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4章 中等部後期~高等部~
4-48 やんなきゃよかったかも
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‥‥‥助けた馬車は、どうやら帝国の第2皇子ダニエルのものだったらしい。
盗賊たちを縛り上げながらもアルスたちは騎士たちと情報を交換し合い、詳細を聞いていた。
一応、現在は新しい留学先を見つけてそこへ向かう旅路だったらしいが、その道中で偶然にも盗賊団たちに出くわし、あの戦闘になっていたようだ。それにしても、皇子の護衛の数が少ないような気がしたが‥‥‥どうやら単純な理由があるそうだ。
「皇子が積極的に出て戦闘するせいで、護衛しきれないことが多くて、中々護衛になる騎士が少ないのです」
「いや、自分よりも兄や弟の方へ回すのが良い。所詮皇帝を目指す身ではないからこそ、腕の立つ者をなるべきものへ回したいのだ」
護衛騎士の中で隊長がそう告げると、第2皇子はそう口にする。
なかなか立派な言い分だとも思うが…‥‥
「‥‥‥キュル、でも、本音は?」
「数が少ない方が、傷つけられやすいからな!!」
(((やっぱりダメな変態じゃないかな、この人)))
はっきりと迷うことなく述べた言葉に、皇子を除く全員が同じことを思うのであった。
とにもかくにも、助けなければ良かったかもしれない気がする第2皇子一行の馬車。
騎士たちの治療も済みつつも、このまま分かれて終わるわけにはいかなかった。
「にしても、話には聞いていたが君がヘルズ家の男爵家当主で、そちらの美しい方が白き、いや、今では宝石の守護天使として有名なものだったのか」
既に皇帝を通じて僕らの事は知っていたらしく、初対面と言ってもすぐに何者なのか理解したらしい。
そう言いながら第2皇子はハクロの方を見て、少し考えこむようなそぶりを見せたが‥‥‥
「‥‥‥はぁぁ、惜しい、美しさは十分なのだが…‥‥女王様と呼ぶには冷酷さが足りなさすぎる!!」
だぁんっと思いっきり地面に手を叩きつけつつ、悔やむ皇子。
どうやら盗賊との戦闘時にハクロの放った蹴りに見惚れたそうだが、色々と足りない部分があるのがすごい悔やまれるらしい。
騎士たちに詳しく聞いて見ればこの第2皇子、特殊性癖というか何をどう捻じ曲げたのか、冷酷そうな女王の下僕の学生となるとかいう意味不明な夢を持っているらしく、ハクロがその女王様とやらの条件に当てはまりそうだったのだが‥‥‥惜しい事にハクロは冷酷さというものがなく、温かみ溢れる女性。
ゆえに、冷たいまなざしとかそう言うものは持ち合わせていないことが悲しいのだとか。
…‥‥いやまぁ、ハクロが冷徹な女王のような姿になるのはどんな冗談だと言いたい。
「くそう、理想と言えるような見た目なのに、その目が優しいのが残念過ぎる!!こうもうちょっと冷酷な親戚とかいないのかね!!」
ぐぐっとギリギリで留めつつも、ハクロにそう問いかける第2皇子。
しかしながら残念なことに、そんな親戚というのはハクロにはいない。
「キュル‥‥‥そもそも群れ全滅しているから、親戚いない。それに、要望に応えられそうなのは‥‥‥いないの」
「‥‥‥何か事情があるようだね。済まなかった」
ハクロの言葉に対して、案外簡単に引いた第2皇子。
意外にも普通の常識程度ならば、持っていたようであった。…‥‥すでに評価が微妙なのは、ひしひしと感じさせられる変態度合いのせいである。
とにもかくにも馬車の方も修理がすぐに終わり、僕らはすぐにその場を離れることにした。
捕えた盗賊たちは皇子たちのほうがつないで連れて行くそうで、適当な街でしっかりと改めて罪に問うそうだ。余罪がありそうだし、きちんと締めておくのだろう。
「っと、助けてくれてありがとう。このことは後で父上たちへ報告したいのだが…‥‥大丈夫だろうか?」
「いえ、そこまでしなくてもいいですよ」
「キュル、通りがかっただけだもの」
皇子を助けた功績があっても、それを貰う意味はない。
というか今でさえも、夏季休暇明けにあるという表彰式とやらがちょっと不安だからね…‥‥そこに功績を積み重ねたら余計に不味い気がするのだ。
まぁ、なんとか良いところで別れて、僕らは学園への道へ修正するのであった…‥‥
「‥‥‥でも何かこう、やらかした気がするんだよね。やばい類の人に関わった後って、大抵何かあるからなぁ‥‥‥」
