510 / 718
Ver.5.0 ~世界の焔と、導きの篝火~
ver.5.1-94 入り乱れ・巻き込まれ
しおりを挟む
―――ソレらは事前に、この世界の情報を得ていた。
ここでの戦闘前に得たデータを元に、負けない自信も持っていた。
相手も馬鹿ではなく、事前に抗戦した結果をもとに、対策を立てている可能性は考慮していた。
前回は圧勝を得たとはいえ、油断する気もなかった。
…だがしかし、現実というのは必ずしも想定通りに動くことはないこともある。
《なんだ、あの艦隊は。なんだ、この光景は》
思わず、そんな声を出すのも無理は無いだろう。
量産に成功し、より数多くの味方を増やし、挑んだこの戦い。
相手がいかに対策を立てていたとはいえ、数の暴力で押し切れる確率が高かったはずだが…どうやら此度の戦は、量より質のほうが重視されたようだ。
目の前に広がるのは、統一感のない敵の艦隊。
オーソドックスな戦艦の中にちらほらと色物のようなものが混ざっており、使えるものは根こそぎかき集めてきたのかと思っていたが、どうやら根こそぎ集める中で、異質なものを集めていたらしい。
誰が想像できるだろうか。船が合体し、巨大ロボットになって襲い掛かってくる光景を。
誰が想像できるだろうか。巨大な動物の顔面が、多くの艦を喰らいつくす光景を。
誰が想像できるだろうか。無数のアステロイドを自由自在に動かし、艦にぶつけてくる岩塊の光景を。
まともな戦艦でもあっても、中にはたった一撃でこちらの大型艦を屠る者もおり、他にも何やら言いようのない靄のようなものを纏わせて飲み込む者も、布地にしか見えないのに破れることなく平然と攻撃を受けて跳ね返したり、船ではなく列車と呼ばれるものから無数のミサイルが飛んできたりと、様々な光景が飛び込んでくる。
いくつかが異常なだけで、他はまだまともそうだが…それでも、事前の想定を凌駕する者たちがいることに、驚かされるだろう。
気が付けば、数で押していたはずだったのに次々と轟沈されて、艦隊が縮小されている。
ここまで数を揃えるのにそこまで時間がかからないので痛いほどでもないが、それでもこのペースで行けば間違いなく全滅する。
ならばその前に、どうにかしたほうが良いだろう。
《---恒星圧縮砲、用意せよ》
フォォォォォォォンン!!フォォォォォォン!!
「なんだ!?」
『レーダー感知、敵艦隊後方より莫大なエネルギーの波長を計測しまシタ!!』
割と順調に殲滅を進めていく中、突然鳴り響く警報音。
ハルたちが状況を確認すると、なにやら敵艦隊の奥から迫ってくるものがあるらしい。
【エネルギー量を見ると、ちょっとした恒星レベル…いえ、このエネルギー波長はデータにありますネ】
「何?」
【以前、自由軌道をとる遊星と同じ行動をとる恒星らしきものと遭遇した時がありましたよネ。あれ、自然発生したものかと思ってましたが…どうやら違ったようデス】
「つまり…」
【今から敵、恒星射出してきマス】
表示されていた内容を読み取り、そう告げるロロ。
味方も味方でぶっ飛んだ奴らが多かったが、どうやら敵も敵でそれ相応のものを用意していたらしい。
しかも、かなりの速度で接近してくるらしく、目視できるころには回避できなくなるようだ。
『全艦へ緊急警報!!敵より反撃の手を確認!!各自、急いで回避行動を!!』
恒星を使った攻撃というのは、かなりシャレにならないだろう。
超高温の星をぶつけられたら、まともな船ならば轟沈前に融解して失われる。
そのこともあってか、すぐにこの宙域全体の魔導船に連絡が飛び交い、各自攻撃をいったん中断して相手の攻撃に備えての回避行動をとり始める。
「到達は!!」
【あと十数秒!!】
