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3章 学園中等部~
3-19 思い通りになることはそうそうない
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【‥‥キュ‥‥キュル‥‥‥】
…‥‥あたりが薄暗い中、意識が浮上し、ハクロの目が開く。
何かこう、爆発があり、おそってきた人たちがいるのは覚えているのだが‥‥‥‥そこから先の記憶が無い。
何があったのかと思い、体を動かそうとしたところでじゃららっと音がし、どの様な状態になっているのか彼女は理解する。
【‥‥‥鎖?】
両手両足に枷が付けられており、力が入らない。
魔法でどうにかしようにも、魔力が妙に動かせず、使うこともできない。
周囲は石造りのガッチガチとした、本で見たことがある牢屋のようにも思えるだろう。
何か、拘束されているようだが…‥‥なぜこうなったのか、疑問に思っていたその時だった。
「ほぅ、凶暴なモンスターも10日は眠るはずの眠り薬を使用したはずだが‥‥‥‥まさか、数時間ほどで目を覚ますと驚いたな」
声がした方向を見れば、そこにあった鉄柵越しに誰かが立っている。
見た感じでは、それなりに顔が整った青年のようだが、ハクロにとってはそんなのはどうでもいい。
むしろ、その纏う雰囲気から何か邪悪なものを感じ取り、警戒心を強める。
【何者?私を、何故、拘束しているの?】
「待て待て、質問は一つずつ答えよう」
問いかけてみるが、直ぐに全部を話す気はないらしい。
何かこう、もったいぶっているようにも見えるが、話してくれなければわからない。
しばし待つと、その人物が口を開いた。
「…‥‥さて、まずは一つ目から言うとしよう。我が名はバルガリア・フォン・ガルズ。ガルズ地方を治める伯爵家の当主だ」
【…‥‥ガルズ地方?】
「そうだ。とは言え、今は失われた地と家名だが‥‥‥‥捨ててないからこそ、この名があるのだ」
うーんと首を捻って考え、過去に授業に潜り込み、あちこちの貴族家に関しての話なども聞いたことはあるのだが‥‥‥そんな地方も貴族名も聞いたことが無い。
失われたというからには何か事情があるようだが、それがなぜこんな行動を起こしたのかがわからない。
「それから二つ目に、拘束した理由だが…‥‥それは我々の持つ計画に関係する」
【計画?】
「ああ、今、失われた地と家名と言っただろう?その他にも色々とあり…‥‥それらを我々の手に戻すために必要な計画があるからだ」
いわく、彼、いや、その他にも協力者がいるようで、彼らはとある国の貴族であり、名前もしっかりと表向きのものを有しているらしい。
だがしかし、裏ではその家名を持ちつつ、今は持たない家名と領地を欲するために、活動しているそうだ。
「あの憎き帝国に全てを奪われたからな…‥‥‥だが、奪われたものであれば、奪い返すだけで済むだろう」
【‥‥‥】
帝国によって奪われたとか、過去に色々とあった様子。
けれども、それだけではまだ解せない。
【‥‥‥なら、なんで、私を襲ったの?そして拘束しているの?】
「それに関しては、こちらの計画の一部を修正することにしたからな。本来であれば、ダンジョン都市にて皇女の方を狙っていたのだが…‥‥白き蜘蛛の姫と呼ばれるお前の方が、より都合がいい」
にやぁっといやらしい笑みを浮かべた相手に対して、悪寒を感じるハクロ。
いやなものを感じさせるというか、人の中にある醜悪なものを見たというか‥‥‥‥人の闇と言うべきか。
「とはいえ、今はひとまず落ち着かねばならない。帝都の方で騒ぎを無駄に大きくしたせいで、色々と動かれたようだからな。そのため、ここでしばらくの間、ほとぼりが冷めるまでここで拘束させてもらう事にした。言っておくが、逃げようとしても無駄だ。色々と調べさせてもらったが、身体能力や魔法が脅威になると思い、それらを対策させてもらったからな」
