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Ver.5.0 ~世界の焔と、導きの篝火~
ver.5.1-53 平和の裏側
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…あちこち歩き回りつつ、時たまこういうイベントがあったなと思い出す。
移動手段が徒歩や馬車に限られていたころだからこそ、用意されていたのだろう。
「それで、久しぶりの馬車移動で盗賊襲撃イベントに出くわすとはなぁ」
「低い確率で設定されて、実装された時よりも今のプレイヤーレベルに合わせたものが出るようになっているから、弱すぎず強すぎずってことはないはずだけど…」
海賊に盗賊に山賊に…何かと移動イベントに確率で設定されていることのある賊たち。
基本的にはイベント限定NPCなことが多いが、中にはプレイヤーが参戦したりすることもあり、ただの賊と見て舐めたら危ないこともある。
まぁ、今回は幸いなことにプレイヤーではなくNPCの賊なので、特に大変なことはない。
問題を上げるとすれば…
「うぐげぇぇ…」
「ぼげべべべ…」
「…うーん、加減したけど…改善の余地ありか。初心にかえってニガ団子を武器扱いでやったらここまでの殺傷能力を持つとは」
「ティウンティウンってどこかのロボットゲームみたいな消滅の仕方をしていたよね…」
ギリギリ生き延びている盗賊は数名ほど。
もっと大勢いたはずだったが、勢い余って天に召されたようである。
最初の頃はまだ悶え苦しむ程度のはずだったが、数多くのプレイヤーたちの手によってレシピが考案され、洗練、改良、魔改造を施されて行ったニガ団子。
いつしかその威力は評価が3~4程度の低いものであったとしてもHPをがりがりと削っていく凶器と化しており、やり過ぎたと思うプレイヤーが多く出ているらしい。
それでも、まだまだ改善の余地がありということで研究を続ける人もおり、今回はその公開されていたレシピの一つを使って生成してみたわけだが…結果は見てのとおりである。
うん、相当ヤバいね、この『ニガ団子ーGP34型』レシピ。細かく砕けた破片が全員の口の中に飛ぶようにしただけで、この威力である。
一応、このニガ団子はモンスターやNPCだけではなく、プレイヤー相手にも使用が可能(PV限定で)なので、いざとなれば欲望変態戦隊どもにも使えるかと思っての実験であったが…この様子だと、いまいち効果が見込めなさそうだ。
「え?十分殺傷能力はあると思うけど」
「甘いよ、ミーちゃん。彼らがただの殺傷兵器で、葬れるような奴らだと思う?」
「…確かに」
僕らも一応人外の域にあるとは思うが、アレはまた違う核を持っている。
人間の領域にあるはずのモノなのに人外じみた変態と欲望を持っており、その全てを理解することはできないだろうししたくもない。
そんな奴らに対して、ただのニガ団子が効くのかといえば…無理だろうと思う。
ただの殺傷能力があるだけの団子では意味をなさない。
それほどまでに、変態というのは悍ましく恐ろしいものであるのだ。
「そう考えると、別の対策が必要かなぁ…」
黒き女神で相手をした時もあったが、そうなった場合厄介なのは、マッチョンの存在。
女神に対抗できる勇者にもなるし、あのメンツの中の唯一のまともな良心ということで、失われた場合ストッパーがいなくなり、さらなる暴走を招きかねない。
一番良いのは敵対するようなことが無いことで、なぁなぁの適当な感じの距離感を保って接すれば、一応害悪過ぎることはないのだが…いかんせん、変態神の前例もあるので、いつ脅威になるのかもわからない。
そのための備えとしていくつか用意しておくのは最適な回答であり、今はやれることを積み重ねておきたい。
こういう最初の場所にこそ、欲望の原点とかがありそうであり、万が一に備えての倒すすべを得る機会があるのかもしれない。
そう思いつつ、試行錯誤を繰り返していくのであった…
「…そういえば、AL稼ぎに盗賊狩りが良いって言う噂もあったな」
最初の頃は何かと不足しがちになるので、稼ぐ手段としてわざと盗賊を倒すという手もあったらしい。
ゲームであるあるの稼ぎ方だとは思うが、時たまヤバいのにも遭遇するとか…今も、その仕様がありそうだな。
…試行錯誤をハルたちが行っていたその頃。
同フィールドのある場所では、全速力で駆け抜ける車の様なものがあった。
「うぉぉぉぉぉ!!エンジンをうならせて逃げろバイオ燃料マシーン『ハザドラン号』!!全速力で、逃げ切るんだぁぁぁ!!」
その車に乗っているのは、まさかまさかの中三病。
周囲にはあの恐竜女帝の姿はなく、いつものこととは違うのであれば、彼が何から逃げているのかわからないだろう。
だが、分かる人には分かるのだ。彼が何から逃げているのか。
見当たらない、けれども逃れることはできていない。
姿は見えずともひしひしと肌に感じ取り、中三病は全力を尽くして逃げる。
この最初の頃のフィールドがある星までたどり着いたのは良いのだが、彼のテイムモンスターたちは既に全滅しているのだ。
そう、星より大きなクラゲっぽいものとか、灼熱の火球を吐き出す巨大なモンスターなどをテイムしていたにもかかわらず…対恐竜女帝用最終決戦兵器としてまで用意していたものも破壊されて。
「うぉぉぉぉぉぉぉ!!」