『ワープでは回避可能時間が短イ!!緊急回避行動として、亜空間潜航を行いマス!!』
ごぼごぼと音を立て、宇宙の海に沈み始めるグレイ号。
宇宙空間のどこに潜り込める場所があるのかというツッコミはさておき、別空間に潜って敵の行動をやり過ごすことにしたようだ。
「ミーちゃん、グレイ号後方部分のハッチを開けるから、そっちに入って回避行動を!!」
『わかったよ!!』
ミーちゃんの魔導列車も回避行動をとれるが、安全を求めるならそっちのほうが良いだろう。
沈み込むのが早いが、その前にミーちゃんの魔導列車がグレイ号内部に収納される。
【あと数秒!!】
遠方から光の玉の様なものが見えてきそうなところで、すぐに船全体が沈み込み、恒星を見ることはなかった。
ただ、この回避行動は最善の一手を取れただろうが…恒星を攻撃手段として扱ってくる以上、このまま迂闊に浮上してもまた同様の攻撃が来る可能性が考えられる。
「先に、相手の兵器を潰さないと駄目か」
後方支援を取っていたが、このままでは意味がない。
ならば、相手の要を徹底的に潰した方が得策だろう。
「…良し、皆、ここからは後方支援から攻撃態勢へ切り替える!!今の攻撃が何度もある可能性を考え、本艦はこれより敵艦隊の要を叩き潰すことにする!!」
【【【【了解!!】】】】
防衛に回っていたが、ここからは攻撃に移ったほうが良いだろう。
このまま後手に回っていては、同じ攻撃が来るのが目に見えてくるのならば、敵の反撃手段を全て潰すほうが良い。
攻守を転じる行動へと、移すのであった…
ここでの戦闘前に得たデータを元に、負けない自信も持っていた。
相手も馬鹿ではなく、事前に抗戦した結果をもとに、対策を立てている可能性は考慮していた。
前回は圧勝を得たとはいえ、油断する気もなかった。
…だがしかし、現実というのは必ずしも想定通りに動くことはないこともある。
《なんだ、あの艦隊は。なんだ、この光景は》
思わず、そんな声を出すのも無理は無いだろう。
量産に成功し、より数多くの味方を増やし、挑んだこの戦い。
相手がいかに対策を立てていたとはいえ、数の暴力で押し切れる確率が高かったはずだが…どうやら此度の戦は、量より質のほうが重視されたようだ。
目の前に広がるのは、統一感のない敵の艦隊。
オーソドックスな戦艦の中にちらほらと色物のようなものが混ざっており、使えるものは根こそぎかき集めてきたのかと思っていたが、どうやら根こそぎ集める中で、異質なものを集めていたらしい。
誰が想像できるだろうか。船が合体し、巨大ロボットになって襲い掛かってくる光景を。
誰が想像できるだろうか。巨大な動物の顔面が、多くの艦を喰らいつくす光景を。
誰が想像できるだろうか。無数のアステロイドを自由自在に動かし、艦にぶつけてくる岩塊の光景を。
まともな戦艦でもあっても、中にはたった一撃でこちらの大型艦を屠る者もおり、他にも何やら言いようのない靄のようなものを纏わせて飲み込む者も、布地にしか見えないのに破れることなく平然と攻撃を受けて跳ね返したり、船ではなく列車と呼ばれるものから無数のミサイルが飛んできたりと、様々な光景が飛び込んでくる。
いくつかが異常なだけで、他はまだまともそうだが…それでも、事前の想定を凌駕する者たちがいることに、驚かされるだろう。
気が付けば、数で押していたはずだったのに次々と轟沈されて、艦隊が縮小されている。
ここまで数を揃えるのにそこまで時間がかからないので痛いほどでもないが、それでもこのペースで行けば間違いなく全滅する。
ならばその前に、どうにかしたほうが良いだろう。
《---恒星圧縮砲、用意せよ》
フォォォォォォォンン!!フォォォォォォン!!