体に付けられた枷は、魔力を吸い取る鎖付きの代物。
魔法が存在しているからこそ、魔法を使っての脱走を防ぐために用意された代物であり、鎖自体も凶暴なモンスターを拘束できるほどの強度を持ち、拘束を解くことは無い。
そもそもここに至るまでの道も一つしかないようで、脱走しようにも出入り口に見張りが存在。
さらに言えば、人目につかない場所と言う事で地下に作られた場所であり、そう容易くは脱走できないようだ。
「今はまだ、拘束に過ぎないが‥‥‥‥ほとぼりが冷め、我々の計画が動き出したころには利用させてもらおう。それまではここで、大人しく囚われていろ」
そう話した後、相手はその場から去った。
残されたのはハクロだけであり、枷によって自由が奪われた状態。
【…‥‥糸も使えない、魔法も使えない…‥‥どうしよう】
どうやらそこも対策をされていたらしく、蜘蛛の糸の射出口にべったりと何かの布地で栓をされて出すことができない。
使える手段がどれもこれも封じ込められ、無力としか言いようがない状態。
【キュル…‥‥アルス‥‥‥助けて…‥‥】
今はただ、拘束をされているだけだが、今後何をされるのかがわからない。
その事を考えると不安が大きくなり、アルスの事を思って涙があふれ出てくる。
【アルス、アルス、アルス‥離れたく、ないのに…‥‥‥】
涙を流してそう口にしても、ここに彼が来ることができるとは思えない。
様子を見る限り、かなり入念に用意されているようで、そもそもアルスの無事も分からない。
恐怖と不安…‥‥その想いに押しつぶされそうになりながらも、アルスの事を思って彼女はただ泣くだけしかできないのであった‥‥‥‥
「‥‥‥‥つまり、過去のやらかした貴族が今、出てきていると?」
「ああ、そのようだ。我が国ではすでに貴族ではなく、相手は慎重に動いていたようだが、無駄に騒ぎをしてくれたからこそ、情報を引き出せたようだ」
…‥‥エルスタン帝国の王城内、議会室。
その場にて、アルスも出席をさせてもらいつつ、出てきた情報に耳を傾ける。
「はっ、戦闘を行った間諜の者達からの情報も照らし合わせ、穴の先などを調べたところ、色々と出てまいりました。相手の動きはハクロを攫う事だけであり、戦闘の技能はあれどもそこまでおこなう気はなかったようですが…‥‥それだけに、調べることができたようです」
帝都内で起きた爆発で陽動しつつ、その隙に相手はハクロを素早く攫うはずだったらしい。
けれども、偶然と言うか、誘拐を見過ごせない者たちによって戦闘が行われて、戦闘能力の差によって敗北はしたが、それでも情報を得ることができたそうなのだ。
「帝都内を掘られていた穴は、魔道具の掘削…‥‥ですが、その魔道具自体はダンジョン産であり、いくつかは登録済みの品で、足がついております」
「また、爆発を起こす道具の規模や、戦闘力からの組織構成なども色々と絞り込みが可能であり、帝国領土内に入った者たちの情報を集めると、浮かび上がってまいりました」
‥‥‥相手はかなり、念入りに準備を行っていたのだろう。
けれども、どこかに杜撰な部分があり、そこからほころびが生じ…‥‥結果として、帝国の間諜たちが全力を挙げて調べ上げ、次々に情報が浮かび上がってくる。
帝国としても自分たちの中心部である帝都内で怪我人を出されたことに怒りを覚えているのもあるだろう。
そして、愚かな者たちの襲撃は歴史上例もあり、だからこそどのような対応手段をとるべきか、徹底されているらしい。
ゆえに、帝国は長年の英華を誇り、守りを崩さない。
そして、守るのは攻撃するのよりも難しく‥‥‥‥その守りを攻撃に変えた今、相手は見る見る間に隠してきたものを剥がされていく。
「‥‥‥ハクロを攫った目的は色々と考えられるが、良からぬ目的なのは間違いないだろう」
