真っ暗闇が続く地下への階段があった。
 んーでも手紙には古城クリュプトンにあると書いてあったからなぁ。

「行くか? ハク」

「待ってくれ。この先何があるか凄く気になるけど、手紙には古城にあるって書いてあるんだ。先ずは城の内部を探索しないかい?」

「へぇ、そうかい。良いぜ。別に古城内は魔物がいる気配は無いからな。ここからは俺らが固まって行動しても意味ねぇだろ。手分けして探してそれっぽいの見つけたら後で入り口に集合ってのはどうだ?」

「レオンの兄貴の癖に今日は頭が切れるッスねぇ!」

「あぁ!? 俺がいつも馬鹿みてぇに言うんじゃねぇよ」

「いいね。そうしよう。手分けしたほうが見つかるものも多そうだ。じゃあ皆解散!」

 こうして僕は古城クリュプトンに到着し、途中て地下の入り口を見つけたが、先ずはエリクシアの製法が書かれた写本を見つける為に、ガルムラルク全員と手分けして古城クリュプトン内部を探すことにした。
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