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5章 高等部~そして卒業まで
5-1 斜め上でもないのだが
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夏季休暇も終わりを迎え、学園に生徒たちの姿が戻ってくる。
けれども本日は、アルスたちは学園ではなく王城の方に呼ばれており‥‥‥そこでは今、夏季休暇前に起きた出来事に関しての功績をたたえての表彰式が行われていた。
集っているのは帝国内でもかなり上の立場である貴族家の当主たちであり、王城内の大広間にて皇帝の前に僕らは跪いて式が終わるのを待っていた。
‥‥‥休暇前に起きた、帝都を襲った肉塊球体化け物事件。
一応あれを完全に消滅させたとしての表彰も兼ねられているのだが、ここで述べ挙げられている功績はそれ以外のものも含んでいるらしい。
帝国のモンスター研究所内での研究の手助けや、月の光によるモンスターの変化の発見、その他休暇中に立ち上げられたプロジェクトの貢献など、述べ挙げるだけでもかなりの数と質を誇る。
でも、表彰されるのは別に良いのだが、こんなに大勢の上の立場にいる人たちがいる前でやるのは緊張させられる。将来的に侯爵家へ戻るとは言え、今の僕の立場は男爵家だし、貴族としての爵位の関係性を理解しているからこそ結構不安になるんだよ。
「~~~であり、ここに多くの功績を表彰し、記念状をまずは手渡すことにする。アルス・フォン・ヘルズ及びその婚約者であるハクロ、二人とも前に」
「はっ」
「キュルッ」
なお、ハクロが婚約者扱いになっているのだが、正式なものになっていたりする。婚約をモンスターと結べるのかという話もあったのだが、つい先日ようやく改正されたようで、きちんとした婚約関係を結ぶことが出来ているのだ。本来なら来年の夏季当たりだったらしいが、思った以上に早まっている。
ただまぁ、その分条件が付いてしまっており…‥‥実はちょっとした問題もあったりする。
身分としては僕は男爵家とは言え貴族の立場であり、ハクロはモンスター。
人でないからこそ人でない身分という立場であり、正式に結ぶにはちょっとばかり手続きを経る必要があった。
その手続きというのは…‥‥ハクロが貴族家の養子となる事である。
モンスターだけれども手続きをきちんと整えてこなすことで、貴族家の養子になることができる法律が出来上がり、これのおかげで立場的には貴族家の一員という事で、婚約がこなせるようになったのだ。
とはいえ、その養子になる家がどこに家になるのかというが問題であり、実はもめていたらしい。
いくら絶世の美女になっているハクロではあるが、モンスターが養子になるのは嫌だという家があった‥‥という訳ではなく、僕の家とのつながりを持ちたい家が増えて、養子縁組希望者が大量に出てしまったそうなのである。
むしろ、繋がり以前にこんな可愛い娘が欲しかったという家なんかも多いようで、中には養子でも姉か妹としてほしいと子息たちがねだっている家もあり、あちらこちらで一気に申し込みが大量に出たらしいのだ。
まぁ、黒い欲望を持つ様な家も混ざっていたらしいが、いつの間にか潰されていたらしい。なんでもどこからともなく現れた人たちによって掃除されまくって、綺麗になったとかなんとか‥‥‥いやまぁ、深くは聞かないほうが良いだろうとは思う。自浄作用があるのであればそれで良いからね。
他国からも話を聞いて出してくる人たちが出て、最終的な結果として彼女を養子に迎えたのは‥‥‥帝国の友好国の一つ、アヴェス王国の王族。
だがしかし、ただの王族が養子にしたのではなく‥‥‥かつてはここの第1皇女であり、今はその王国の妃になった元第1皇女のアリスである。
つまり、その国の王族の養子でありつつも、この帝国の元皇女の養子でもある立場になった以上、ハクロの立場も一気に急上昇。
ゆえに、帝国の皇帝一家とも繋がりを自動的に持つ羽目になり、身分の高さで言えば現在ハクロの方が僕よりも高い立場になってしまったのであった。
何だろう、良い事のはずなのにちょっと複雑な気がしなくもない。
でも、結ばれるにしても立場的には問題はないそうだし、これで正式な婚約が結べているのだが‥‥‥うーん、どうしてこうなった。
そう思いつつも式が進み、表彰の証としての書状を受け取りつつ、続けて褒美の話になる。
出来れば普通に、資金源となるようなお金だけで済んでほしいのだが‥‥‥それでは終わらないというように、皇帝が口を開く。