「そもそも、皇女様を狙っていた可能性もあり…‥‥その目標を変えただけかもしれぬ」
留学先で起きた、ダンジョン内のモンスターが暴れた事件。
その件に関してもすでに調査の手が回されており、同時並行で調べられていたが…‥‥そちらも人為的なものであり、今回の件につながっている可能性が非常に高い。
「…‥‥余のいるこの国内で、人々を巻き添えにした誘拐事件。これは、許しがたい事だろう」
「誘拐されたのはモンスターではあるが…‥‥一少女に過ぎず、そして帝国の民でもある」
「愛すべき民を傷つけ、暴れまわった愚か者どもは…‥‥粛清せねばならないだろう」
一旦報告を終え、まとめ上げた後、皇帝陛下がそう口にする。
皆が黙り込むが、その言葉には全員同意しているのだろう。
「国を、民を、このまま傷つけられて良いのか?いや、良くはあるまい。むしろ、徹底した鉄槌を振り下ろさねばならない」
「「「「はっ」」」」
皇帝陛下の言葉に誰もが同意し、その想いを抱く。
僕も同意しつつ…‥‥ハクロの無事を心から祈る。
「時間も経つが、猶予は残されてはいないだろう。だからこそ、一刻一刻を無駄にせず‥‥‥いや、こうして話しているだけも、また無駄か」
そう口にする皇帝陛下は、普段よりもはるかに威圧感を増し、皇帝としての権威を纏う。
感情を込めた言葉の中には、帝国内で暴れられた怒りが籠っており、皇帝として動き出す。
「それでは諸君、情報を元にしてできた作戦を直ちに遂行せよ!!奪われた民を取り戻すために、全力を尽くせ!!」
「「「「了解!!」」」」
皇帝陛下の言葉に一同は頷き、行動に移し始めるのであった‥‥‥‥
「‥‥‥皇帝陛下、私も作戦に参加を」
「良いだろう。アルス・フォン・ヘルズ。そちらの薬がどの様なものかは把握しており‥‥‥本作戦においても、必要性は大きい。何よりも、大事なものを奪い返すのであれば、死力すら尽くせ!!」
「了解です」
‥‥‥そして僕もまた、持てる力を惜しまない。
大事な彼女を取り戻すために。
攫われたハクロを救い出し、また笑い合えるような日々を取り戻すために‥‥‥‥
…‥‥あたりが薄暗い中、意識が浮上し、ハクロの目が開く。
何かこう、爆発があり、おそってきた人たちがいるのは覚えているのだが‥‥‥‥そこから先の記憶が無い。
何があったのかと思い、体を動かそうとしたところでじゃららっと音がし、どの様な状態になっているのか彼女は理解する。
【‥‥‥鎖?】
両手両足に枷が付けられており、力が入らない。
魔法でどうにかしようにも、魔力が妙に動かせず、使うこともできない。
周囲は石造りのガッチガチとした、本で見たことがある牢屋のようにも思えるだろう。
何か、拘束されているようだが…‥‥なぜこうなったのか、疑問に思っていたその時だった。
「ほぅ、凶暴なモンスターも10日は眠るはずの眠り薬を使用したはずだが‥‥‥‥まさか、数時間ほどで目を覚ますと驚いたな」
声がした方向を見れば、そこにあった鉄柵越しに誰かが立っている。
見た感じでは、それなりに顔が整った青年のようだが、ハクロにとってはそんなのはどうでもいい。
むしろ、その纏う雰囲気から何か邪悪なものを感じ取り、警戒心を強める。
【何者?私を、何故、拘束しているの?】
「待て待て、質問は一つずつ答えよう」
問いかけてみるが、直ぐに全部を話す気はないらしい。
何かこう、もったいぶっているようにも見えるが、話してくれなければわからない。
しばし待つと、その人物が口を開いた。
「…‥‥さて、まずは一つ目から言うとしよう。我が名はバルガリア・フォン・ガルズ。ガルズ地方を治める伯爵家の当主だ」
【…‥‥ガルズ地方?】
「そうだ。とは言え、今は失われた地と家名だが‥‥‥‥捨ててないからこそ、この名があるのだ」
うーんと首を捻って考え、過去に授業に潜り込み、あちこちの貴族家に関しての話なども聞いたことはあるのだが‥‥‥そんな地方も貴族名も聞いたことが無い。
