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4章 中等部後期~高等部~
4-8 他意はないと言いたいのだけれども
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「それでは、コレの連行をお願いいたします」
「了解です。‥‥‥しかし、何でこの格好で固まっているのでしょうか?」
「偶然ですよ、偶然」
…‥‥ラダーの顔面を生やしたタ〇リ神のような奴を凍結させた後、僕らは国から派遣されてきた兵士たちに引き渡しの手続きをしていた。
どうやら帝国は帝国で、脱獄してきたラダーを捕縛するために動いていたようで、僕らのところに来る可能性も考えていたようだが、到着前に先に捕まえってしまったようである。
何にしても、この凍結した兄モドキに関しては、このまま置いておくわけにもいかないので、輸送中に溶けて復活しないようにしっかりと処理をしたうえで渡しているのだが…‥‥
「いや、偶然にしても‥‥‥人型で固まっている分、すごい滑稽な格好で固まっている光景は笑いたいのですが」
「本当に偶然なんですよね…‥‥」
カッチコチに固まったラダーらしき化け物の氷像と化した姿を見て、仕事だから抑えているようだがそれでもプルプルと肩を震わせて笑うのを我慢しているらしい兵士たち。
うん、無理もないだろう、それだけ滑稽な格好でコレは固まっているのだから。
【キュル、本当に、何でこんな形で固まったのかな?皆、変な事はさせていなかったんだけど?】
うーんと首をかしげて指を動かし、周辺を動いていた雪だるまたちを整列させ、考えこむハクロ。
彼女の魔法で雪だるまを作るものがあったのだが、それを利用して人形を糸で操るように動かし、冬季限定の雪の警備兵としての実験も兼ねてやったのだが‥‥‥本当に、これは偶然なのである。
そう、例え元兄のような人型の化け物であったとしても、このような形で固まるのは流石に予想していなかったのである。
具体的に言い表すには、僕の語彙力では足りないのだが…‥‥潰れて凍ったはずなのに、立体的になって滑稽な格好で固まるとはこれいかに。
とにもかくにも、流石に置いておくわけにもいかず、兵士たちへ引き渡す。
このまま連行していくが、流石に未知の化け物を帝都の方に置く訳にもいかないので、この手の研究を行う研究所へ輸送し、そこで尋問などを行うそうだ。
モンスター研究所でも調査は可能そうだが、一応あそこはあそこで大事な国の機関でもあるからこそ、危険物は持ち込みにくいらしい。
そうこうしているうちに手続きも終わり、こちらで用意した荷馬車に乗せられて、兄モドキは連行されていく。
「後は野となれ山となれと…‥‥こういう形であっさり退場してくれた方が、楽だよね」
【キュルゥ】
僕の言葉に対してうんうんと頷くハクロ。
大した面倒ごとに発展し切らず、ここで大きな被害も出すことなく、連行されていったのは良い事だろう。
ただまぁ、あの兄をあそこまで変貌させた者たちがいる可能性や、その他にも色々な面倒事の可能性を秘めているわけなのだが…‥‥できればそんなものは門前払いにしたいところである。
「とりあえず、引渡しも終わったし、今日はこのまま領内の見回りでもしようかな…‥‥ハクロ、一緒に行こう」
【うん、アルスと一緒に、領内見て回る!ついでにこの雪だるまさんたちも、あちこち見て回ってもらう!】
元気そうに返答し、指先を動かして雪だるまたちを操るハクロ。
魔法を応用して、こうやって冬季限定の警備兵を作ったのはいいけれども、結構元気よく動かせる光景をみると、それだけの用途ではとどまらないのかもしれない。
雪を活かしてこう、パレードのようなものとか、動く雪像祭りとか、何かとできることが増えそうだ。
一応、ハクロの負担も考えなければいけないけれども…‥‥それでも、面白い魔法を修得したようである。