「今回の功績によって、アルス・フォン・ヘルズには帝国にとって大きな価値がある事を示せただろう。また、領地の発展ぶりや国家プロジェクトの起案となるような行為なども考慮すれば、よりその才を発揮してもらいたいと思う。ゆえに、本来であれば卒業後に男爵家当主となり、その後は時間を得てヘルズ家の正式な復興として侯爵家の立場になってもらう予定ではあったが…‥‥その様々な要素を含め、この場で皆に問う。彼を侯爵家の立場において、帝国に益はあるか?」
「いえ、まだ価値があるかと思われます」
「単純に価値を見るだけではなく、将来を更に見据える必要があるでしょう」
「さらに言えば、まだまだ隠された部分も多いと予想されます」
皇帝陛下の問いかけに対して、集っていた臣下たちが口々にそう言いあう。
なんとなく棒読みのような、既に仕組まれていることのような、ものすっごい嫌な予感がしてきた。
「ふむ、各々の意見としては、彼をこのままにしておけない‥‥‥であれば、適材適所という言葉があるように、彼にとってふさわしい立場に置くのが良いのではないか?」
「そうだと思われます」
「とはいえ、急な爵位の上昇は反感を買うでしょう」
「ですが、時間をかければ自然な形で移すことが出来るはずです」
「そうか…‥‥では、その意見も持って、ここで与えよう。アルス・フォン・ヘルズよ」
「はっ」
「そしてその妻となる婚約者の立場にあるハクロよ」
「キュルッ」
「両者ともに、帝国にとって非常に重要な立場でありつつ、急に動かすのは周辺の情勢を見て得策ではない。だがしかし、才ある者にはより発揮できる環境を用意するのも上の務め…‥‥ゆえに、ここで宣言しよう!!卒業後は時間をかけ、男爵家から侯爵家へ移ってもらう予定であった!!だがしかし、功績を考慮してそれでは足りぬ!!ゆえにここでまずはハクロ、そちらにヘルズ家の領地の外にある仮の領地を与え、一時的に叙爵によって爵位を与え、初のモンスターの領主として任命すると共に、その後の挙式によってヘルズ家の領地と合わせ…‥‥その時をもってアルス・フォン・ヘルズの立場を辺境を任せる辺境伯としよう!!」
‥‥‥辺境伯?
えっと確か、男爵の上に城伯、侯爵などもありつつ、子爵に伯爵なんかもすっ飛ばして結構高い立場の‥‥‥
(…‥‥思いっきり爆弾投下されたというか、侯爵以上の立場に挙げられたぁぁぁあ!?)
皇帝陛下の言葉を聞いて、軽く爵位の順列を考えつつ、何を言われたのか現実を理解させられる。
そして立場的には確か、公爵家ほど近い所だと確認し、流石にこの場では辛うじて抑えたのだが、心の中で驚愕の声を上げるのであった…‥‥‥
けれども本日は、アルスたちは学園ではなく王城の方に呼ばれており‥‥‥そこでは今、夏季休暇前に起きた出来事に関しての功績をたたえての表彰式が行われていた。
集っているのは帝国内でもかなり上の立場である貴族家の当主たちであり、王城内の大広間にて皇帝の前に僕らは跪いて式が終わるのを待っていた。
‥‥‥休暇前に起きた、帝都を襲った肉塊球体化け物事件。
一応あれを完全に消滅させたとしての表彰も兼ねられているのだが、ここで述べ挙げられている功績はそれ以外のものも含んでいるらしい。
帝国のモンスター研究所内での研究の手助けや、月の光によるモンスターの変化の発見、その他休暇中に立ち上げられたプロジェクトの貢献など、述べ挙げるだけでもかなりの数と質を誇る。
でも、表彰されるのは別に良いのだが、こんなに大勢の上の立場にいる人たちがいる前でやるのは緊張させられる。将来的に侯爵家へ戻るとは言え、今の僕の立場は男爵家だし、貴族としての爵位の関係性を理解しているからこそ結構不安になるんだよ。
「~~~であり、ここに多くの功績を表彰し、記念状をまずは手渡すことにする。アルス・フォン・ヘルズ及びその婚約者であるハクロ、二人とも前に」
「はっ」
「キュルッ」
なお、ハクロが婚約者扱いになっているのだが、正式なものになっていたりする。婚約をモンスターと結べるのかという話もあったのだが、つい先日ようやく改正されたようで、きちんとした婚約関係を結ぶことが出来ているのだ。本来なら来年の夏季当たりだったらしいが、思った以上に早まっている。
ただまぁ、その分条件が付いてしまっており…‥‥実はちょっとした問題もあったりする。
身分としては僕は男爵家とは言え貴族の立場であり、ハクロはモンスター。
人でないからこそ人でない身分という立場であり、正式に結ぶにはちょっとばかり手続きを経る必要があった。
その手続きというのは…‥‥ハクロが貴族家の養子となる事である。
モンスターだけれども手続きをきちんと整えてこなすことで、貴族家の養子になることができる法律が出来上がり、これのおかげで立場的には貴族家の一員という事で、婚約がこなせるようになったのだ。