失われたというからには何か事情があるようだが、それがなぜこんな行動を起こしたのかがわからない。
「それから二つ目に、拘束した理由だが…‥‥それは我々の持つ計画に関係する」
【計画?】
「ああ、今、失われた地と家名と言っただろう?その他にも色々とあり…‥‥それらを我々の手に戻すために必要な計画があるからだ」
いわく、彼、いや、その他にも協力者がいるようで、彼らはとある国の貴族であり、名前もしっかりと表向きのものを有しているらしい。
だがしかし、裏ではその家名を持ちつつ、今は持たない家名と領地を欲するために、活動しているそうだ。
「あの憎き帝国に全てを奪われたからな…‥‥‥だが、奪われたものであれば、奪い返すだけで済むだろう」
【‥‥‥】
帝国によって奪われたとか、過去に色々とあった様子。
けれども、それだけではまだ解せない。
【‥‥‥なら、なんで、私を襲ったの?そして拘束しているの?】
「それに関しては、こちらの計画の一部を修正することにしたからな。本来であれば、ダンジョン都市にて皇女の方を狙っていたのだが…‥‥白き蜘蛛の姫と呼ばれるお前の方が、より都合がいい」
にやぁっといやらしい笑みを浮かべた相手に対して、悪寒を感じるハクロ。
いやなものを感じさせるというか、人の中にある醜悪なものを見たというか‥‥‥‥人の闇と言うべきか。
「とはいえ、今はひとまず落ち着かねばならない。帝都の方で騒ぎを無駄に大きくしたせいで、色々と動かれたようだからな。そのため、ここでしばらくの間、ほとぼりが冷めるまでここで拘束させてもらう事にした。言っておくが、逃げようとしても無駄だ。色々と調べさせてもらったが、身体能力や魔法が脅威になると思い、それらを対策させてもらったからな」
体に付けられた枷は、魔力を吸い取る鎖付きの代物。
魔法が存在しているからこそ、魔法を使っての脱走を防ぐために用意された代物であり、鎖自体も凶暴なモンスターを拘束できるほどの強度を持ち、拘束を解くことは無い。
そもそもここに至るまでの道も一つしかないようで、脱走しようにも出入り口に見張りが存在。
さらに言えば、人目につかない場所と言う事で地下に作られた場所であり、そう容易くは脱走できないようだ。
「今はまだ、拘束に過ぎないが‥‥‥‥ほとぼりが冷め、我々の計画が動き出したころには利用させてもらおう。それまではここで、大人しく囚われていろ」
そう話した後、相手はその場から去った。
残されたのはハクロだけであり、枷によって自由が奪われた状態。
【…‥‥糸も使えない、魔法も使えない…‥‥どうしよう】
どうやらそこも対策をされていたらしく、蜘蛛の糸の射出口にべったりと何かの布地で栓をされて出すことができない。
使える手段がどれもこれも封じ込められ、無力としか言いようがない状態。
【キュル…‥‥アルス‥‥‥助けて…‥‥】
今はただ、拘束をされているだけだが、今後何をされるのかがわからない。
その事を考えると不安が大きくなり、アルスの事を思って涙があふれ出てくる。
【アルス、アルス、アルス‥離れたく、ないのに…‥‥‥】
涙を流してそう口にしても、ここに彼が来ることができるとは思えない。
様子を見る限り、かなり入念に用意されているようで、そもそもアルスの無事も分からない。
恐怖と不安…‥‥その想いに押しつぶされそうになりながらも、アルスの事を思って彼女はただ泣くだけしかできないのであった‥‥‥‥
「‥‥‥‥つまり、過去のやらかした貴族が今、出てきていると?」
「ああ、そのようだ。我が国ではすでに貴族ではなく、相手は慎重に動いていたようだが、無駄に騒ぎをしてくれたからこそ、情報を引き出せたようだ」
…‥‥エルスタン帝国の王城内、議会室。
その場にて、アルスも出席をさせてもらいつつ、出てきた情報に耳を傾ける。