逃れられるのか、それは誰にも分らない。
ただ一つ言えるとすれば、偶然にも彼が爆走している方向にはハルたちがいるのであった…
移動手段が徒歩や馬車に限られていたころだからこそ、用意されていたのだろう。
「それで、久しぶりの馬車移動で盗賊襲撃イベントに出くわすとはなぁ」
「低い確率で設定されて、実装された時よりも今のプレイヤーレベルに合わせたものが出るようになっているから、弱すぎず強すぎずってことはないはずだけど…」
海賊に盗賊に山賊に…何かと移動イベントに確率で設定されていることのある賊たち。
基本的にはイベント限定NPCなことが多いが、中にはプレイヤーが参戦したりすることもあり、ただの賊と見て舐めたら危ないこともある。
まぁ、今回は幸いなことにプレイヤーではなくNPCの賊なので、特に大変なことはない。
問題を上げるとすれば…
「うぐげぇぇ…」
「ぼげべべべ…」
「…うーん、加減したけど…改善の余地ありか。初心にかえってニガ団子を武器扱いでやったらここまでの殺傷能力を持つとは」
「ティウンティウンってどこかのロボットゲームみたいな消滅の仕方をしていたよね…」
ギリギリ生き延びている盗賊は数名ほど。
もっと大勢いたはずだったが、勢い余って天に召されたようである。
最初の頃はまだ悶え苦しむ程度のはずだったが、数多くのプレイヤーたちの手によってレシピが考案され、洗練、改良、魔改造を施されて行ったニガ団子。
いつしかその威力は評価が3~4程度の低いものであったとしてもHPをがりがりと削っていく凶器と化しており、やり過ぎたと思うプレイヤーが多く出ているらしい。
それでも、まだまだ改善の余地がありということで研究を続ける人もおり、今回はその公開されていたレシピの一つを使って生成してみたわけだが…結果は見てのとおりである。
うん、相当ヤバいね、この『ニガ団子ーGP34型』レシピ。細かく砕けた破片が全員の口の中に飛ぶようにしただけで、この威力である。
一応、このニガ団子はモンスターやNPCだけではなく、プレイヤー相手にも使用が可能(PV限定で)なので、いざとなれば欲望変態戦隊どもにも使えるかと思っての実験であったが…この様子だと、いまいち効果が見込めなさそうだ。
「え?十分殺傷能力はあると思うけど」
「甘いよ、ミーちゃん。彼らがただの殺傷兵器で、葬れるような奴らだと思う?」
「…確かに」
僕らも一応人外の域にあるとは思うが、アレはまた違う核を持っている。
人間の領域にあるはずのモノなのに人外じみた変態と欲望を持っており、その全てを理解することはできないだろうししたくもない。
そんな奴らに対して、ただのニガ団子が効くのかといえば…無理だろうと思う。
ただの殺傷能力があるだけの団子では意味をなさない。
それほどまでに、変態というのは悍ましく恐ろしいものであるのだ。
「そう考えると、別の対策が必要かなぁ…」
黒き女神で相手をした時もあったが、そうなった場合厄介なのは、マッチョンの存在。
女神に対抗できる勇者にもなるし、あのメンツの中の唯一のまともな良心ということで、失われた場合ストッパーがいなくなり、さらなる暴走を招きかねない。
一番良いのは敵対するようなことが無いことで、なぁなぁの適当な感じの距離感を保って接すれば、一応害悪過ぎることはないのだが…いかんせん、変態神の前例もあるので、いつ脅威になるのかもわからない。
そのための備えとしていくつか用意しておくのは最適な回答であり、今はやれることを積み重ねておきたい。
こういう最初の場所にこそ、欲望の原点とかがありそうであり、万が一に備えての倒すすべを得る機会があるのかもしれない。
そう思いつつ、試行錯誤を繰り返していくのであった…
「…そういえば、AL稼ぎに盗賊狩りが良いって言う噂もあったな」
最初の頃は何かと不足しがちになるので、稼ぐ手段としてわざと盗賊を倒すという手もあったらしい。
ゲームであるあるの稼ぎ方だとは思うが、時たまヤバいのにも遭遇するとか…今も、その仕様がありそうだな。
…試行錯誤をハルたちが行っていたその頃。
同フィールドのある場所では、全速力で駆け抜ける車の様なものがあった。
「うぉぉぉぉぉ!!エンジンをうならせて逃げろバイオ燃料マシーン『ハザドラン号』!!全速力で、逃げ切るんだぁぁぁ!!」
その車に乗っているのは、まさかまさかの中三病。
周囲にはあの恐竜女帝の姿はなく、いつものこととは違うのであれば、彼が何から逃げているのかわからないだろう。
だが、分かる人には分かるのだ。彼が何から逃げているのか。
見当たらない、けれども逃れることはできていない。
姿は見えずともひしひしと肌に感じ取り、中三病は全力を尽くして逃げる。
この最初の頃のフィールドがある星までたどり着いたのは良いのだが、彼のテイムモンスターたちは既に全滅しているのだ。
そう、星より大きなクラゲっぽいものとか、灼熱の火球を吐き出す巨大なモンスターなどをテイムしていたにもかかわらず…対恐竜女帝用最終決戦兵器としてまで用意していたものも破壊されて。
「うぉぉぉぉぉぉぉ!!」
逃れられるのか、それは誰にも分らない。
ただ一つ言えるとすれば、偶然にも彼が爆走している方向にはハルたちがいるのであった…
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