とはいえ、その養子になる家がどこに家になるのかというが問題であり、実はもめていたらしい。
いくら絶世の美女になっているハクロではあるが、モンスターが養子になるのは嫌だという家があった‥‥という訳ではなく、僕の家とのつながりを持ちたい家が増えて、養子縁組希望者が大量に出てしまったそうなのである。
むしろ、繋がり以前にこんな可愛い娘が欲しかったという家なんかも多いようで、中には養子でも姉か妹としてほしいと子息たちがねだっている家もあり、あちらこちらで一気に申し込みが大量に出たらしいのだ。
まぁ、黒い欲望を持つ様な家も混ざっていたらしいが、いつの間にか潰されていたらしい。なんでもどこからともなく現れた人たちによって掃除されまくって、綺麗になったとかなんとか‥‥‥いやまぁ、深くは聞かないほうが良いだろうとは思う。自浄作用があるのであればそれで良いからね。
他国からも話を聞いて出してくる人たちが出て、最終的な結果として彼女を養子に迎えたのは‥‥‥帝国の友好国の一つ、アヴェス王国の王族。
だがしかし、ただの王族が養子にしたのではなく‥‥‥かつてはここの第1皇女であり、今はその王国の妃になった元第1皇女のアリスである。
つまり、その国の王族の養子でありつつも、この帝国の元皇女の養子でもある立場になった以上、ハクロの立場も一気に急上昇。
ゆえに、帝国の皇帝一家とも繋がりを自動的に持つ羽目になり、身分の高さで言えば現在ハクロの方が僕よりも高い立場になってしまったのであった。
何だろう、良い事のはずなのにちょっと複雑な気がしなくもない。
でも、結ばれるにしても立場的には問題はないそうだし、これで正式な婚約が結べているのだが‥‥‥うーん、どうしてこうなった。
そう思いつつも式が進み、表彰の証としての書状を受け取りつつ、続けて褒美の話になる。
出来れば普通に、資金源となるようなお金だけで済んでほしいのだが‥‥‥それでは終わらないというように、皇帝が口を開く。
「今回の功績によって、アルス・フォン・ヘルズには帝国にとって大きな価値がある事を示せただろう。また、領地の発展ぶりや国家プロジェクトの起案となるような行為なども考慮すれば、よりその才を発揮してもらいたいと思う。ゆえに、本来であれば卒業後に男爵家当主となり、その後は時間を得てヘルズ家の正式な復興として侯爵家の立場になってもらう予定ではあったが…‥‥その様々な要素を含め、この場で皆に問う。彼を侯爵家の立場において、帝国に益はあるか?」
「いえ、まだ価値があるかと思われます」
「単純に価値を見るだけではなく、将来を更に見据える必要があるでしょう」
「さらに言えば、まだまだ隠された部分も多いと予想されます」
皇帝陛下の問いかけに対して、集っていた臣下たちが口々にそう言いあう。
なんとなく棒読みのような、既に仕組まれていることのような、ものすっごい嫌な予感がしてきた。
「ふむ、各々の意見としては、彼をこのままにしておけない‥‥‥であれば、適材適所という言葉があるように、彼にとってふさわしい立場に置くのが良いのではないか?」
「そうだと思われます」
「とはいえ、急な爵位の上昇は反感を買うでしょう」
「ですが、時間をかければ自然な形で移すことが出来るはずです」
「そうか…‥‥では、その意見も持って、ここで与えよう。アルス・フォン・ヘルズよ」
「はっ」
「そしてその妻となる婚約者の立場にあるハクロよ」
「キュルッ」
「両者ともに、帝国にとって非常に重要な立場でありつつ、急に動かすのは周辺の情勢を見て得策ではない。だがしかし、才ある者にはより発揮できる環境を用意するのも上の務め…‥‥ゆえに、ここで宣言しよう!!卒業後は時間をかけ、男爵家から侯爵家へ移ってもらう予定であった!!だがしかし、功績を考慮してそれでは足りぬ!!ゆえにここでまずはハクロ、そちらにヘルズ家の領地の外にある仮の領地を与え、一時的に叙爵によって爵位を与え、初のモンスターの領主として任命すると共に、その後の挙式によってヘルズ家の領地と合わせ…‥‥その時をもってアルス・フォン・ヘルズの立場を辺境を任せる辺境伯としよう!!」
‥‥‥辺境伯?
えっと確か、男爵の上に城伯、侯爵などもありつつ、子爵に伯爵なんかもすっ飛ばして結構高い立場の‥‥‥
(…‥‥思いっきり爆弾投下されたというか、侯爵以上の立場に挙げられたぁぁぁあ!?)
皇帝陛下の言葉を聞いて、軽く爵位の順列を考えつつ、何を言われたのか現実を理解させられる。
そして立場的には確か、公爵家ほど近い所だと確認し、流石にこの場では辛うじて抑えたのだが、心の中で驚愕の声を上げるのであった…‥‥‥
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