「はっ、戦闘を行った間諜の者達からの情報も照らし合わせ、穴の先などを調べたところ、色々と出てまいりました。相手の動きはハクロを攫う事だけであり、戦闘の技能はあれどもそこまでおこなう気はなかったようですが…‥‥それだけに、調べることができたようです」
帝都内で起きた爆発で陽動しつつ、その隙に相手はハクロを素早く攫うはずだったらしい。
けれども、偶然と言うか、誘拐を見過ごせない者たちによって戦闘が行われて、戦闘能力の差によって敗北はしたが、それでも情報を得ることができたそうなのだ。
「帝都内を掘られていた穴は、魔道具の掘削…‥‥ですが、その魔道具自体はダンジョン産であり、いくつかは登録済みの品で、足がついております」
「また、爆発を起こす道具の規模や、戦闘力からの組織構成なども色々と絞り込みが可能であり、帝国領土内に入った者たちの情報を集めると、浮かび上がってまいりました」
‥‥‥相手はかなり、念入りに準備を行っていたのだろう。
けれども、どこかに杜撰な部分があり、そこからほころびが生じ…‥‥結果として、帝国の間諜たちが全力を挙げて調べ上げ、次々に情報が浮かび上がってくる。
帝国としても自分たちの中心部である帝都内で怪我人を出されたことに怒りを覚えているのもあるだろう。
そして、愚かな者たちの襲撃は歴史上例もあり、だからこそどのような対応手段をとるべきか、徹底されているらしい。
ゆえに、帝国は長年の英華を誇り、守りを崩さない。
そして、守るのは攻撃するのよりも難しく‥‥‥‥その守りを攻撃に変えた今、相手は見る見る間に隠してきたものを剥がされていく。
「‥‥‥ハクロを攫った目的は色々と考えられるが、良からぬ目的なのは間違いないだろう」
「そもそも、皇女様を狙っていた可能性もあり…‥‥その目標を変えただけかもしれぬ」
留学先で起きた、ダンジョン内のモンスターが暴れた事件。
その件に関してもすでに調査の手が回されており、同時並行で調べられていたが…‥‥そちらも人為的なものであり、今回の件につながっている可能性が非常に高い。
「…‥‥余のいるこの国内で、人々を巻き添えにした誘拐事件。これは、許しがたい事だろう」
「誘拐されたのはモンスターではあるが…‥‥一少女に過ぎず、そして帝国の民でもある」
「愛すべき民を傷つけ、暴れまわった愚か者どもは…‥‥粛清せねばならないだろう」
一旦報告を終え、まとめ上げた後、皇帝陛下がそう口にする。
皆が黙り込むが、その言葉には全員同意しているのだろう。
「国を、民を、このまま傷つけられて良いのか?いや、良くはあるまい。むしろ、徹底した鉄槌を振り下ろさねばならない」
「「「「はっ」」」」
皇帝陛下の言葉に誰もが同意し、その想いを抱く。
僕も同意しつつ…‥‥ハクロの無事を心から祈る。
「時間も経つが、猶予は残されてはいないだろう。だからこそ、一刻一刻を無駄にせず‥‥‥いや、こうして話しているだけも、また無駄か」
そう口にする皇帝陛下は、普段よりもはるかに威圧感を増し、皇帝としての権威を纏う。
感情を込めた言葉の中には、帝国内で暴れられた怒りが籠っており、皇帝として動き出す。
「それでは諸君、情報を元にしてできた作戦を直ちに遂行せよ!!奪われた民を取り戻すために、全力を尽くせ!!」
「「「「了解!!」」」」
皇帝陛下の言葉に一同は頷き、行動に移し始めるのであった‥‥‥‥
「‥‥‥皇帝陛下、私も作戦に参加を」
「良いだろう。アルス・フォン・ヘルズ。そちらの薬がどの様なものかは把握しており‥‥‥本作戦においても、必要性は大きい。何よりも、大事なものを奪い返すのであれば、死力すら尽くせ!!」
「了解です」
‥‥‥そして僕もまた、持てる力を惜しまない。
大事な彼女を取り戻すために。
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