「なんだ!?」
『レーダー感知、敵艦隊後方より莫大なエネルギーの波長を計測しまシタ!!』
割と順調に殲滅を進めていく中、突然鳴り響く警報音。
ハルたちが状況を確認すると、なにやら敵艦隊の奥から迫ってくるものがあるらしい。
【エネルギー量を見ると、ちょっとした恒星レベル…いえ、このエネルギー波長はデータにありますネ】
「何?」
【以前、自由軌道をとる遊星と同じ行動をとる恒星らしきものと遭遇した時がありましたよネ。あれ、自然発生したものかと思ってましたが…どうやら違ったようデス】
「つまり…」
【今から敵、恒星射出してきマス】
表示されていた内容を読み取り、そう告げるロロ。
味方も味方でぶっ飛んだ奴らが多かったが、どうやら敵も敵でそれ相応のものを用意していたらしい。
しかも、かなりの速度で接近してくるらしく、目視できるころには回避できなくなるようだ。
『全艦へ緊急警報!!敵より反撃の手を確認!!各自、急いで回避行動を!!』
恒星を使った攻撃というのは、かなりシャレにならないだろう。
超高温の星をぶつけられたら、まともな船ならば轟沈前に融解して失われる。
そのこともあってか、すぐにこの宙域全体の魔導船に連絡が飛び交い、各自攻撃をいったん中断して相手の攻撃に備えての回避行動をとり始める。
「到達は!!」
【あと十数秒!!】
『ワープでは回避可能時間が短イ!!緊急回避行動として、亜空間潜航を行いマス!!』
ごぼごぼと音を立て、宇宙の海に沈み始めるグレイ号。
宇宙空間のどこに潜り込める場所があるのかというツッコミはさておき、別空間に潜って敵の行動をやり過ごすことにしたようだ。
「ミーちゃん、グレイ号後方部分のハッチを開けるから、そっちに入って回避行動を!!」
『わかったよ!!』
ミーちゃんの魔導列車も回避行動をとれるが、安全を求めるならそっちのほうが良いだろう。
沈み込むのが早いが、その前にミーちゃんの魔導列車がグレイ号内部に収納される。
【あと数秒!!】
遠方から光の玉の様なものが見えてきそうなところで、すぐに船全体が沈み込み、恒星を見ることはなかった。
ただ、この回避行動は最善の一手を取れただろうが…恒星を攻撃手段として扱ってくる以上、このまま迂闊に浮上してもまた同様の攻撃が来る可能性が考えられる。
「先に、相手の兵器を潰さないと駄目か」
後方支援を取っていたが、このままでは意味がない。
ならば、相手の要を徹底的に潰した方が得策だろう。
「…良し、皆、ここからは後方支援から攻撃態勢へ切り替える!!今の攻撃が何度もある可能性を考え、本艦はこれより敵艦隊の要を叩き潰すことにする!!」
【【【【了解!!】】】】
防衛に回っていたが、ここからは攻撃に移ったほうが良いだろう。
このまま後手に回っていては、同じ攻撃が来るのが目に見えてくるのならば、敵の反撃手段を全て潰すほうが良い。
攻守を転じる行動へと、移すのであった…
10
あなたにおすすめの小説
転移術士の成り上がり
名無し
ファンタジー
ベテランの転移術士であるシギルは、自分のパーティーをダンジョンから地上に無事帰還させる日々に至上の喜びを得ていた。ところが、あることがきっかけでメンバーから無能の烙印を押され、脱退を迫られる形になる。それがのちに陰謀だと知ったシギルは激怒し、パーティーに対する復讐計画を練って実行に移すことになるのだった。
【完結】VRMMOでスライム100万匹倒して最強になった僕は経験値で殴るゲームやってます
鳥山正人
ファンタジー
検証が大好きな主人公、三上ハヤト。
このゲームではブロンズ称号、シルバー称号、ゴールド称号が確認されている。
それ以上の称号があるかもしれないと思い、スライムを100万匹倒したらプラチナ称号を手に入れた主人公。
その称号効果はスライム種族特効効果。
そこからは定番の経験値スライムを倒して最強への道かと思ったら・・・
このゲームは経験値を分け与える事が出来て、売買出来るゲーム。
主人公は経験値でモンスターを殴ります。
──────
自筆です。
ボッチになった僕がうっかり寄り道してダンジョンに入った結果
安佐ゆう
ファンタジー
第一の人生で心残りがあった者は、異世界に転生して未練を解消する。
そこは「第二の人生」と呼ばれる世界。
煩わしい人間関係から遠ざかり、のんびり過ごしたいと願う少年コイル。
学校を卒業したのち、とりあえず幼馴染たちとパーティーを組んで冒険者になる。だが、コイルのもつギフトが原因で、幼馴染たちのパーティーから追い出されてしまう。
ボッチになったコイルだったが、これ幸いと本来の目的「のんびり自給自足」を果たすため、町を出るのだった。