「それじゃ、行くよ。今日はぐるっと大雑把に回りつつ、細かいところに警備兵を」
【キュル!】
面倒事の種になりかねない兄モドキは連行されたし、後は考えずにゆっくりと過ごそう。
そう思いながら、僕らはそろって見回りをし始めるのであった‥‥‥‥
「‥‥‥しかし、これまた見事に凍っているもんだな」
「ぷぷぷ、それにしても変な格好で…‥‥不気味な化け物になっているはずなのに、何をどうしたらこんなのになるんだよ」
アルスたちが領内の見回りをし始め、兵士たちは今、化け物と化しているラダーを輸送していた。
連行という形ではあるが、氷像となっているので荷物扱いである。
プライドが無駄にあったラダーにしてみれば、自分自身を荷物扱いされるのは嫌だろうが、今の状態では何も言えないだろう。
「それにしても、こんな化け物に顔が生えている光景ってのもキモイな…‥‥」
「まるで、こいつの心を表しているかのような変貌ぶりだよなぁ」
荷馬車に乗せられている氷像をちらりちらりと覗き見しながら兵士たちはつぶやくが、たしかにその通りなのかもしれない。
今はものすごく滑稽な格好で固まっているとはいえ、それを抜けば不気味な化け物と化している人であり、そのありように疑問を抱くのも無理はないだろう。
とは言え、不気味さよりも滑稽さの方が上回る形で固まっているので、抱ききれずにいたりするのだが‥‥‥それでも、人をこのような形にできるやつらがいるということになるだろうし、警戒を緩めることは無い。
「周囲へ注意を向けろよ。こいつを破壊して証拠隠滅でも図ろうとする輩が出ないとは限らないからな」
「ああ、わかっている、万が一にでも脱走されたら、それこそ面目丸つぶれになりかねないからな」
油断せずに、先に進む兵士たち。
雪道もこの領内であればある程度除雪されているが、それ以外ではそうでもない道もあり、足場が不安定になる分、襲撃をかけてくる輩がいないとも限らない。
慎重に、それでいて素早く運ぶために、兵士たちは一生懸命先へ急ぐのであった…‥‥
「了解です。‥‥‥しかし、何でこの格好で固まっているのでしょうか?」
「偶然ですよ、偶然」
…‥‥ラダーの顔面を生やしたタ〇リ神のような奴を凍結させた後、僕らは国から派遣されてきた兵士たちに引き渡しの手続きをしていた。
どうやら帝国は帝国で、脱獄してきたラダーを捕縛するために動いていたようで、僕らのところに来る可能性も考えていたようだが、到着前に先に捕まえってしまったようである。
何にしても、この凍結した兄モドキに関しては、このまま置いておくわけにもいかないので、輸送中に溶けて復活しないようにしっかりと処理をしたうえで渡しているのだが…‥‥
「いや、偶然にしても‥‥‥人型で固まっている分、すごい滑稽な格好で固まっている光景は笑いたいのですが」
「本当に偶然なんですよね…‥‥」
カッチコチに固まったラダーらしき化け物の氷像と化した姿を見て、仕事だから抑えているようだがそれでもプルプルと肩を震わせて笑うのを我慢しているらしい兵士たち。
うん、無理もないだろう、それだけ滑稽な格好でコレは固まっているのだから。
【キュル、本当に、何でこんな形で固まったのかな?皆、変な事はさせていなかったんだけど?】
うーんと首をかしげて指を動かし、周辺を動いていた雪だるまたちを整列させ、考えこむハクロ。
彼女の魔法で雪だるまを作るものがあったのだが、それを利用して人形を糸で操るように動かし、冬季限定の雪の警備兵としての実験も兼ねてやったのだが‥‥‥本当に、これは偶然なのである。
そう、例え元兄のような人型の化け物であったとしても、このような形で固まるのは流石に予想していなかったのである。
具体的に言い表すには、僕の語彙力では足りないのだが…‥‥潰れて凍ったはずなのに、立体的になって滑稽な格好で固まるとはこれいかに。
とにもかくにも、流石に置いておくわけにもいかず、兵士たちへ引き渡す。
このまま連行していくが、流石に未知の化け物を帝都の方に置く訳にもいかないので、この手の研究を行う研究所へ輸送し、そこで尋問などを行うそうだ。
モンスター研究所でも調査は可能そうだが、一応あそこはあそこで大事な国の機関でもあるからこそ、危険物は持ち込みにくいらしい。
そうこうしているうちに手続きも終わり、こちらで用意した荷馬車に乗せられて、兄モドキは連行されていく。
「後は野となれ山となれと…‥‥こういう形であっさり退場してくれた方が、楽だよね」
【キュルゥ】
僕の言葉に対してうんうんと頷くハクロ。
大した面倒ごとに発展し切らず、ここで大きな被害も出すことなく、連行されていったのは良い事だろう。
ただまぁ、あの兄をあそこまで変貌させた者たちがいる可能性や、その他にも色々な面倒事の可能性を秘めているわけなのだが…‥‥できればそんなものは門前払いにしたいところである。
「とりあえず、引渡しも終わったし、今日はこのまま領内の見回りでもしようかな…‥‥ハクロ、一緒に行こう」
【うん、アルスと一緒に、領内見て回る!ついでにこの雪だるまさんたちも、あちこち見て回ってもらう!】
元気そうに返答し、指先を動かして雪だるまたちを操るハクロ。
魔法を応用して、こうやって冬季限定の警備兵を作ったのはいいけれども、結構元気よく動かせる光景をみると、それだけの用途ではとどまらないのかもしれない。
雪を活かしてこう、パレードのようなものとか、動く雪像祭りとか、何かとできることが増えそうだ。
一応、ハクロの負担も考えなければいけないけれども…‥‥それでも、面白い魔法を修得したようである。
「それじゃ、行くよ。今日はぐるっと大雑把に回りつつ、細かいところに警備兵を」
【キュル!】
面倒事の種になりかねない兄モドキは連行されたし、後は考えずにゆっくりと過ごそう。
そう思いながら、僕らはそろって見回りをし始めるのであった‥‥‥‥
「‥‥‥しかし、これまた見事に凍っているもんだな」
「ぷぷぷ、それにしても変な格好で…‥‥不気味な化け物になっているはずなのに、何をどうしたらこんなのになるんだよ」
アルスたちが領内の見回りをし始め、兵士たちは今、化け物と化しているラダーを輸送していた。
連行という形ではあるが、氷像となっているので荷物扱いである。
プライドが無駄にあったラダーにしてみれば、自分自身を荷物扱いされるのは嫌だろうが、今の状態では何も言えないだろう。
「それにしても、こんな化け物に顔が生えている光景ってのもキモイな…‥‥」
「まるで、こいつの心を表しているかのような変貌ぶりだよなぁ」
荷馬車に乗せられている氷像をちらりちらりと覗き見しながら兵士たちはつぶやくが、たしかにその通りなのかもしれない。
今はものすごく滑稽な格好で固まっているとはいえ、それを抜けば不気味な化け物と化している人であり、そのありように疑問を抱くのも無理はないだろう。
とは言え、不気味さよりも滑稽さの方が上回る形で固まっているので、抱ききれずにいたりするのだが‥‥‥それでも、人をこのような形にできるやつらがいるということになるだろうし、警戒を緩めることは無い。
「周囲へ注意を向けろよ。こいつを破壊して証拠隠滅でも図ろうとする輩が出ないとは限らないからな」
「ああ、わかっている、万が一にでも脱走されたら、それこそ面目丸つぶれになりかねないからな」
油断せずに、先に進む兵士たち。
雪道もこの領内であればある程度除雪されているが、それ以外ではそうでもない道もあり、足場が不安定になる分、襲撃をかけてくる輩がいないとも限らない。
慎重に、それでいて素早く運ぶために、兵士たちは一生懸命先へ急ぐのであった…‥‥
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