「不安?アルス、それなら私ギュッと抱きしめて、不安和らげてあげる♪」
「ありがとうハクロ。それじゃ、お願いしようかな」
「キュルゥ♪」
盗賊たちを縛り上げながらもアルスたちは騎士たちと情報を交換し合い、詳細を聞いていた。
一応、現在は新しい留学先を見つけてそこへ向かう旅路だったらしいが、その道中で偶然にも盗賊団たちに出くわし、あの戦闘になっていたようだ。それにしても、皇子の護衛の数が少ないような気がしたが‥‥‥どうやら単純な理由があるそうだ。
「皇子が積極的に出て戦闘するせいで、護衛しきれないことが多くて、中々護衛になる騎士が少ないのです」
「いや、自分よりも兄や弟の方へ回すのが良い。所詮皇帝を目指す身ではないからこそ、腕の立つ者をなるべきものへ回したいのだ」
護衛騎士の中で隊長がそう告げると、第2皇子はそう口にする。
なかなか立派な言い分だとも思うが…‥‥
「‥‥‥キュル、でも、本音は?」
「数が少ない方が、傷つけられやすいからな!!」
(((やっぱりダメな変態じゃないかな、この人)))
はっきりと迷うことなく述べた言葉に、皇子を除く全員が同じことを思うのであった。
とにもかくにも、助けなければ良かったかもしれない気がする第2皇子一行の馬車。
騎士たちの治療も済みつつも、このまま分かれて終わるわけにはいかなかった。
「にしても、話には聞いていたが君がヘルズ家の男爵家当主で、そちらの美しい方が白き、いや、今では宝石の守護天使として有名なものだったのか」
既に皇帝を通じて僕らの事は知っていたらしく、初対面と言ってもすぐに何者なのか理解したらしい。
そう言いながら第2皇子はハクロの方を見て、少し考えこむようなそぶりを見せたが‥‥‥
「‥‥‥はぁぁ、惜しい、美しさは十分なのだが…‥‥女王様と呼ぶには冷酷さが足りなさすぎる!!」
だぁんっと思いっきり地面に手を叩きつけつつ、悔やむ皇子。
どうやら盗賊との戦闘時にハクロの放った蹴りに見惚れたそうだが、色々と足りない部分があるのがすごい悔やまれるらしい。
騎士たちに詳しく聞いて見ればこの第2皇子、特殊性癖というか何をどう捻じ曲げたのか、冷酷そうな女王の下僕の学生となるとかいう意味不明な夢を持っているらしく、ハクロがその女王様とやらの条件に当てはまりそうだったのだが‥‥‥惜しい事にハクロは冷酷さというものがなく、温かみ溢れる女性。
ゆえに、冷たいまなざしとかそう言うものは持ち合わせていないことが悲しいのだとか。
…‥‥いやまぁ、ハクロが冷徹な女王のような姿になるのはどんな冗談だと言いたい。
「くそう、理想と言えるような見た目なのに、その目が優しいのが残念過ぎる!!こうもうちょっと冷酷な親戚とかいないのかね!!」
ぐぐっとギリギリで留めつつも、ハクロにそう問いかける第2皇子。
しかしながら残念なことに、そんな親戚というのはハクロにはいない。
「キュル‥‥‥そもそも群れ全滅しているから、親戚いない。それに、要望に応えられそうなのは‥‥‥いないの」
「‥‥‥何か事情があるようだね。済まなかった」
ハクロの言葉に対して、案外簡単に引いた第2皇子。
意外にも普通の常識程度ならば、持っていたようであった。…‥‥すでに評価が微妙なのは、ひしひしと感じさせられる変態度合いのせいである。
とにもかくにも馬車の方も修理がすぐに終わり、僕らはすぐにその場を離れることにした。
捕えた盗賊たちは皇子たちのほうがつないで連れて行くそうで、適当な街でしっかりと改めて罪に問うそうだ。余罪がありそうだし、きちんと締めておくのだろう。
「っと、助けてくれてありがとう。このことは後で父上たちへ報告したいのだが…‥‥大丈夫だろうか?」
「いえ、そこまでしなくてもいいですよ」
「キュル、通りがかっただけだもの」
皇子を助けた功績があっても、それを貰う意味はない。
というか今でさえも、夏季休暇明けにあるという表彰式とやらがちょっと不安だからね…‥‥そこに功績を積み重ねたら余計に不味い気がするのだ。
まぁ、なんとか良いところで別れて、僕らは学園への道へ修正するのであった…‥‥
「‥‥‥でも何かこう、やらかした気がするんだよね。やばい類の人に関わった後って、大抵何かあるからなぁ‥‥‥」
「不安?アルス、それなら私ギュッと抱きしめて、不安和らげてあげる♪」
「ありがとうハクロ。それじゃ、お願いしようかな」
「キュルゥ♪」
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