ロバのポックルとのんびり二人旅。ゴールと決めた森の傍まで来て、何気なくフラっとダンジョンに立ち寄った。そこでコイルを待つ運命は……
基本的には、ほのぼのです。
設定を間違えなければ、毎日12時、18時、22時に更新の予定です。
【完結】VRMMOでチュートリアルを2回やった生産職のボクは最強になりました
鳥山正人
ファンタジー
フルダイブ型VRMMOゲームの『スペードのクイーン』のオープンベータ版が終わり、正式リリースされる事になったので早速やってみたら、いきなりのサーバーダウン。
だけどボクだけ知らずにそのままチュートリアルをやっていた。
チュートリアルが終わってさぁ冒険の始まり。と思ったらもう一度チュートリアルから開始。
2度目のチュートリアルでも同じようにクリアしたら隠し要素を発見。
そこから怒涛の快進撃で最強になりました。
鍛冶、錬金で主人公がまったり最強になるお話です。
※この作品は「DADAN WEB小説コンテスト」1次選考通過した【第1章完結】デスペナのないVRMMOで〜をブラッシュアップして、続きの物語を描いた作品です。
その事を理解していただきお読みいただければ幸いです。
───────
自筆です。
アルファポリス、第18回ファンタジー小説大賞、奨励賞受賞
A級パーティから追放された俺はギルド職員になって安定した生活を手に入れる
国光
ファンタジー
A級パーティの裏方として全てを支えてきたリオン・アルディス。しかし、リーダーで幼馴染のカイルに「お荷物」として追放されてしまう。失意の中で再会したギルド受付嬢・エリナ・ランフォードに導かれ、リオンはギルド職員として新たな道を歩み始める。
持ち前の数字感覚と管理能力で次々と問題を解決し、ギルド内で頭角を現していくリオン。一方、彼を失った元パーティは内部崩壊の道を辿っていく――。
これは、支えることに誇りを持った男が、自らの価値を証明し、安定した未来を掴み取る物語。
転生貴族の移動領地~家族から見捨てられた三子の俺、万能な【スライド】スキルで最強領地とともに旅をする~
名無し
ファンタジー
とある男爵の三子として転生した主人公スラン。美しい海辺の辺境で暮らしていたが、海賊やモンスターを寄せ付けなかった頼りの父が倒れ、意識不明に陥ってしまう。兄姉もまた、スランの得たスキル【スライド】が外れと見るや、彼を見捨ててライバル貴族に寝返る。だが、そこから【スライド】スキルの真価を知ったスランの逆襲が始まるのであった。
A級パーティーを追放された黒魔導士、拾ってくれた低級パーティーを成功へと導く~この男、魔力は極小だが戦闘勘が異次元の鋭さだった~
名無し
ファンタジー
「モンド、ここから消えろ。てめえはもうパーティーに必要ねえ!」
「……え? ゴート、理由だけでも聴かせてくれ」
「黒魔導士のくせに魔力がゴミクズだからだ!」
「確かに俺の魔力はゴミ同然だが、その分を戦闘勘の鋭さで補ってきたつもりだ。それで何度も助けてやったことを忘れたのか……?」
「うるせえ、とっとと消えろ! あと、お前について悪い噂も流しておいてやったからな。役立たずの寄生虫ってよ!」
「くっ……」
問答無用でA級パーティーを追放されてしまったモンド。
彼は極小の魔力しか持たない黒魔導士だったが、持ち前の戦闘勘によってパーティーを支えてきた。しかし、地味であるがゆえに貢献を認められることは最後までなかった。
さらに悪い噂を流されたことで、冒険者としての道を諦めかけたモンドだったが、悪評高い最下級パーティーに拾われ、彼らを成功に導くことで自分の居場所や高い名声を得るようになっていく。
「魔力は低かったが、あの動きは只者ではなかった! 寄生虫なんて呼ばれてたのが信じられん……」
「地味に見えるけど、やってることはどう考えても尋常じゃなかった。こんな達人を追放するとかありえねえだろ……」
「方向性は意外ですが、これほどまでに優れた黒魔導士がいるとは……」
拾われたパーティーでその高い能力を絶賛されるモンド。
これは、様々な事情を抱える低級パーティーを、最高の戦闘勘を持つモンドが成功に導いていく物語である……。
荷物持ちだけど最強です、空間魔法でラクラク発明
まったりー
ファンタジー
主人公はダンジョンに向かう冒険者の荷物を持つポーターと言う職業、その職業に必須の収納魔法を持っていないことで悲惨な毎日を過ごしていました。
そんなある時仕事中に前世の記憶がよみがえり、ステータスを確認するとユニークスキルを持っていました。
その中に前世で好きだったゲームに似た空間魔法があり街づくりを始めます、そしてそこから人生が思わぬ方向に変わります。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる